ラタトゥイユから名付けられたラタコート。
独創的な捻りが絶妙の匙加減を以て効いている、実にEELらしいコートです。
まずは情報のない状態でご覧ください。
ざっくりとした表情豊かな風合いのシンプルなバルマカーンコートですが、
ただよく見るとところどころ突っ張ったようになっており、
裏地が少し外側にめくれて見えています。
どこかアーティスティックな雰囲気ですね。
店主の勝手なイメージに過ぎませんが、
20世紀初頭のモンマルトルあたりの画家が着ていたような錯覚すら覚えます。
この知性的な歪さは、一寸変わった手法によって生まれたものです。
最初に生成のウールの表地と、しっかりとした厚手のナイロンタフタの裏地を
袋縫いにしてコートを仕立てます。
それをぐらぐらぐつぐつと染料で煮込むことで、ウールの部分のみが染まります。
同時にウールが縮みますので、裏地のナイロンが表に引っ張り出され、
この独特のつれたような表情が導き出されました。
冒頭のラタトゥイユ、というのはこの煮込みのイメージです。
もちろん実用品として納得のクオリティを備えているのは言うまでもありません。
やや粗い目の表地ですが、製造加工で多少は目が詰まっていること、
また裏地のナイロンタフタがかなりしっかりしていることで
なかなかの防寒性能を備えています。
裏地のボリュームもあって決して軽量ではありませんが、
それを補って有り余る独特の魅力に満ちたコートです。
寒くなるにつれ少しずつ在庫も減りつつあります。
是非今のうちにお試しください。
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