明日3/20は水曜日ですが、祝日のため臨時営業日となります。
営業時間は平常通り12:00-20:00です。
ふだん水曜日しか空かない方もそうでない方も、是非ご来店くださいませ。
皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます。
明日3/20は水曜日ですが、祝日のため臨時営業日となります。
営業時間は平常通り12:00-20:00です。
ふだん水曜日しか空かない方もそうでない方も、是非ご来店くださいませ。
皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます。
かつてそこには木々が生い茂っていて、多くの渡り鳥が集まっていたそうです。
“旅鳥の町”と呼ばれていたその島の修道士のもとで育てられた少女は、鳥の歌声を愛し、木々や鳥に祈りを捧げながら穏やかな日々を過ごしていました。
ところがあるとき。
修道士たちは神のお告げを受け、それに従って島の木々を切り倒し、大きな祈りの場をつくりました。
やがて、祈りの場を求めて外部から多くの人が訪れ、島に住みつくようになります。
そうして住民は増え続けていきましたが、いつしか島からは、木々も鳥も姿を消してしまっていました。
幼いころから親しんでいた鳥の歌声は、もう聴こえません。
でも、外の世界には、きっとまだ鳥たちがいるはず。
そこで少女は海へ出ることを決意します。
ずっと島の暮らししか知らなかった少女でしたが、旅を経てたくさんの島々と出会い、残されている自然の存在を知り、鳥と再会することもできました。
そして、木の精霊でもある鳥たちから多くのことを学び、歌を習います。
旅を終えた少女は島に戻り、祈りの場で鳥直伝の歌をうたいました。
それを聴いた島の人びとは、自らの行いによって木々や鳥を失ってしまったことを改めて思い知り、嘆き悔い、島を元の豊かな姿に戻す努力をはじめます。
しかし、一度失った自然はそう簡単には戻らないもの。
島の人びとは、いつか再び鳥たちに戻ってもらえる日が来るのを願い、歌が生まれた島々へ、少女の旅を辿るように巡礼に出るようになりました。
少女の歌は、人びとと島の木々を繋ぐ巡礼路でもあるのです。
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ASEEDONCLOUDの2024SSコレクション”jynreika”(巡礼歌)は、いつもよりちょっと苦みを残した物語。
自然が、失うのは簡単なのに取り戻すことの難しいものであることを、我々に示してくれています。
さて少女が旅から戻り、人びとに樹木の尊さを伝えるときに着ているのがこのVestment coatです。
少女がふだんから着倒した服の柔らかな風合いを表現した、リネン×コットンの綾織生地で仕立てられています。
美しいロープ状の刺繍は、海に船を出して旅をしていた彼女にとって大切な命綱を模したものです。
教会の侍者や聖歌隊の着る服をベースにデザインされており、ボリュームのある立ち襟、
そこにガーデニング用のスモックを混ぜ込みながら、あくまで歌うたいの少女が伝道の場で着ることをイメージして設計されています。
左右に縦2つずつ設けられたポケットは、収容力たっぷり。
説教のときだけでなく、日常での使用にもじゅうぶん応えてくれそうですね。
サイズはフリーサイズとなっており、男女ともに使用可能な大きさではあります。
とはいえ、着るとひじょうに可愛らしい形ですので、女性がたっぷりした感じでお召しいただくのがお薦めです。
そろそろ本番を迎えつつある春の外套として、是非ご検討ください。
オンラインストアはこちらです
1月に大阪に行ってまいりましたが、こうしたポップアップイベントはこれが最初で最後ではありません。
というわけで第2回、開催決定です。
今度の舞台は杜の都・仙台。
実は店主の母方の家系と昔から関わりの浅からぬところでして、家系図を祖父が仙台市博物館に寄贈したりしています。
そんな縁あるこの街にて、4/13-14の2日にわたり出張ユーフォニカをオープン。
今回は、青葉区のハンドメイド雑貨店ギャラリーボチューさんの一角をお借りします。
〒980-0811 宮城県仙台市青葉区一番町2-7-3サンモールシティビル3F
(仙台市営地下鉄東西線 青葉通一番町駅 徒歩2分)
ビルの3階ゆえ外からは見えませんが、建物はサンモール一番町商店街に面していますので、仙台の方には比較的判りやすい場所かと思います。
出店時間は下記の通りです。
4/13(土) 12:00-18:00
4/14(日) 12:00-18:00
