毎シーズンご好評いただいている、Handwerkerの特定職ワークウェアシリーズ。
2018AW/ おほけなく うき世の民に おほふかな わが立つ杣に 墨染の袖(活版印刷)
2019SS/ 編集王(雑誌編集)
2019AW/ いざ 進めや キッチン(料理研究)
(2020SSに関してはご紹介前に完売してしまいました)
今回ヒアリング対象となったのは、吉川和人氏。
割れや節といった瑕疵とされがちな要素を、木のもつ官能的な美しさとして活かし、素敵な家具や小物を製作されている方です。
氏から実際に木工作業を行うにあたり具体的な要望を汲み取り、Handwerkerならではのフィルターを通してデザインされています。
大前提として要求されたのが、動きやすさ。
木を削る時には前傾姿勢で手を動かしますし、またさまざまな作業で腕の動きはとても重要です。
あらゆる作業に於いて腕や背中がつっぱらないよう、スプリットラグラン(前面がセットイン、背面がラグラン)の袖は大きく前に振られ、腰にはプリーツが入れられています。
また、首元や袖口から木屑が入るストレスを軽減すべく、首周りはスタンドカラーにして首に沿わせ、
袖口には2つのボタンを配置、しっかりと手首にフィットします。
とくに手首はゆとりがあると旋盤作業で擦り切れてしまうため、このフィット感が重要だそうです。
メインとなる定規ポケットと鉛筆ポケットに重なってさらに鉛筆用ポケットが2つ並び、開口部が斜めにカットされています。
これは、鉛筆が長いときだけでなく短くなったときも出し入れしやすくするため。
フラップにスナップボタンのついた両脇の大ぶりなポケットには、ノギスや直角定規を収めることができます。
このカーキとネイビーには、コーデュラナイロンを混ぜて高密度に織られたツイル生地が採用されました。
耐久性に優れ、薄く、軽く、さらりとした乾いた質感を備えています。
一方、作業着というより秋冬向けのブルゾンとして見た場合とても魅力的なのがコーデュロイ版。
パイルが抜けやすいというコーデュロイの構造的な問題を解決すべく、最初に緩めに織り、染色の工程で生地を詰め、さらに乾燥させています。
これによりパイルの抜けが軽減するだけでなく、柔らかくふっくらとした風合いも生まれました。
コーデュラツイル、コーデュロイ、どちらも甲乙つけ難く、悩ましいですね。
来週あたりから少しずつ猛暑も陰りを見せるようで、こうした羽織ものをご覧になる方は増えるはず。
有難いことに今季は秋物の動き出しが例年より早いため、涼しくなる前に色やサイズが欠けてしまうかも知れません。
是非今のうちにご検討ください。
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コーデュラツイル ネイビー/ カーキ
コーデュロイ グレー