タスマニア物語 ~ Blundstone #550

革靴の魅力は、上質な素材を使ってクラシックな技法で
しっかり作られたものを修理しながら長く履くところに
あります。
OLD PORT MOCCASINも、顔つきは素朴ですが
そういう楽しみ方のできる正統派の靴です。
ですが、今回ご紹介するのはそれとはまた違う、
むしろかなりスニーカー寄りのブーツとなります。

オーストラリアはタスマニア島にて
19世紀から一族経営を続けるBlundstone社の
サイドゴアブーツ、#550 です。

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耐久性の高いオイルドレザーのアッパーに
一体成型で圧着されたソールは多少の風雨にはびくともしません。
まさにザ・作業靴です。
あまり難しいことを考えずにボロボロになるまで履きこんでいただくものですし、またそうなった頃が一番美しくなるものでもあります。

このブランドのもっともポピュラーなモデル#500と
酷似していますが、ライニングが合皮から本革に変更され、
またヒールのステッチも2重にかけられて耐久性が向上しています。

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さらに、脱着可能な中敷の下に衝撃吸収材が基本仕様として
装着されているにも関わらず、さらにその中敷にも
衝撃吸収材を奢っているため履き心地はフカフカで、
革靴の固さは微塵も感じさせません。

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ところがこのシンプルな形状は革のブーツのそれであり、
汎用性が極めて高いデザインです。
革靴とスニーカーの美味しいところを
兼ね備えているといえるのではないでしょうか。

サイズ微調整用の中敷と、手入れ用のワックス
(登山をする人にはお馴染みのNIKWAXです)
も付属し、
至れり尽くせりです。
(追記:2016AWよりNIKWAXは付属しなくなりました)

たしかに高級な素材を使用しているわけでもなく、
縫製も荒々しいです。底の張替えはできません。
いわゆる本格革靴かと問われればNOでしょう。

それでも、靴というものの着地点についての一つの回答として、
確かな価値を提示できている逸品だと考えています。

オンラインストアはこちら→ #550


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