メロウ・イエロー ~ niuhans/ Supima Cotton Mesh Polo

店主が昔から夏に好んで着ていることもあり、開店以来夏の提案としてポロシャツは欠かしたことがないのですが、意外と若い方には馴染みの薄いアイテムのようで、「高校の部活以来着たことがない」「お父さんが着ていたの見たことがある」などのお声を頂戴しています。

なんと勿体ないことでしょう。

Tシャツと同じような快適性と汎用性を備えながらも、襟があるというそれだけで多少の気品を齎してくれるこんな便利な服、それを知らずに毎年の夏を迎えるだなんて、洋品店として看過するわけにはいきません。

今年も数多のバリエーションをご用意する中で、ポロシャツとしての特性をじゅうぶんに備えながらもオーソドックスなものとは一味違う、そんなこのシャツから試してみては如何かと存じます。


以前にシャツ地のジャケットをご紹介した今季新規展開のniuhans(ニュアンス)は、「ここにあるもの そこにあるもの 変わらないもの」を標榜し、年齢や性別、時代を問わない服作りを得意とするブランドです。

このポロシャツも、そんなニュアンスらしさに満ち溢れています。

素材には超長綿スーピマコットンを採用、それを一般的な鹿の子編みでなくメッシュに仕立てています。

乾いた肌触り、抜群の通気性といったメッシュとしての特徴のみならず、素材のクオリティも相まって、なめらかで伸びよく、驚くほど快適な着用感です。

さて、スポーツウェアなどでもお馴染みですが、メッシュはその特長と引き換えに、透けやすいという逃れ難き宿命を負っています。

ところがコットンのメッシュを中厚手に編むことで、その長所を残したまま軽やかに欠点を超克しました。

形状は、すっきりとしたシャープなシルエットです。
ビッグサイズ全盛の今は小ぶりに見えるかも知れませんが、ごくオーソドックスな、飽きないサイジングだと思います。

胸にはポケットが裏から縫い付けられ(そのため周りにステッチが見えません)、どこかとぼけた雰囲気を漂わせています。

Tシャツにポケットがつくと若々しくなるのに、なぜかポロシャツにポケットがつくと昭和のおじいさんのような素朴な味わいを醸し出します。

それでも野暮ったさを感じさせないのは、服自体がクリーンなつくりであるがゆえ。
地味ですが見事なバランス感覚の利いた仕事です。

現在、イエローが女性でも着用可能な大きさを含め2サイズ、ネイビーがM~L程度のサイズが一枚ずつの在庫となっています。

こうした夏物の本格的なシーズンはこれから。
ポロシャツ未体験の方も、もちろん愛好家の皆さまも、どちらも納得できること間違いない逸品です。
是非今のうちにご検討ください。

オンラインストアはこちらです→ イエロー ネイビー


速い時の中で ちはやぶる ~ ELEY KISHIMOTO/ CON2 FLASH

今季はカルフをお休みしているため、比較的落ち着いたものが多い当店のスニーカーラインナップですが、やはり暖かくなれば少しはポップさも欲しくなるもの。

そこでこの夏お薦めしたいのが、ELEY KISHIMOTO(イーリーキシモト)のキャンバススニーカーです。

イーリーキシモトは1992年にマーク・イーリー/岸本若子夫妻によってロンドンで設立されたブランドで、当初はファッションファブリックを中心に手掛けていましたが、その独自のプリントセンスは世界的に高い評価を受け続け、現在は陶磁器や家具、壁紙などその活躍の場を広げています。

なお、同じくロンドンで活動経験がありプリントテキスタイルを得意とするmannineの岸本さんとは、血縁関係はないそうです。

さて、そのプリントを活かしたこのスニーカー。
皆様よくご存じのコンバースオールスターを下敷きにしたクラシックバスケットシューズに、ブランドの代名詞的な柄である”FLASH”が載せられています。

ホワイトも、よく見ればご覧の通り。

履き込んで靴がいい具合に汚れてくると、プリントとの対比がより浮かび上がってくるはずです。

ソールの滑り止め紋様も、イーリーキシモト流にデザインが施されています。

基本的には靴自体ごくオーソドックスですが、だからこそプリントの面白さが際立ちますね。

生産は久留米のムーンスター社が手掛けており、とても丁寧なつくりです。
ただ適当な靴にわかりやすいデザインを乗せただけのものとは、思想が違います。

なお、上の画像では白い靴紐を通していますが、どちらの色も黒の靴紐もあわせて付属しています。
お好みでどうぞ。

いろんな方にご提案したく思い、男女サイズを幅広く揃えました。
性別だけでなく年齢も問わず、気になる方は是非どんどんお試しください。

オンラインストアはこちらです→ ホワイト/ ホワイト×ブラック

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あさきゆめみし ゑひもせす~ MOSODELIA/ LAYER CUT

