あなたがにしをむけば しっぽはひがしよ ~ MOSODELIA/ TAIL CARDIGAN

朝晩の気温はだいぶ下がってきて、もう窓を開けたままタオルケット一枚で就寝というわけにはいかなくなりました。

とはいえまだお昼はそれなりに暖かく、こんな時期はちょっとした羽織りものが実に重宝するもの。

旅をメインテーマにするだけあって高機能素材使いの得意なMOSODELIAから登場した、ジャケット型カーディガンです。

ウールの入った軽く暖かな混紡素材が用いられていますが、この生地は裏の肌に当たる面に綿が用いられ、ウール特有のチクチク感が苦手な方でも快適に着ていただけます。

デザイン上の大きな特徴として、燕尾服とまではいかないまでも前身頃は短く、後身頃は長めにとられ、どこかそうした服に通じるクラシカルな雰囲気を漂わせます。

襟元や袖口にはパイピングが施されています。

ボタンは一つ留め、EELのイージーカーデ同様裏にはちゃんと補強が入っています。

ジャケット型ですので当然ながら、両脇にはポケットが設けられています。
地味ながら上着としてうれしい部分ですね。

軽くてやわらかくて気軽な、でもニットのカーディガンより遊びの利いたもの、ジャケットとまではいかないまでも凛とした表情も欲しい、そんな服をお探しの方には是非ともお薦めしたい一枚です。

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ウラムの螺旋 ~ HAVERSACK/ ダイアゴナルジャケット

カジュアル化の進むこの時代ですが、否だからこそ、質の高いジャケットの存在意義は増すばかりです。

とりわけ紺のジャケットは、男子たるもの春夏用と秋冬用それぞれ最低でも一着は持っておきたいもの。

汎用性の高いごくスタンダードなものを選ぶもよし、あるいはこんなちょっと癖のある一枚をご自身の個性に合わせて愛するのも素敵だと思います。

癖のある濃厚な男服、そこに関しては当店では何と言ってもHAVERSACKの右に出るものはありません。

このジャケットも同ブランドらしさが存分に詰め込まれています。

素材はダイアゴナル(綾織)のツイード。
ハリがあり、程よくざらみのある強靭な生地です。

やわらかく、なめらかな素材とはまた異なる苦みばしった魅力がここにはあります。

その男性的な質感をより引き立てるデザインが随所に施されました。

脇だけでなく胸ポケットにもフラップが設けられ、フィールドジャケットのような野趣味溢れる雰囲気が醸し出されています。

ジャケットの上襟をカラー、下襟をラペルと称しますが、その境目であるライン(ゴージライン)は昨今の一般的なジャケットのそれに較べ低く、また下向きの角度に設定されています。

80年代のスーツなどによく見られた位置ではありますが、HAVERSACKの美意識は当然その時代には置かれていないため、察するにこれはさらに遡って30年代の紳士服からの引用と思われます(以前デザイナーの乗秀さんとお話ししたときも、男服の黄金期は19世紀後半から1930年代までと仰っていました)。

構造自体は意外と軽快なつくりとなっており、コットン素材の裏地も最小限に留められていますが、本体の生地の密度が高いためそう簡単には風を通すことはないでしょう。

ボタンはナットの削り出しを採用、袖口は本切羽(ボタンが開閉可能)仕様です。

と、諸要素が存分に詰め込まれたオールドテイストなデザインでありながらも、いざ纏ってみればきわめて現代的な美しいシルエットを描くのもこのジャケットの大きな特徴です。

