Handwerkerの紹介が続いたものの、メインブランドであるASEEDONCLOUDのラインナップも失念するわけにはいきません。
以前述べたように今季のテーマは”Ijujin”。
狼と共に旅をして暮らす獣医の女性(医獣人)が人間や動物たちから伝えられる土地の記憶、および今後定住型から移住型へシフトしていくであろう我々人類(移住人)が学ぶべき、定住を余儀なくされる少数民族たちならではの知恵…
前回は靴下の話でしたので壮大な思想性との結びつきがイメージできなかった方もいるかも知れませんが、この度ご紹介するのはまさにそうした土着的な伝統服から着想した一枚です。
ペルシア人の纏う羽織りものを現代的なガウンコートに再構築した、その名もPersian Gown。
肩を包む大振りの襟は、第一ボタンまで閉めると首をぐるりと布で巻いたような印象を生み出します。
中東の民族衣装を基にしながらそうした匂いを感じさせないのはガウンそのもののデザインもありますが、生地も一役担っているわけです。
wayfarer check cloth(wayfarer=徒歩で移動する旅人)と名付けられたこの撥水ギャバジンは、通常の織機では作れないほど高密度に織られています。
配色はASEEDONCLOUDオリジナルで、とてもやさしく上品な色調でまとめられました。
この高密度生地を表地のみならず裏地にも用いており、かつ間に中綿を挟み込むことで、防風性、保温性のみならず全体的にふわっとしたボリューム感も生み出しています。
HandwerkerのOver Coatと同様の二重構造ですね。
旅人の服とワークウェア、共通する要素があるということなのか、デザイナーの遊び心か…
独自性が強く新鮮でありながらも、おそらく古びることのない、そんな永続性を感じさせる一枚です。
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