このところニットTのご紹介が続きましたが、もちろん今季のTシャツはそればかりに終始するものではなく、いろいろと面白いものを取り揃えたつもりでおります。

さて、今回ご紹介するのはMOSODELIAの新作です。
機能素材の落とし込みの技に切れ味を増すばかりの同ブランドが送り出すこのモデル、ブランド側が用意したネイビーと、当店が別注をかけたパープルの2色展開で提案致します。


二枚重ねは暑そうと思われるかも知れませんが、肌に触れる側は、速乾性に富んだ涼感素材クールマックスを用いたメッシュです。

表側はネイビーに上質なスイスコットン、パープルにストレッチ混のレーヨン素材を採用していますので、色だけでなく質感にも違いを見せています。

具体的には、ネイビーは一般的に柔らかいとされるTシャツの感覚、パープルはもっとトロトロな肌触りです。
どちらが良い悪いではなく特性が異なるだけですので、お好みで選んでいただければと思います。

このなめらかな素材使いにラグランスリーブ構造ですので、着心地、動きやすさは店主の語彙力では言い表せないほど。

見た目と文章ではその魅力をじゅうぶんお伝えできないのがもどかしく、しかしながら一度お召いただければ言葉などは要りません。

是非一度店頭にて、言わんとするところをお確かめください。

オンラインストアはこちらです→ ネイビー/ パープル(Euphonica別注色)


二人でお茶を ~ bunt/ KNIT TEE

いつだれが決めたか定かではないものの、一般的に近代三大茶人として、益田鈍翁、野崎幻庵、そして原三溪が挙げられているようです。

その原三溪の元邸宅が横浜本牧の三溪園なわけですが、店主、実はその望みはありながら一度も行ったことがありません。
憚りながら申し上げればお茶の嗜みもございません。

では何なんだその前振りは、というお叱りも謹んで甘受致します。
つい、店内の窓際で初夏の陽射しを受けたこのニットTの佇まいから聯想してしまったのです。


金茶と苔色、どちらも華やかな世界から一歩引いた、静謐で侘しい色調です。

しかし上質なコットンシルク素材のもつ艶やかな本性は到底隠しきれるものでもなく、ことさら饒舌に語らずとも肉感的に我々の目を誘います。

画像ではなかなか伝わらないその肌触りと光沢は、店頭で幾人ものお客様を魅了し、実はご紹介を前に在庫をだいぶ減らしてしまいました。

現時点でキャメル(金茶)が男女サイズとも、グリーン(苔色)が男性向けサイズのみ、1枚ずつとなっています。

機能云々ではなく色と素材感で、せせらぎの傍らで冷たいお茶をいただくが如く一服の涼を齎してくれる、そんな穏やかな心持ちを喚起させるTシャツです。

オンラインストアはこちらです→ キャメル/ グリーン


花の色は うつりにけりな いたづらに ~ comm. arch./ MR.GIZA SS

きょうもまるで夏のような陽射しが降り注ぎ、ひと月ほど前にはまだ桜が咲いていたことが嘘のようです。

仲町台でも、当然の如くTシャツ姿が多く見受けられます。

今年のTシャツのトレンドとしてはオーバーサイズの無地ということになるのでしょうが、だからこそこんなボーダー柄が新鮮です。

エジプト産の高級綿ギザコットンを用いた薄手のハイゲージニットは、シルキーな肌触りや品の佳い光沢感を備えており、一般的な天竺素材のTシャツとは一線を画します。

さらにポケット以外ニットの裏面を表に出す仕様にすることで編み目の主張を抑え、独特な静寂感を生み出しました。

マルチボーダー柄とはいえどちらもホワイトベースにベージュと紺を挿し込んだ落ち着いた色目ですので、子供っぽくはならず大人の着用に堪えます。

各色とも、女性向けのサイズ2と、男性向けの3と4をご用意しました。

シンプルにさらりと着ていただくだけで装いに程よい明るさを齎します。
是非夏本番に向けてご検討ください。

オンラインストアはこちらです→ アトミックブルー/ ビーチサンド

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ボンベイ・サファイア ~ EEL/ チャコールヘンリー

暖かくなったり涼しくなったりを繰り返しながら、いつしか暖かいというより暑いという形容が相応しい、そんな日も珍しくない時候となりました。

それに従い、店頭でもインド綿などの爽やかな素材の品を手に取る方が増えてきています。

そのひとつ、EELの定番チャコールヘンリーの今季モデルは、インドの手織り生地カディを採用した清涼感溢れる仕上がりとなっいます。

布帛のプルオーバーシャツでありながら、カットソー工場にてカットソーの縫製を施した軽快なデザインは、同じくかろやかなカディの風合いととても好相性です。

一枚で着るのももちろんお薦めですが、ヘンリーネックとはいえ前立ての開きが深く、胸元はバンドカラーシャツに近い雰囲気ですので、上にジャケットなどを纏えばまた違った表情を見せます。

