露にうもれた花びらが開く音さえ 聞こえてくる ~ TULIP EN MENSEN/ TWIST SHIRT

まだ明けたよと発表はないものの、およそ一か月にわたり雨の降らない日がなかった本気すぎる梅雨もようやく終わりが見えてきました。

梅雨冷えで長袖、もっといえば上着も必需品でしたが、数日前からは半袖一枚でも肌寒さを感じなくなりましたね。
まだまだ店内、夏物はずらりと揃っていますので是非今からでもお買い求めください。

と言いながら何ですが、早くも秋冬の新作の入荷は始まっておりまして、もちろん本格的なアイテムはまだですが、今置いても異様な雰囲気にならない程度のものは店頭に並んでいます。

ということで、次のシーズン商品のご紹介第一弾。
そして、当店では初登場となる期待の新ブランドのお披露目でもあります。

TULIP EN MENEN(チューリップ・エン・メンセン)は、新潟県新潟市に拠点を置くインディーズブランドです。
オランダ語で「チューリップと人びと」を意味したブランド名は、新潟の特産品チューリップを掲げ、さまざまな「人びと」との「縁(EN)」を繋ぐ意志を表します。

ニットをはじめ衣料品の産地である新潟の地の利を活かし、産地の活性化をその大義名分に溺れることなく結果としてなし得るよう、あくまで現代に於ける普段着であることを念頭にものづくりを行っています。

今夏ご紹介のノーカラーシャツもまた新潟ならでは。

米どころとして知られる新潟市の亀田郷(ハッピーターンはじめ多くの名作を放ち続ける亀田製菓でもおなじみですね)の伝統的な生地、亀田縞で仕立てられています。

亀田縞は、もともと江戸時代後期、和綿栽培の北限でもあった亀田郷の農家の冬の内職で自給用として織られていた生地で、泥や水に強く、ひじょうに耐久性に優れています。

何代にもわたる先人の努力の積み重ねによって今では豊かな田園地帯となりましたが、信濃川、阿賀野川、小阿賀野川、日本海に囲まれ、土地の大部分が海抜より低い湿地帯である亀田は、元来決して稲作に向いていた土地ではありませんでした。
芦沼とも呼ばれたほぼ湖同然の深く冷たい田圃に、農民たちは腰、場合によっては胸まで浸かりながら農作業を行っていたそうです。

おまけに水害や塩害も多く、ある資料によると、「土地卑湿、連年水害の要あり、民ほとんど生を楽しまずして、六万石となすも、いわゆる荒田荒畑その半ばをすぎ、実歳入二万石に満たざる」ような土地だったとか。

その苛烈な環境ゆえ、丈夫な布が必要とされたのは想像に難くありません。

徐々に問屋を通して農家の収入源となっていった亀田縞は、明治から大正にかけてその美しい縞模様が広く知られるようになり、亀田が織物の町として認識されるほど隆盛を誇ったようですが、需要の減少や物資統制の影響などもあり、1952年には完全に生産が途絶えてしまいました。

時は流れて2003年、亀田郷資料館に保存されていた亀田縞の布と見本帳が見つかったことから、わずか2軒の機屋さんによって亀田縞復活の取り組みが始まります。
そして、およそ4年の試行錯誤を経て再び世に出ることに。

ちなみに、TULIP EN MENSENの若きデザイナー横山英也氏は、新生亀田縞の柄デザインそのものも手掛けています。

そんな必然が合わさったシャツ、もちろん着目すべきは生地だけではありません。
じっくりと見ていきましょう。

実はデザイン上最大の特徴はこの前立てです。

男性用なのか、女性用なのか、その疑念に答えるように、左前/右前/左前…と、重なりがスナップボタンを境に交互に入れ替わります。

これにより前立てにねじれが生じ、不思議な立体感が生まれました。

スナップですので開けたときの視覚的なバランスが左右対称になり、そうした部分にもデザイナーの意図を感じます。

袖口もスナップで絞ることが可能です。

細部に至る仕事はタグにも及び、ロゴの刺繍は敢えて糸を切らず、繋がったままにしています。

先述した「縁」がここに表現されているわけです。

ユニセックスモデルで、Mサイズのみご用意しました。
女性用M~男性用Sくらいの大きさです。

秋物とはいえ、素材感、デザインともに夏の羽織ものとしても活躍することでしょう。

是非一度店頭にてご覧ください。

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