悲しいかな人類の歴史は争いの歴史であり、戦争のたび、または有事に備えてあらゆる分野の技術が進化していきました。
それは衣服も同様で、トレンチコートなどを例に挙げるまでもなく、現在街着として使われているものの多くがミリタリーウェアをルーツとしています。
生き死にに関わることですからどれもその構造はきわめて合理的で、結果的にデザインのためのデザインでは到達し得ない普遍的な機能美を帯びているためでしょう。
今回ご紹介するこのマッキノーコートもまた、第二次大戦時に米軍が使用していたM-1938が雛型です。
しかし自分で振っておいて何ですがそんな能書きは忘れていただいても構いません。
ただ冬の装いとして気持ちよく身に纏っていただければ。
フランスのワークウェアブランドHERVIER PRODUCTIONS(エルヴィエ・プロダクションズ)が手掛けたこのコートは、ミリタリーを一切感じさせない洒脱さと軽快な着心地、あたたかな温もりが特長です。
ニット素材のショールカラーはやさしく首元に沿い、
首元のボタンを詰めて留めればしっかりと冷気を防ぎます。
裏地はキルティング等の仕様ではありませんが、
表地との間にハイテク保温素材サーモライトが挟まれており、防寒性はなかなかのものです。
また、このサーモライトを搭載するメリットして、ウールの表地を分厚く高密度にしなくてもよいという点が挙げられます。
そのため見た目以上に軽く、柔らかな素材をチョイスすることができ、武骨さが大幅に軽減されました。
機能面ばかりお伝えしてしまいましたが、虚飾を排した見目の麗しさはご覧の通りです。
大人の男性のための服として、汎用性と色気を両立させたデザインに仕上がっています。
また、この仕上がり且つフランス生産にして税込で5万円弱という良心的な価格設定も見逃せないところです。
明日の晩からはこの時期の関東平野部としては54年ぶりに雪が降るかも知れないと予報も出ております。
各色一枚きりの入荷ですので、是非冬将軍襲来の前にお手元へ。