日中の最高気温が高いのに朝晩が肌寒い日などは、一枚羽織りものを用意しておけば終日快適に過ごせそうです。

気候が気候ですから着々と在庫も減ってきています。
是非お早めにどうぞ。


この道 わが旅 ~ MONTANE/ Dyno Stretch Jacket

先日、店休日を利用してみなとみらいの横浜美術館に行って参りました。

お目当ては現在開催中の『ファッションとアート 麗しき東西交流』。

明治維新後、横浜から欧米に輸出された着物が現地のファッションへもたらした影響、その変遷などが、当時のドレスや絵画など様々な角度から楽しめる好企画でした。

個人的には鏑木清方とジャンヌ・ランバンの素晴らしさが印象に残っていますが、そんな店主のざっくりした感想ではなく、お馴染みROBEに過不足ないレビューが載っていますので、是非こちらもご覧ください。

ROBE/ 横浜美術館初となるファッション展「ファッションとアート 麗しき東西交流」が開催中

さて、当日は暖かかいような肌寒いような、そして雨が降るのか降らないのかよくわからない、何とも微妙な天候でした。

おまけに時間がたっぷりあったため桜木町から白楽のTweed Booksさんに立ち寄りつつ新横浜まで歩くプランでしたので、

羽織りものとして選んだのがこちら。

高機能ギアといえばMONTANE、そのソフトシェルジャケットDyno Stretch Jacketです。


結果として、大正解。
安心して頗る快適な散歩が出来ました。

実は昨年も同名のモデルが入荷しており、形状はほぼ変わっていません。

ワイヤーが仕込まれ調節可能なフード、

前立て裏に貼られたマイクロフリースによる快適な顎まわり、

ベンチレーションにもなるメッシュ仕様のポケット、

動きやすいカッティング、

どれも変更の必要がないほど高い完成度でした。

しかしながら、今回使用される素材が変わったことで、特徴がやや異なるものとなっています。

今回採用された”Chameleon³”は通気性、排湿性、ストレッチ性に優れた素材で、たいへん動きやすく、アップダウンを歩いていても蒸れをほぼ感じません。
それでいて小雨程度はゆうに弾く撥水性も備えています。
そこまでは昨年モデルに使用されていた”Chameleon Kinetic”と同じですが、今回はそれより厚みを持たせ、より高い防風性、保温性を実現しました。

言い換えれば、前回の方が薄く、軽く、涼しいということでもあり、これは優劣というよりもお好みや用途次第かなと思います。

前モデルもまだブラックとブルーは在庫が残っていますので、是非見較べてみてください。

オンラインストアはこちら→
ブラック/ シャドウ/ アンタークティックブルー
(16SSモデル ブラック/ アンタークティックブルー)


Take a load off Fanny ~ HAVERSACK/ Band Collar Pullover Shirt

5月に入って少しずつ店頭でも半袖をお買い求めのお客様が増えてきましたが、長袖シャツの季節が終わったわけではありません。
むしろ、袖の長短問わず毎日シャツ一枚で出かけられるようになるのはこれからです。

今回ご紹介するのは、ジャケットなどの中にというよりも主役としての要素の強い、まさに今から夏にかけてを主戦場とするシャツです。


このプルオーバーシャツは、薄手でとろんとした質感のコットン/キュプラ混紡素材で仕立てられており、真夏でも快適に着ていただけます。

少し長めの着丈や裾脇の深いスリットに大き目のガセットなどが、柔らかな生地の落ち感やドレープと相まって、上品な色気を醸し出しています。

そして最大の特徴は前立て。

ボタンをすべて止めた状態だと普通のバンドカラーですが、

開けても胸元が露出しません。

前立ての裏に共生地が蛇腹のように仕込まれているわけですね。

この部分が比較的たっぷりととられているため、脱着の際に首元が狭いということもありませんし、ボタンの開け具合でそれぞれ異なる胸元の表情を楽しめます。

細身で背の高い方と抜群の相性を持つデザインです。
気になる方は是非店頭にてお試しください。

オンラインストアはこちらです→ ベージュストライプ/ ブルーストライプ


抱きしめた 心の小宇宙 ~ KELE CLOTHING/ ANTLIA & GRUS

もうすっかり当店ではお馴染みの存在となったハンガリーのニットブランドKELE CLOTHING。

毎季独自のお題を定めてコレクションを展開していますが、それほど頑ななスタンスでもないらしく、今回ご紹介の2型に至っては、今季の”収穫の形状と色彩”よりもむしろ前季の流れに連なっているようです。