こればかりはまずはご自身で実感していただきたいところ。
是非とも店頭にてお試しください。

オンラインストアはこちらです→ ダイアゴナルジャケット


忍び恋のように ~ Jens/ マイクロポプリンジャケット

日に日に夏の名残は薄れていき、秋の羽織りものをお探しの方が増えてきました。

コージーなカーディガンなどはもちろんのこと、気温が下がってくるとこんな凛としたジャケットも気になってくるところです。

当店で女性向けのシャープな上着と言えばのJens、今回もその切れ味は変わりません。

生地に用いられているのは滑らかな肌触りとしっとりした光沢を備えた、タスマニアウールとカシミアの混紡生地。

高密度で織られることで薄さとしっかりしたハリ感を両立しており、仕上げのプレス加工によって一層の艶が引き出されています。

この素材の佳さを体現すべく、一切の虚飾は廃されました。

ストイックなことに前立てのボタンすら省かれ、その代わり腰に付属の紐を巻き、結ぶことで調節します。

削りに削った仕様とはいえ手をかけるべきところはしっかり細部まで気が配られており、内ポケットの、それもフラップに隠れて見えないボタンに貝が用いられています。

ただ削ぎ落とすだけなのがミニマムデザインではありません。

そのシンプリシティひとつひとつに意味があって初めて成り立つ、そんなことを教えてくれる一着です。

オンラインストアはこちら→ マイクロポプリンジャケット


Baby自転車 ~ Millican/ NICK THE MESSENGER BAG

昨年ご好評のうちに完売したMillicanのメッセンジャーバッグNICKが、新しい色を身に纏って帰ってきました。

前回と同じ13L容量のモデルと


それより一回り強大きな17Lモデルです。


メッセンジャーバッグはシンプルな構造にベルクロ(マジックテープ)式の蓋というのが一般的ですが、このNICKはミリカンらしいギミックに溢れたオリジナリティの高い鞄に仕上がっています。

大人になるとベルクロのベリベリに抵抗のある方は少なくありません。
NICKではそこはアルミニウム製のフックを用いています。

フックだと外れやすいイメージを持たれるかも知れませんが、引っかけてからストラップを引いて締め上げれば大丈夫です。

フラップを開ければまずは外ポケット。

中を見ればポケット、ポケット、ポケット…

細々したものも問題なくその場所を確保できる、うれしいつくりです。

背面にもノートPC用にパッドの入ったスリーブが設けられています。

17Lモデルであれば15インチのPCも収容可能です。

同じく背面下部のストラップ、

この片側を外して肩掛けストラップに引っかけることで、自転車に乗っているときなどバッグが前面にずり落ちるのを防いでくれます。

非使用時には取り外しも可能です。

余談ですが、色は異なるものの、店主も昨年からこの13Lを普段よく使っています。

生地(BIONIC CANVAS)がこなれ、いい雰囲気に育ってきました。
耐久性が高く撥水性に優れているだけでなく、使い込むほどにカドが取れて表情に深みが増すのがこのBIONIC CANVASの大きな特性のひとつでもあります。

ご覧の通り色のバリエーションも豊富で、お好みに合わせてお選びいただければと思います。
日常使いには13Lでじゅうぶんですが、先述の15インチPCなど収容力を重視するならば17Lがよいでしょう。

オンラインストアはこちらです→
13L エンバー(オレンジ)/ ヘザー(パープル)/ グラファイト(チャコールグレー)
17L ゴース(イエロー)/ モス(オリーブグリーン)/ スレート(ブルー)


行きて帰りし物語 ~ blanc/ west-point(wide)

当店に於けるチノ系パンツの頂点に君臨しているblancのワイドパンツ。

毎回入荷のたびにすぐ姿を消してしまうため、常連様であってもご来店のタイミングによっては幻のパンツと認識されている方がいらっしゃる、そんな逸品です。

完売から入荷をずっと心待ちにしていたのですが、若干の納期遅延を経てようやくここに再登場となりました。


当初からすでに高い完成度を誇りながらも、入荷の度に極細かい点に微調整が施されており、今回は大きな変更点としてフロントのボタンが見えない仕様に戻されました(前回はこちら)。

生地は光沢の強いウェストポイント。

一般的なチノクロスよりも目が細かく、これにアルカリ加工を施して繊維を滑らかに膨潤させることで生まれた艶です。
表面にコーティング等したような処理ではないため、洗濯を繰り返してもそれほどこの質感が損なわれることはありません。

裏の始末の美しさも特筆すべきレベルです。

サイドシームは袋縫いになっており、ロックミシンのステッチが見えません。
ロールアップしたときの見栄えを考慮してこのような手間のかかる仕様となっています。

レディースのフリーサイズ扱いではあるものの、実際はメンズのS~M相当のサイズ感です。
本来はダボッと穿いてロールアップで裾を調整することを想定しており、それもあってウェストは調節可能な仕様となっています。

とはいえ、実際お買い上げいただいた方のほとんどは男性でして、サイズが合う方であれば老若男女問わずお薦めできます。

なお、今回はこの定番のウェストポイントに加え、同型でデニムも登場しました。

ざらみのあるいい生地で、ウェストポイントとはまた違った佳さをお楽しみいただけることと思います。

再入荷日から早速動き出しており、また今回もいつまで店頭に残っているか判りません。

特に本日はdelightful toolセミオーダー会の最終日。
お客様の目に留まる機会も多くなります。

少しでも気になる方は、是非お早めにお越しください。

オンラインストアはこちらです→ ベージュ/ ネイビー/ デニム


delightful tool セミオーダー会開催中!

いよいよ本日、delightful toolさんのセミオーダー会が始まりました。

9/18までの三連休限定のイベントです。

オーダーについての段取りはdelightfulさんのブログに詳細がありますので、こちらもご参照ください。
http://www.delightfultool.com/shoes/order/01.html

台風の動向がやや心配なところではありますが、皆様のお越しをお待ちしております!


