魅せられて ~ MONO PROJECTS/ BEACH SHIRT

比較的好天に恵まれた今年のゴールデンウィークもいよいよ終盤が迫ってきています。

明日は夏日になるとかならないとか、しめくくりに相応しい行楽日和になりそうですね。

さて、こうしたわけで、店頭でも半袖をご覧になる方が増えてきております。

トルコのシャツ専業ブランドMONO PROJECTSから届いた新作も、蒸し暑い日を心地好くしてくれること間違いのない逸品です。

ガーゼ状の布に皺加工を施した生地は、肌にさらりと軽く触れ、清涼な着心地を生み出してくれます。

最大の特徴である袖の刺繍は、さすが絨毯の国トルコと唸らされます。

この刺繍部分に厚みが出ることでハリが生まれ、袖が常に開放した状態になります。
袖自体も広めに設定されていますので、ひじょうに風通しがよくなりました。

生地自体も薄手ですから、黒いシャツとは思えないほど涼しさを感じられることでしょう。

今の時期から暑さの盛りにかけていろいろな場で、それこそ名の通り盛夏のビーチリゾートなんかでも爽快な装いを楽しめそうですね。

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誰もが 港町のカフェでお酒ばかり飲んでる 物憂げなマリーに恋をするけど ~ KESTIN HARE/ LIVERPOOL WORK SHIRT

変革の苦しみに悩むわがマリノスを尻目に、海のむこうではリヴァプールFCが11季ぶりに欧州CL決勝進出となったようですね。

リヴァプールといえばフットボールにビートルズ、そしてこのケスティンエアのLIVERPOOL WORK SHIRTです。



実は2月に入荷していたのですが、その高い完成度ゆえにご紹介前に店頭から姿を消してしまっていました。
前回はご用意のなかったホワイトも加えて、待望の再入荷となります。

素材はぱりっと乾いた質感の高密度タイプライターで、春夏の蒸し暑いさなかでも爽やかな着心地を維持します。

この生地を用いながらも、ドレスシャツより太く目の大きい運針で、その名の通りワークシャツのようなステッチで上品なギャップを生み出しています。

前立て下部はアンティークのシャツのような意匠です。
正面でカーブを描く裾が、やわらかなユーモアを醸し出します。

ディテールひとつひとつを見ればカジュアル寄りですが、そこはさすがケスティン。

シャツのシルエットはひじょうに美しく、また全体を通して凛とした清潔感が保たれています。

ちょうどシャツの気持ち好い時期です。
あたたかな陽気の下、こうしたシャツをさらりと身に纏ってみませんか?

オンラインストアはこちらです→ ホワイト/ オリーブ/ ネイビー


鐘の鳴る丘 ~ Aiguille

ブランドをご存知の方はもちろんのこと、そうでない方もこのバッグを見るとなぜかしら懐かしい気持ちに包まれるのではないでしょうか。

このご時世に於いてもなおイングランド湖水地方にて登山用バッグを作り続けているAiguille。

以前我が国で展開していた時期は「アイグーリー」と呼ばれていましたが、はて。

もとはフランス語で、針や尖ったものをあらわす言葉です。
ゆえに英国では何と呼ばれているのか…
この発音に関しては悩む方が多いのでしょう、こんな動画を発見しました。
https://www.youtube.com/watch?v=68seWyeV2Cs

完全にカタカナに置き換えることはきわめて困難、というか不可能ですが、当店ではこれに倣って「エイグウィール」と呼ぶことにします。

閑話休題、そんなAiguilleは1987年にAdrian Moore氏によって設立されました。

彼は10代前半から熱狂的な登山者で、金銭的な事情から若かりし70年代には古いシートベルトや軍用キットバッグでリュックサックなどを自身や友人たちのために手作りしていたようです。

80年代にフリーランスのインストラクターとして働くようになってからは、登山道具の修理に時間をとられすぎることに不満を感じ、長く使えるよう設計された高品質で機能的なギアを自らが生産することを決意、それがAiguilleの始まりです。

当初は自宅の屋根裏部屋を工房としていたようですが、

何度かの移転を経て、現在の工場に至りました。

さて、前置きが長くなりました。

今回当店に入荷してきたのは3型。
順に紹介してまいりましょう。

まずはこのブランドの代表モデルである”MIDI”。


一般的にAiguilleの名で想起されるのはAiguille du Midi(ミディ針峰)。

モンブラン山系の山で、麓のシャモニーから見ると正午に太陽がこの山の頂上に座ったように見えることから「正午の時計の針」と名づけられました。

独立峰でないもののその標高は富士山より高い3842mですが、1955年に山頂までのロープウェイが建設されています。
まったくおそろしいところに大それたものを建てたものですね。