お支払いにつきましては、現金のほか、
クレジットカード(一括払い)
または
キャッシュレス決済(楽天ペイ、Paypay、メルペイ、d払い、au pay)
がご対応可能です。
なお、出張店につき、プレゼント包装は承っておらず、お渡しも紙袋のみの簡易的な形とさせていただきます。何卒ご容赦ください。
商品ラインナップは、県外出店だからといって色目を使いローカライズを狙うのではなく、横浜の店の特色をそのまま持ち込むつもりです。
「そこでしか見ることができない、そこでしか買えない」をテーマとし、現在仙台ではお取り扱いのないブランド、お取り扱いはあっても展開していない型を軸にしていきます。
ブランドを挙げれば、KIMURA、K.ITO、Ithe、METHO、blanc、ASEEDONCLOUD、mandoなどなど…、その他当店別注品やなかなか他店様ではお取り扱いのないものをご提案できそうです。
季節感としては、横浜より少し春の訪れの遅い東北の地につき、春夏物というより春物を中心にお持ちします。
メンズ中心にはなるものの、レディースも若干数ご用意しますので、女性の方もご来場くださいませ。
また、たとえば会場で実物を見てみたい、などご要望をいただければ、どんな商品でもお持ちします。
そうしたご希望がございましたら、発送のスケジュールの都合もありますゆえ、できれば4/8までにご連絡ください。
なお、このイベントに際し、事前準備等も必要なため、4/12~14の3日間は仲町台の店舗と通販の出荷業務はお休みとさせていただきます(通販のご注文は承ります)。
仙台はじめ東北地方にお住いで、当店に興味は無きにしもあらず、でも遠すぎてさすがに行けないな、という方もいらっしゃると思います。
ですので、この機会に遊びにいらしてくだされば恐悦至極です。
皆様にお会いできること、心から楽しみにしています。
春はあけぼの。 やうやう白くなりゆく山ぎは、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。
言わずと知れた『枕草子』の書き出しですが、この春コムアーチから届いたカーディガンの色調からは、この一節を思い起こさずにはいられません。
夜空が色づき始め、日が昇るに従って、深い森に覆われた(Dark Gray Forest)山の輪郭がだんだんと白くなっていきます。
そして紫色に染まった雲の筋が空を走ります(Dawn Purple)。
春の空は他の季節に較べて靄がかっているもので(Mist)、空が明るくなるにつれ、穏やかに山々や森の霞が照らされていくのが目に浮かびます。
春の暁天の美しさは、きっと清少納言の時代と変わっていないのでしょう。
蓋しcomm.arch.の名もまた由来を遡れば小野小町に繋がりますし、意識的にせよ無意識的にせよ、このブランドの礎となる美意識、感覚は、一千年以上前の人びとから脈々と引き継がれてきていると言えそうです。
あらためてカーディガンの話をしますと、フレンチリネンにコットンを混紡した糸は、上品な艶とシャリッとした質感、高い耐久性、そしてやわらかさを備えています。
その糸を用いて手横編み機職人の手で一着ずつ丁寧に編み立てられていますので、ただ爽やかなだけでなく、豊かな肉感と心地好い重さを感じられます。
遠目から見ると判りづらいところですが、背面、袖、そして前面のポケットは編地の裏面が表に出ています。
控えめにしてなかなか攻めた生地使いで、ただ「いいニット」に収まらぬポップな感覚が窺えますね。
いつも春の定番として当店を彩るシリーズながら、その着心地やシルエットの佳さ、そして美しい色遣いには毎年感動させられます。
このところ寒い日が続いていましたが、今週の後半からはいよいよ春めいた暖かさが加速してくると予報が出ています。
気分としても体感としても、春のニットを手に入れるにはいい時期になってきましたよ。
オンラインストアはこちらです→ ダークグレーフォレスト/ ドーンパープル/ ミスト
服のデザインというのは、何か要素を足せば足すほどファッショナブルになるようで、そうとは限らないのが難しいところです。
むしろ、そうして重ねられた要素自体が野暮ったさや垢抜けなさの原因となることも。
ゆえに、足し算にこそデザイナーの力量が問われます。
その視座でHAVERSACK ATTIREの服を見ると、あらためて圧倒的な感覚と技術に感服せざるを得ません。
なぜかうなじのタグは”HAVERSACK”ネームですが、れっきとしたATTIREラインです。
マイルドピクルスと名付けられた淡い緑色の生地は、経糸にリネン、緯糸に高機能ポリエステル繊維ソロテックス混紡のリネンを配して織られたもの。
