先日発売のスタジオボイス、実に佳い内容でした。
ここまで「ファッション」にフォーカスして、
しかもただブランドやトレンドを好意的に取り上げるのではなく
歴史的な流れから今の現象を追いきちんと批評する、
そしてそれが純粋に読み物として愉しい、
これは本来あるべき姿なのですが、実は稀有なことです。
「なぜ伝えるか、好きだからだ」という初期衝動を誌面から強く感じたことで、
これを常に携えて初めて発信というものは伝わるのだと再確認させられました。
それはジャンルを問わない話です。
after darkのTシャツひとつにしても、
作り手の初期衝動が十二分に感じられます。
軍物、それも主にヨーロッパものに関する深い造詣、
同時に江戸川乱歩とメタル、ハードロックといった闇の世界に耽溺する趣味嗜好、
それらが混ざり合って生まれたパーソナルな一品です。
素材は綿にポリエステル、レーヨンの混紡された、
高級感というよりもミリタリーものの持つ
煤けた雰囲気を重視した生地が使用されています。
それだけだとただインスパイアされたものになるところ、
広めにとられた首回り、ゆったりしたサイジングに短めの袖はどこかロックを感じさせ、
胸元の極小ポケットは中性的な甘さとひそやかなユーモアを内包します。
そして内側のロックステッチには赤い糸が採用されていますが、
これはデザイナー氏が愛する乱歩『赤い部屋』、ポオ『赤死病の仮面』、
イタリアンホラー映画『サスペリアPART2』の原題『Profondo Rosso(深紅)』から
導き出されたディテールです。
一枚のTシャツから溢れる作り手自身の思い、ストーリー。
服としての純粋な完成度のみならず、それに加えてひしひしと伝わるものがありますね。
よりゆったりしたサイジングに広い首回りでポケットが省略された
レディスモデルも、生地や裏の赤い糸使いは同様となります。
それぞれオリーブとグレーの二色展開で、オリジナルの缶バッジ付きです。
前回入荷のスウェットもあっという間に完売しましたので、
こちらも気になる方はお早めに!
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メンズポケットTシャツ オリーブ/ グレー
レディスTシャツ オリーブ/ グレー