そんなブランドと縁の深い名前を冠しているだけあり、時代を超越した普遍的な魅力を備えた出来栄えとなっています。

まず、最大の特徴が外にも中にも一切のポケットがない、きわめて簡略的な構造です。

背面やショルダーハーネスにはしっかりしたパッドが仕込まれていますが、それ以外に目立ったディテールはありません(余談ながら、本国にて別売りのウェストハーネスを装着することはできます)。

本体は耐久性に優れた1000デニールのナイロンを使用。
バックルにもその強度に定評のあるナショナル・モールディング社製品を採用しています。

このシンプルなつくりと剛健な素材ゆえ、故障のリスクがきわめて低いバッグとなっています。

そうした合理性だけでなく、この流行など一切知らぬ顔の風貌が、老若男女スタイル趣味嗜好を問わずその生活に馴染むことは疑いありません。

小振りのデイパック”MARMOT”も同様に、古びないデザインです。



こちらはMIDIよりライトなナイロンを用いています。
背面パッドも省略され、ごく軽快に仕上がりました。

背面の長さがやや短めですので、小柄な男性や女性にもお薦めです。

なおこのモデルにはウェストハーネスが標準装備されています。

最後はウェストバッグ”CONTOUR BAG”。


「等高線」の名を冠し、その小さなサイズながら本格的な機能を備えています。

ご覧の通り複数のポケットを持ち、

かつメインコンパートメント内部にはジップポケットや頑強なキーフックが隠れて、来たる出番を待っています。

このモデルも使用されているバックルはナショナル・モールディング社製です。

と、どれもそれぞれ独自のよさがありますが、一貫しているのは高い品質、必要以上のアレンジを加えないクラシカルなデザイン、そうした諸要素が噛み合った結果としての永続性です。

ひとつひとつ眺めてみれば、バッグの本質とは何ぞや、と今改めて我々に問うてくるように思えます。

オンラインストアはこちらです→
MIDI パープル/ グレー/ ブラック
MARMOT パープル/ ホワイト/ グレー/ ブラック
CONTOUR パープル/ グレー/ ブラック


1月のdelightful toolオーダー会でご注文いただいた靴が届きました

たいへんお待たせ致しました。

前回のオーダー会にてご注文いただいた靴が、ついに到着しました!
ひと足お先に拝見しましたが、とても素敵に仕上がっています。

そして実は店主も今回オーダーさせていただきましたので、自慢がてら紹介させていただきます。

9分仕立てのチャッカブーツです。

革はインカス社のレジーナ、ひじょうに透明感があり、柔らかくしなやかな質感が特徴です。

靴の印象がデリケートになりがちな革ですので、鳩目を表に出して気の置けない雰囲気に寄せました。

鳩目と靴紐の先の金具はくすんだアンティーク調の色目のもので統一しています。

ソールはレザーです。

敢えて縫い目はヒドゥン・チャネル(ソールに入れた切れ目の下を縫い、その後切れ込みを閉じることで縫い目を隠すドレッシーな手法)にはせず、そのまま自然な姿で残しています。

履き心地は至高の一言に尽きます。
後から踵、甲を優しく包み込むように、しかししっかりと抱きしめて、比較的爪先を遊ばせてくれます。
木型と革の特性の、極上のマリアージュです。

実はこれが人生初のチャッカでしたが、あまりにも気に入り過ぎて人生最後になるかも知れません。

これから何年何十年と連れ添って、思い出を共有していく所存です。

こんな最高の一足を手に入れるには、やはりセミオーダーが一番の近道。
次回開催もどうぞお楽しみに!


春のルル もしくはレモンブルー ミントの香りをそえて ~ Jens/ コンパクトスムースカーディガン&プルオーバードレス

さて明日からいよいよゴールデンウィーク。
少なくとも前半は天気にも恵まれそうです。

となると皆様が外に行楽に出られることで当店は閑散となるか、それとも快い陽気の中ご来店に恵まれるのか、今はどちらか判断もつかず戦々恐々としているわけですが、それはさておいて。