リネンならではの肌触り、光沢、風合いと、ソロテックスの自然な伸縮性、形態安定性が見事に噛み合いました。
ブルゾン自体はゆったりとしながらも過剰なオーバーサイズ感のないバランスにまとめられており、
なかでも可動域が広い袖周りは、着心地にもシルエットにも大いに影響を与えています。
腰にゴムシャーリングにくわえてベルトが設けられているのが、実にATTIREらしい。
フィット感を高めただけでなく、不思議な色気が醸し出されています。
そして、このブルゾンの最大の特徴と言えるのが前立て。
ご覧の通り、前立ての位置を少し右にずらしたフルオープン式のジップフロントでありながらも
ここを完全に閉じた状態で中央位置のファスナーを開けることで、ハーフジップ式のプルオーバーのような表情に生まれ変わります。
まったくひと粒で何度美味しくさせようというのか、欲張りな一枚です。
しかし不思議とうるさくはありません。
袖を通せば、むしろすっきりとした美しさだけがそこに残るのが感じられるはずです。
年々春が短くなったと云われてはいますが、だからこそ、こうした春らしく愉しい服の魅力がさらに引き立つというものではないでしょうか。
オンラインストアはこちらです
当たり前の「正しさ」がさまざまな場面で壊れていくのを、いままさに我々は日々目の当たりにしています。
それは単なる善悪の問題に限らず、社会のシステムや、それを築くにあたっての前提といった部分に於いても。
蓋し21世紀ももう四半世紀が過ぎようとしているわけで、20世紀的の常識が通用しなくなるのは当たり前のことなのかも知れません。
そうして我々人類は歴史を前に進めていくわけですが、それはあらゆる過去を否定する作業ではなく、ときに過去を振り返る作業であったりもします。
quitanが昨年の秋冬のコレクションを宮沢賢治『農民芸術概論綱要』から着想したのは、その点検でもあったのでしょう。
さて、ファストファッションを例に挙げるまでもなく、現在アパレル業界で主流となる生産システムは、大量生産大量消費を前提としています。
quitanはここに疑念を投げかけながらも、安直な結論を導きませんでした。
理想論だけ語るならば、生産のあるべき姿というのは適量を守り循環させることです。
土地、暮らし、歴史に根差した職人の手仕事の技術を残していくことは、そのひとつの形と言えます。
が、歴史的背景やその意義を考えれば、大量生産そのものを理想の対極に位置する絶対悪として単純に糾弾することはできません。
公平に評するならば、産業革命から現在に至るまでの工業の進化が、(もちろん負の側面はあるにせよ)多くの人の暮らしを豊かにし、命を繋げてきたのもまた事実。
手仕事と量産性、これらのバランスによって生まれ得るのが、quitanの見据える「適量」です。
そのバランスをどのように導くか。
quitanは、ロジェ・カイヨワがその著書『反対称(La dissymétrie)』で説いた弁証法的アプローチにそのヒントを見出しました。
すなわち、安定的な対称の状態である「正」への直面的な対立(否定)を以てではなく、その対称の部分的な破壊(「静」)により新たな組織体や特性を獲得し、高度の水準に移行する(「動」)、という考え方です。
いままで持続してきたシステムを、今後の持続性のために壊す。
攻撃的でなく建設的なその破壊によって、新たな普遍性を創出していく、この「静と動」が今季の服づくりに活かされています。
こちらのワークジャケットをご覧いただきましょう。
デザインのベースとなったのは、1950~60年代に欧州で鉄道作業員が着ていたゴム引き(マッキントッシュクロス)のコート。
これを再構築し、いわゆるカバーオールの形状にアレンジしています。
カテゴリーを超えた一着となりました。
迫力のある質感の生地は、打ち込みの強い肉厚なヘンプのヘリンボーンツイル。
茜の根から抽出した色素をを用いたハイブリッド染料で優しい色に染められた生地で、素材の粗野な風合いを活かしながら気品のある表情に仕上がりました。
天然由来ではあるもののいわゆる草木染めではないため、染色が安定しており、気兼ねなく日常生活にお使いいただけます。
ストレートな否定、破壊でなく、「ずらし」の角度からのやわらかな崩し、この優しき破壊プロセスの重なりによって生まれた美しい服です。
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あっという間に2月が終わろうとしています。
3月、4月と春めいてくる時候になれば、麗らかな陽気に誘われて外に出る機会も増えてくることでしょう。
