鏡の中のマリオネット ~ ASEEDONCLOUD/ Map shirts

ASEEDONCLOUD最大の特徴といえば、毎シーズンの服作りのもととなるオリジナルストーリー。
新しい季節が訪れるたびに楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。

この春夏の”Shinshido(心師道)”は、桜にまつわる物語です。

灰を撒き枯れ木に花を咲かせたことで名高い、花咲か爺さん。
そもそも花を咲かせたのはおじいさんではなく、殺された犬の能力あってのことでしたので、当然その子孫たちは同じような奇跡を起こすことはできませんでした。

しかしその代わり、大道芸や喜劇をもって人々を楽しませる仕事に、代々就くことになります。

ところが10代目を継いだ人物は人見知りで、人前に出るのが大の苦手。
ただ、彼はとても優しい心の持ち主でした。

ところで桜には寿命があり、たとえばお馴染みのソメイヨシノは60年です。
必定の運命として朽ち果てていく桜の木に、10代目は真摯に向きあい、自らの手で伐採し、新しい苗木を植え育て、森の中で桜を咲かせ続けていました。

そしてその切り株を舞台として、人から見えない樹上からパペットを操り(人見知りですからね)、多くの人々の心に花を咲かせたのでした。

いつしか人は彼をこう呼ぶようになります。
“心師(しんし)”と。

そんな心師が桜を育てる作業時に着ているシャツが、このMap shirtsです。

AEEDONCLOUDではちょっと珍しい、ゆったりとしたサイズ感のセミロング丈シャツで、

経糸に綿、緯糸に綿/リネンの糸を用いて織ったのちに染色と塩縮加工を施した生地で仕立てられています。

塩縮加工により全体的に自然な程よいシボが生まれ、表情に深みが加わっただけでなく、蒸し暑い季節でも肌にべたべたとまとわりつきにくくなっった生地です。

さて、よく見ると左胸に謎の刺繍が。

実はこれは鏡文字となっていて、心師の住居周辺の地図が描かれています。
パペット劇場だったり、ハーブ園だったり、兎の生息地域だったり…兎は、桜の苗木を食い荒らす、いわば天敵のような存在なんですね。

手鏡を見ることによって、着用者は胸のこの地図を読み取ることができます。
そしてこの地図に、桜の分布図を書き加えていくわけです(そのためか、胸にはペンを挿せるポケットも用意されています)。

左胸の内側には、その手鏡を収めるポケットが設けられています。

想像を超えて実用面を意識した仕様が盛り込まれていることに、驚かされます。

ファンタジーであってもそうした細部をおろそかにしないのが、ASEEDONCLOUDの服作り。
その魅力は深まるばかりです。

オンラインストアはこちらです→ グレイッシュグリーン/ ベージュ


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