やさしさに包まれたなら ~ CURLY/ RAFFY ZIP PARKA & AWSIE ZIP PARKA

少なくともフロントジップ式に限れば、スウェットパーカのファイナルアンサーの一つと断じて過言ではないかも知れません。

今季より展開スタートしている香川発のカットソー専門ブランドCURLY(カーリー)。
その代表作であるスウェットパーカが入荷致しました。

RAFFY(ラフィ)と名づけられたこの前開きタイプのパーカ、見たところそれほど大きな特徴はないようですが、一体どうしてこれが只者ではないわけです。

追って見て参りましょう。

まず素材、カットソー専業工場のブランドなだけあってその生地の品質は折り紙付き。

繊維強度の強いトルファン、艶のあるギザ、柔らかいスーピマの落ち綿のみを混紡した糸で編まれています。

ブランド定番の型ではありますがシーズンによって微調整が施され、秋冬モデルは起毛後に生地を揉み込み起毛を絡める事で、肌当たりと保温性をより高めています。

その肌触り、着心地はまるできめ細やかなクリームのよう。
ふわりとして、のびやかで、体をやさしく包み込んでくれます。

この極上の生地をただオーソドックスな形状に仕立てるだけでもじゅうぶんなはずですが、それでは終わらないのがCURLYです。

体の形状に沿った、余計なゆとりのないすっきりしたシルエットにまとめられ、しっかりと立ち上がったフードがさらに完成度を高めています。

一般的にこうしたパーカのフードは、ファスナーを一番上まで閉めたときはともかく、少し開けばぺちゃっと倒れてしまうものです。
ところがこのパーカ、そう簡単にはフードが寝ません。

前立て裏の見返しを深くとって厚みを出すことで襟元、胸元にハリが生まれ、

通常はフードに隠れて見えませんが、首と背中の間に縦方向のリブをはめ込み、下への力に負けないようフードを支えています。

パターンの工夫とこうした仕様によって、立ち上がったフードから胸元にかけての美しい曲線が生まれました。

なお、前立てのファスナーはYKKのEXCELLAを使用しています。


歯のひとつひとつに磨きをかけることで生まれるラグジュアリーな光沢と、滑らかな開閉感が特徴です。

なお、今季はこのRAFFYをさらに秋冬仕様にバージョンアップさせたAWSIE(オースィ)というモデルも登場しました。

前述の綿素材に最高ランクのオーストラリア産メリノウールをブレンドしたスウェット生地で同じ型に仕立てられており、RAFFYの柔らかさ、保温性がさらに高められた一枚となっています。

なんとこのウールには防縮加工が施されており、家庭で洗濯を繰り返しても質感が損なわれません。
あれこれ気にせずどんどん楽しめますね。

ちょうどこの連休から気温も下がるようで、こんな気軽で暖かなスウェットパーカはたいへん重宝します。

どちらも男女サイズをご用意しました。
是非店頭にてその衝撃的な着心地をお試しください。

オンラインストアはこちらです→ RAFFY/ AWSIE


華やぐ街を 背中に感じ ~ HAVERSACK ATTIRE/ ボーダータートルネックニット

狂おしく濃厚な服作りで、当店でも着々と支持者を増やしているハバーサック。

メインラインのHAVERSACK、以前ご紹介したh.s.Equipmentに続く別ラインATTIRE(アタイア)よりタートルネックニットのご紹介です。


ずばり”装い(attire)”を名に冠したこのブランドは、いかに日常をエレガントに振舞うか、10年20年と変わらぬ価値観を身に纏えるかをコンセプトに、往年の洒落者から連なる美意識を現代に提示しています。

その趣向はHAVERSACKに輪をかけて欧州クラシックの匂いが強く、このブランドで全身を統一してしまうと映画の登場人物になりかねない危うさすら内包するほどです。

とはいえこのニットなどはその中でも抑制が利いており、装いに程よい塩梅のバタ臭さを与えてくれます。

ご覧の通りの品の佳い変則ボーダーの色調は、これから訪れる秋の気分を駆り立てて止みません。

見た目よりもさらりとした肌触りでやや薄めに設定されたウールのニット生地、ややコンパクトなサイズ感は、単体では勿論のことジャケットの内側などへ挿し込むことに適しており、こうして組み合わせることでより一層の男の色気を醸し出します。

ジェンダーフリーの世ではありますが、だからこそ大人の男の装いとは何ぞやと考えてみるのも一興ではないでしょうか。

多様性を認めることは何かが何かにとって代わる事ではなく平和的に共存へ至る道であり、また社会的男女同権は即ち性差の否定ではないはずです。

オンラインストアはこちらです→ ボルドー/ グリーン