ポケットにファンタジー ~ alk phenix/ shu coat

10年くらい前でしょうか、なんとなくサザエさんを観ていたのですが、一篇を通してタラちゃんが”ポケット”の概念に異様な偏執を示し続けるという、甚だ尋常ならざるお話がしれっと放送されていました。
「男はポケットにこだわるです~」

やにわにそんな遠い昔の些末な記憶を聯想させてしまうのはalk phenixの新作、shu coatに他なりません。
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以前ご紹介したshu pantsと同じく「収納」を主題にしたshuシリーズで、その名の通り収納という行動を記号化したような執念に満ちたデザインの両脇ポケットが、瞭然たる特徴となります。

このポケットはブログ紹介前に完売してしまった同ブランドのshu zak shortsというショートパンツと同じ構造でして、フラップもポケット、ポケットの中にも小さなポケットと縦にとられたジップポケットが仕込まれています。
ポケットポケットと連続して危うくゲシュタルト崩壊しそうになりますが、端的に述べますと左右で8つのポケットが設けられているというわけです。
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ポケット以外には、スナップボタンに付けられたグログランテープのプルタブにご注目。
スナップを外す補助になるだけでなく、補強としてボタン自体が生地から抜けてしまうリスクも軽減する、実に合理的に計算された一石二鳥なデザインですね。
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生地はshuシリーズ共通の、光沢やシャリ感の少ないナイロンのオックスフォードを使用しています。
柔らかく、軽快で、乾きも速い優れた素材です。
一枚仕立てですので秋口から羽織れますし、冬でも下に厚手のニットやインサレーションを着込めば、横浜ならば問題ないと思います(と言いつつも、実際真冬になれば心理的にももっと暖かな外套を纏いたくなるものですが)。
春にはスプリングコートとして着用しても好いでしょう。

シルエットは胴にだぷっと余りを持たせており全体的にゆったりとしていますが、肩の位置を定めないラグラン袖にして、さらに若干短めの袖丈にすることで、「大きい服を着ている」感はありません。

Lサイズならば比較的大柄な男性にもその形状の特性上合いますし、逆に小柄な女性がSを着るのも可愛いと思います。

つい破天荒なポケットのあしらいにばかり目が行ってしまいがちですが、実に細かい部分に至るまでしっかりと練りこまれていますので、店頭では是非ともその仕事っぷりをご覧いただきたいと願っています。

オンラインストアはこちら→ ブラック/ ネイビー

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