春から初夏、夏へ向かうにつれ、あたりの光も新緑の色を帯びて何とも言えないトーンへと移ってきています。

そんな景象と溶け合うような、清涼なカーディガンとワンピースがJensより届きました。


どちらも同じ、シルケット加工を施すことで光沢とハリを増した細番手のコンパクトスムース生地で仕立てられています。

この肌理細やかな生地の質感が引き立てる透徹なミントブルーが、清々しい香気を放つようです。

カーディガンはボタン等のないすっきりした仕様で、ふわっと体を包みながらサイドの鋭角的なスリットなどで印象をきりりと引き締めています。

一方プルオーバードレスもまたJensらしい切れ味のあるデザインです。

脇の開きが広いため、中に着るものによって印象を変えることができます。

もちろんこの二枚を重ねても抜群の相性です。
このシンプルな組み合わせだけで、初夏のお出かけなどに対応できます。

なかなかこの澄んだ色調をデジカメ画像で表現できないのが歯がゆいばかり。

麗らかな光に映えるそのミントブルーを、そして服そのものの美しさを、是非直に確かめるべくお越しください。

オンラインストアはこちらです→ コンパクトスムースカーディガン/ プルオーバードレス


ハイエロファント・グリーン ~ TAGE/ ウェストマークジャケット

ぱっと見ただけでは、ジャージー素材の羽織りものですという説明を受けても「??」という疑念しか湧かないジャケットです。

TAGEオリジナルでつくられたこの生地は、一見毛織物のようですが、その実はジャカードに編まれたジャージーで、のびやかさと軽やかさを併せ持っています。

生地には、ハリ、コシ、光沢を増すオメガクロスという加工が施されており、一層品位高い仕上がりとなりました。

柔かい素材の一枚仕立てゆえ、ぺたっとしてしまいがちなところですが、肩や肘など至る所にダーツが設けられ、立体感が生まれています。

そして、胸周りと腰回りのボリュームを引き締めるのが同じくジャージー素材の黒いウェストバンドです。
左右が繋がることなく腰回りを挟み込むように囲んでいます。

素材、カット、細部の仕様など、随所にTAGEらしさの滲み出た唯一無二の逸品です。

TAGEファンの方は無論のこと、TAGEがどんな服作りを行うブランドなのかを知っていただくにも適したジャケットだと思います。
それがどういうことなのか、まずは店頭にて袖を通してみてください。

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空と海 溶け合う日を夢見てた ~ CURLY/ HORIZON CAP SHOULDER HS TEE

その淀みない諧調の奥行きに、はたと言葉を奪われます。

地平線の名を冠したCURLYの新作は、偽りなくその景象を彷彿させる一枚です。

京都で着物の染色に携わっていた職人の手で製品染めを施されたことで、この調子高いグラデーションが現れました。

肩から上はパイル地に切り替えられており、

その素材の違いにより染まり具合も異なるため、またここでひとつの変化が生まれています。

なお、フットボールTを再構築したデザインにつき、運動性は非常に高く、それはこの切り替し部分と脇下の接ぎからも窺えますね。

そういったパターンの妙だけでなく、生地そのものものびやかなため、着心地は頗る快適です。

則ちふだんの生活の中で、気兼ねなくこの美麗な色の移り替わりを楽しめます。

店頭でもご好評につき、現在ラスト一枚を残すのみ。
気になる方はお早めにどうぞ。

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涙の数だけ働いて ~ HERVIER PRODUCTIONS/ Raglan Work Jacket

この週末は俄に暑くなって、すわもう初夏か夏かと言わんばかりの陽射しに面喰います。

が、それも朝晩は落ち着いたもので、まだまだ春のさなかであることを改めて思い知り、適切な上着の重要性も再認識させられるもの。
たとえばこんなジャケットを。

昨年ご好評のうちあっという間に完売したHERVIER PRODUCTIONSのワークジャケットが、マイナーチェンジを経て再びやって参りました。

今回はリネン100%の表地+コットンの裏地で、ジャケットに仕立てたのちに製品染めが施され、スモーキーな色調を帯びるとともに生地がくったりとこなれ、柔らかくなっています。

そんなわけでタグも染まっていますね。

袖付けはジャケットには珍しいラグランスリーブで、

胸ポケット、両脇のポケットが肩と並行しているため、ハの字のラインが全体として強調されています。

シルエットが独特なうえ着丈は短く、ジャケットというよりはブルゾン寄りかも知れません。

通常のテーラードジャケットではちょっと硬すぎるな、という方の春の羽織りものとして最高の一枚です。

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潮の流れの 目ざめの色に ~ Jens/ BLOUSON(MEN)

昨年初登場したJensのメンズラインが、今年も魅せてくれます。

漸う暖かくなってくると上着といっても軽快なものに気が向いてくるもの。

となればシャツにも用いる高密度ポプリンシャンブレーで仕立てられたこのブルゾンから目が離せません。

ネイビー、カーキ、どちらも見る角度で表情を玉虫色に変えます。
特にカーキだとその艶やかさがよく判りますね。

襟元や袖口など、ボタンはすべて本体と共生地くるみで目立たないようになっており、さらに全体的に縫い目がほぼ出ないようになっています。

こうして諸要素が禁欲的なまでに削ぎ落とされ、この服がもともと内包しているシンプリシティが次のステージまで押し進められました。

前立て比翼の下はファスナーです。

開閉の滑らかさに優れ、また金属の光沢が上品な、YKK最高級グレード”エクセラ”を採用しています。

このように細部までその美学が貫かれた、まさにJensそのものと言えるようなブルゾンに仕上がっています。

普段の装いに良質の緊張感を添えてくれる鋭角性を持ち、しかしその着心地や使い勝手には気が配られている、表現が適切かどうかいまいち自信が持てませんが、ツンデレなブルゾンと言えるかも知れません。

冒頭でも述べたように気候はまさにちょうどいい頃合い、是非早速のお試しを。

オンラインストアはこちらです→ ネイビー/ カーキ