2016AWコレクションの着想元であった絵本『The Heavenly Tenants』は、十二宮の星座が生き返ってウィスコンシンに住む家族の農場を訪問するという内容で、それに因んで殆どのアイテムには星座の名が当てられていました。

そして今季の男性用のこの2型については、ポロシャツにはANTLIA(ポンプ座)、女性用のプルオーバーにはGRUS(つる座)と、同様に南天の星座の名が授けられています。

素材こそウールではなく薄手のコットンを用いて、気温の高い時期にも快適に着られるものとなっていますが、KELEロゴをボディに編み込んだ意匠やニットの裏面を表に出した生地使いは、秋冬にご紹介したタートルネックLAPUS(おおかみ座)と同様です。

どちらも形状自体はすっきりとしたシンプルなもので、ロゴ意匠も本体と同色のため煩さはなく、幅広い装いに対応できます。KELE入門編としてもお薦めです。

このブランドならではのデザイン感覚、そして品質の高さを、是非夏でもお楽しみください。

オンラインストアはこちらです→ ANTLIA/ GRUS


遠き山に陽は落ちて ~ EL CAMPERO

当店でも開店以来人気のTRIOPなど、スポーツサンダルの優れた機能性はトレンドを飛び越え、いわば夏のスニーカーとしてほぼ定番化したと見ています。

一方トレンドアイテムとしては昨年からシャワーサンダルが注目を浴びていますが、いくら旬のアイテムとはいえ、さすがにある程度年齢を重ねた大人が市街地で履くものとしては厳しいものがあります。

そこで当店が今年スポーツサンダルの対抗馬として提案するのが、レザーサンダルです。

イタリアのトスカーナ州にて、”シンプルであることは洗練性の究極形である”というレオナルド・ダ・ヴィンチ(彼もまたトスカーナの人物です)の言葉を掲げ、ハンドメイドで靴やサンダルを50年以上にわたり作り続けているブランド、EL CAMPERO(エル・カンペーロ)をご紹介します。

トスカーナは、革好きの間では植物タンニン鞣しの革の産地として名高い地域です。
この革、RHYTHMOSの革小物などで当店ではお馴染みではありますが、ちょっとおさらいしてみましょう。

タンニン鞣しの革は一般的に多く流通しているクロム鞣しの革に較べ、生産にコストや時間がかかり、かつ柔軟性に乏しく日焼けなどで変色しやすいなどの欠点を備えています。
耐火性や引き裂き強度などもクロム鞣しの方が優れていますし、工業製品として革を捉えた場合、タンニン鞣しの出る幕はほぼありません。

しかしそれでもその製法が今もなお存続している大きな理由が、最大限に引き出された革本来の風合いです。

革を使いこんだ時に味が出るという表現をよく使いますね。
質感がこなれ、澄んだ艶が生まれ、何とも魅力的に育っていきます。

タンニン鞣しの変質しやすさがここに長所として転化されます。
変化しやすい≒味が出やすいということです。

ですから経年劣化だなんて悲しい表現ではなく、せめて経年変化と仰っていただければ、きっと革も喜ぶと思います。

さて、このEL CAMPEROのサンダルには当然トスカーナ現地で作られたタンニン鞣しの革が用いられています。

縫い糸や金具などを除けば、靴底も含めほぼすべてが革製です。

多くのタンニン鞣しの革の色つけは耐久性の高い顔料でなく、透明性の高い染料を用いていますが、このサンダルも御多分に洩れず。
というわけで色ムラが多く、傷などもそのまま残されていますが、それが革本来の姿です。

履き込んでいけばいくほど滋味に富んだ表情を見せてくれることでしょう。

黒のバックストラップのタイプと焦げ茶色のつっかけタイプ、ともに男女サイズを幅広く揃えました。

大人の夏の装いに、気楽さと品格を与えてくれる魅力的なサンダルです。
是非店頭にてお試しください。

オンラインストアはこちらです→ #550X(ブラック)/ #560(ダークブラウン)