戦う者の歌が聞こえるか

先にお断りしますが、今回商品の話はまったく出てきません。

とくにファッション業界に於いてサッカーを観るのが好き、というのはだいたいにおいてプレミアやリーガ、或いはCL等の観戦を指します。

欧州のハイレベルな舞台でスーパースターたちが繰り広げる熱戦。
何といっても世界一人気のあるスポーツですから、実に華やかなものです。

先日のユーロに眠たい目を擦った方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

一方で店主もサッカー観戦は好むところですが、よりドメスティックな指向でありとりわけこの業界では少数派に属します。

日本代表?いえ、Jリーグです。

決してコアなサポーターとは言えないものの、娘ともども我が街のクラブ横浜Fマリノスを応援しています。

さて、店を開いてからはなかなか観戦にも行けなくなったのですが、昨日およそ一年ぶりに三ッ沢競技場まで娘と出かけてきました(マリノスのホームは現在新横浜の日産スタジアムですがたまに三ッ沢公園のサッカーグラウンドでも試合が行われます)。

日本一の収容人数を誇りその巨大さゆえ”要塞”の異名を持つ日産と異なり、三ッ沢はこじんまりとしていて観戦席に雨避けの屋根すらありません。

観戦中の傘の使用はマナー違反ですので、試合直前に雨が止むまで戦々恐々としていました。

設備が旧い三ッ沢には屋根以外にも問題が多々あります。
トイレが少ない、客席にドリンクホルダーがない、飲食施設が極端に少ないなど…

それでも客席とグラウンドの近さから生まれる臨場感は数々の欠点を補って余りあるほど実に素晴らしいものです。

天気も微妙な上に平日ナイターということで、昨日は労せずなかなかいい席を確保できました。
“いい席”というのも人によって違うのですが、一試合通して俯瞰するには適さないものの、後半のゴールの場面や中村俊輔の美しいコーナーキックが間近で見られる角の前列が私は好きです。

ちなみに三ッ沢だとこの距離感で観られます(ブレ写真で申し訳ありません)。
これが日産だと陸上トラックのせいもありもっと遠くなってしまうのですが。

試合開始1時間半前に着席し、雨に打たれながらおべんとを食べたり

ウォーミングアップを眺めたりして

その時を待ちます。

対戦するはヴィッセル神戸、チーム自体というよりも先方のネルシーニョ監督との相性がすこぶる悪く、いやな相手です。

ウォーミングアップを済ませた選手たちは一度戻り、その後『民衆の歌』(『レ・ミゼラブル』挿入歌ですね)とともに再入場します。

我々は旗を振り歌いながら選手たちを迎え、すでにこの時点で宗教に似た恍惚を感じています。

試合開始です。
このところの悪癖、出足が遅いマリノス。
神戸のスピード感ある攻撃に押し込まれあっという間に先制されます。
その後も主導権を完全に握られ続けました。
観るべきところのない酷い前半を0-1で終え(それでも一部選手には光るものがありましたが)、また後半に1点追加され0-2。

ああきょうはハズレの日かと観念したその直後でした。
ブラジル人フォワードのカイケが取り返した1点を皮切りに選手一丸となった怒涛の反撃を見せ、世界のShunsuke Nakamuraの左足が放つPKを堪能した上に


キュラソーの怪人マルティノスの追加点を得て終わってみればまさかの3-2。

苦行のような1時間弱を我慢した上での享楽の時間に総員大興奮。
勝利の儀式として客席一同トリコロールのパラソルを『コーヒールンバ』に合わせて回します。
何度見ても実に美しい光景です。

Jリーグは滅多に地上波で放送されず、馴染みのない方が大多数かも知れません。
正直レベルも世界最高峰にはまだ程遠いと思います。

しかし日本のスタジアムは海外にくらべ安全で老若男女が身の危険を感じることなくのんびり楽しめますし、何より自分の贔屓のチームをその場で応援し家族や仲間と共に我が事として一喜一憂する体験は代えがたいものがあります。

未体験の方は是非一度スタジアムに足を運んでみてください。
特に贔屓がなければまずは地元で。
場合によってはグダグダな試合に当たるかも知れませんが、今回のようなエンターテインメント性の高いゲームを体験すれば、きっともう病みつきになる筈ですよ。

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