殊更に季節を問うものではないにせよ、そんなお出かけの場面での御伴として、ファッションとしても実用品としても欠かせないのがバッグ。
ちょうどいいところに、英国から素敵な女性用レザーバッグが届いています。
当店では初のご紹介となるMIMI BERRY(ミミベリー)は、ブランド名の通りミミ・ベリー女史によって設立されたブランドです。
ロンドン東部のハックニーにデザインスタジオを構え、いまもすべての商品を英国内(ロンドンおよびミッドランズ)で生産しています。
生産背景や素材の品質をとても大事にするブランドですが、いわゆるファクトリーブランドのような野暮ったさは微塵もありません。
彼女自身がセントラル・セントマーティンズ王立芸術学院でファッションデザインを学んだだけあって、クリーンで垢抜けたデザインもこのブランドの大きな特徴です。
今回は3型入荷していますので、ひとつずつ順を追ってご紹介してまいります。
まずは小振りのハンドバッグ、Dephne。
肉厚なイタリア製ベジタブルタンレザーのなめらかな質感と、馬蹄型の金具が上品に合わさった、ややフォーマル寄りの型です。
馬蹄型の金具は純粋な飾りですが、蓋の裏にはマグネットがついていますので蓋部分がパカパカとばたつくことはありません。
なお、このストラップはバックルのみならずストラップ自体の通し方を変えることでさらに長さを調整することができ、
お次は小振りのショルダーバッグ、Mini Felix。
こちらも肉厚なイタリア製ベジタブルタンレザーではありますが、シボの入った柔らかいものを採用しています。
ショルダーストラップにはブライドルレザーが採用され、本体との渋いコントラストも愉しめます。
そして最後はバケツ型ショルダーバッグCate。
明るいピー(エンドウマメ)カラーのスウェードボディ、2種類をご用意しました。
ショルダーストラップがブランドルレザーなのは各色共通しています。
構造、大きさ、そしてカラーと、それぞれに魅力があって甲乙つけられるようなものではありません。
お客様ご自身の目的やお好みでお選びください。
ロゴが悪目立ちしない上品なデザインに、使い込むほど風合いを増していく素材選び。
大人の女性の日常には、こうしたバッグが相応しいものです。
オンラインストアはこちらです→
Daphne ブラック
Mini Felix ブラック
Cate ブラック/ ピースウェード
再生回数こそそこまで多いわけではないものの、公開から一年以上経ってもなお時折ご好評のお声を聞くのが、YouTube番組『人脈開放宣言』の『大人の座談会企画』。
Pt.1 https://youtu.be/0BY6tl9CnOY
Pt.2 https://youtu.be/QwOwHY7094A
Pt.3 https://youtu.be/Fg4nsOSQu80
Pt.4 https://youtu.be/Xsic-Xdcg80
中年男性3人が好き勝手喋る動画であるにもかかわらず、意外と若い方にもお楽しみいただけているらしく、有難いことです。
残念ながら撮影クルーの卒業によりチャンネル自体終了してしまったのですが、しばしばいただく続編希望のお声に応え、また新たなアプローチで動画を公開しようと思っています。
今回の舞台はInstagram Live。
公開日時は3/6(水)15:30ごろを予定しています。
平日につきリアルタイム視聴できない方も多いと思いますので、もちろんアーカイブも残すつもりです。
以前と同様に『人脈開放宣言』の川内さんを司会に据えて、当店店主、そして宇都宮の老舗セレクトショップSCENEオーナーの内山謙一さんの3名で語っていきます(なお、インスタライブは当店インスタグラムアカウントおよびSCENEさんのアカウントにて同時配信となります)。
内山さんはトークに長けた方で、地元コミュニティFMミヤラジでラジオ番組を持つほど。
店主は当日が初対面となりますが、きっと楽しい時間になると確信しています。
さて、今回はただ喋るだけでなく、ラジオ番組よろしくリスナーの方からのご質問も事前に受け付け、我々が公開回答するというスタイルも導入しようと考えております。
もし「こんなこと聞いてみたい」なんて疑問などございましたら、当店のQuerie.meにて投書をお願い致します。
ふつうにご質問の形式で当初されてしまいますと、Querieの場でお答えしてしまいますので、インスタライブでの公開回答をご希望の方は「インスタライブ希望」など、わかりやすいよう付記していただければ助かります。
必ず採用するとお約束はできませんが、まずは気軽にお送りくださいませ。
皆様からのおたより、お待ちしております!
