予定どおりに偶然に ~ KIMURA/ narrowing cardigan

この時期にしては珍しい雲の重さと薄寒さゆえ、何となく実感が湧きませんが、きょうから5月になります。

今年の春はどうも天気が悪い日が多く、せっかく届いた新作も撮影が及ばずに(天気が悪いと店内が暗くなり、綺麗に撮れませんので)だんだんと未紹介のネタが溜まってきました。
しかし撮影の都合とは別に、敢えてちょっと露出を抑えていたものもございます。

それがKIMURAの代表作narrowing cardigan、いわゆるシャツカーディガンです。

実は納品自体は4月下旬に済んでおり、店頭には即日から並べていました。
ただこのモデルはあまりの人気のため、毎度通販ですぐに出てしまい、せっかくKIMURAを見にご来店いただいたお客様へご紹介ができないという事態が以前より起きていましたので、今回はしばらく店頭限定商品としていたわけです。

とはいえもう5月、KIMURAをお求めのお客様の波もひと段落したことですし、満を持してオンラインストアに出すことと致します。

今回ご紹介するのは3種類です。

まずはリネンヘンプのこちら。

未染色のグレージュに溶け込むようにサックスブルーが混ざり、独特の色調を生み出しています。

生地は比較的しっかりした厚みをもち、ほかの生地のものにくらべ上着的な性質が強めです。

それもあって、基本モデルより若干ゆったりしたサイズ感となっています。
(ちなみに、以後ご紹介する2型は基本モデルに準じていますが、実は着丈をオリジナルより2cm伸ばしていただいています。実は当店ではnarrowing cardiganは初登場時からずっとこの着丈アレンジ版を展開してきました。ゆえに、同じ型でも他店様での取扱い品とは若干着た感じが異なります。ご注意ください)

なお、このリネンヘンプ生地はKIMURAの木村さんが以前買ったまま自宅で保管していたものでして、今回のオーダーで使いきってしまったそうです。
ですので、追加生産はできません。予めご了承ください。

お次はリネンコットンのストライプ。

今回届いたシャツカーディガンのなかで、いちばん「らしい」柄・配色がこれかも知れませんね。

MONTI社の手によるこの生地は、そのストライプの絶妙な色遣いは言うに及ばず、このリネンが50%以上入っている素朴な風合いから受ける印象とはまったく異なる、するりと滑るような肌触りには、まったく驚かされます。

木村さんはこのMONTIをここしばらく断続的に扱っていますが、その魅力を「裁断時に刃を入れたときに”ああ、いい生地だな”と思う」と評していました。

最後はこの微細なグラフチェックを。

こちらはMONTIではありませんが、同じくイタリアの高級生地メーカーCANCLINI社によるもの。

この浮き沈みするような不思議な柄は、意図的にであっても完全にコントロールして作りあげているわけではありません。

ブルーのスラブ糸(撚りに強弱をつけることで不均一な太さにした糸)を柄に用いることで、この不規則性を生み出しています。
ですので、触ってみると格子の太い部分が節のようにぽっこりしているのがお判りになるはずです。

このチェックの出し方は、店主、個人的に初めて見ました。
かなり珍しい方法だと思います。

なお、今回入荷のなかではこの柄が一番薄手です。

と、三者三様にそれぞれの特徴を発揮していますから、当然優劣なんてつけようがありません。

いつ、どのように着たいのか、或いは単にどの色柄、素材感が好きなのか、そうした感覚的なところでお選びください。

オンラインストアはこちらです→
リネンヘンプ ブルー×グレージュ
MONTI リネンコットンストライプ
CANCLINI ブルーチェック


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