外連味に走らず、高品質で、かつ手に取りやすい価格帯のシャツというのはありそうでないものです。
そんな条件を軽々とクリアし、すっかり当店の定番としての地位を確立したItheのNo.13-53-ISOシリーズ(通称”イザシャツ”)。
白、黒、紺、ときにグレー…くらいしか色展開のないことでお馴染みのItheでは珍しいですね。
実はかなりの工程を経た生地で、まず高密度に織り上げた薄手のタイプライターをごくうっすらと起毛させ、そこにバイオ加工を施して余分な毛羽を取り除いてしっとりとしたなめらかな肌触りに仕上げます。
その後、さらに釜の中で熱風で回しながら揉みこむことで、生地のコシを砕き、タイプライター特有のパリッとした硬さをほぐし、とろみを引き出しました。
天然繊維の生地を敢えて化学繊維のような質感に近づけるというアプローチです。
前回のシルク混生地ほど「違う!」とは感じないかも知れませんが、Itheらしからぬ新色が加わったのもあって、変わらぬ安心感と程よい新鮮さが絶妙なバランスで成立しています。
控えめな存在にして、あれば何かと重宝する一枚です。
すでに同型をお持ちのお客様のリピート率が高い理由も、着ていただければ必ずやご納得されるはずですよ。
「狂気のシャツブランド」
いつしか全国的にそう呼ばれるようになったKIMURA。
たしかに5本針シリーズはじめ、このブランドのどのシャツからも、ただならぬ妖気が発散されていますので、かくの如き称号も宜なる哉ではあります。
しかし、長年の熱狂的フリークの皆さまならご存知のように、KIMURAはシャツ専業ブランドではありません。
昨年の夏に人々をどよめかせたショートパンツの突然の登場にはさすがに店主も驚きましたが、それは別として、この大きなブランドタグはもともとコートに使うことを想定されていました。
そうして早幾年。
この春、ついにKIMURAの新たなる一章が幕を開けます。
待望のスプリングコートの登場です。
ベルギーCastellins社製ブラックリネン(品種ではなく、諸条件によって黒味がかった色調をもつリネンをこう称します)とエジプトギザコットンを用いて中国地方の機屋さんで織り上げた平織生地は、木村さんの自宅に10年ほど眠っていたもの。
いま織るとなるとたいへんな金額になってしまうであろう、稀少な極上品です。
一枚仕立てながらしっかりとしたコシがありそれなりに厚みもある高密度生地ゆえ、肌寒い春先(そしてもちろん秋にも)の外套として問題なく用いることができます。
シャツ専業ブランドではないとはいえシャツで名を馳せたのは確かであり、その歴史が台襟のついたシャツ状の襟に表現されています。
襟先もシャツのように少しぴんと跳ねるように設計されているそうです。
内袋つきのポケットでもなければ一般的なパッチポケットでもなく、前身頃にビブ(胸当て)のようなパーツを重ねて、そこを区切って胸ポケットとハンドポケットにしてしまいました。
ワークウェアのような発想ながら、まったくその気配を感じさせない、KIMURAならではのユニークなディテールです。
細部の細部に亘るまで計算され尽くされた仕様、バランスは、初登場のジャンルの服であっても強烈にKIMURAらしさを感じさせます。
先述の通り、木村宅に眠っていたデッドストック生地を用いており、なおかつ今回それをすべて使いきってしまいましたので、この生地でこの型という組み合わせは最初で最後となります(加えて申し上げれば、このコートは当店のみの取扱いだそうです)。
可能な限りで多めには発注していますが、このブログ執筆時(2024/2/20)ですでにサイズ欠けが発生しています。
気になる方は是非お早めに!
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