今季、久しぶりに仲町台に帰ってきたwrittenafterwardsおよびwritten byですが、お陰様で店頭ではたいへんご好評賜り、ご紹介を前に続々と新作が巣立っています。
面白い傾向として、ブランドをもともと知っていた方より、むしろまったくご存じない方々からの人気が高く(オンライン以上に店頭での反応が好いのもそのあらわれでしょう)、それは服自体の力があればこそ。
このコートもまた、何の予備知識なくとも袖を通せばたちまちその魅力をご理解いただける一着です。
コートでは珍しい細ボーダー柄は、ノートや手帖の罫線をモティーフとしています。
「あとがき」「追記」を意味するwrittenafterwardsらしい着眼点ですね。
この生地は富士吉田の機屋さんと共同開発したもので、ウールとアルパカ、ナイロン、そしてキュプラをブレンドという、これまた少々変わった組成です。
ループ糸による立体的な質感が何ともチャーミングで、実用面で見ても一枚でコートに使えるほどの厚みと軽快なしなやかさを併せ持っています。
コート自体も”Deformed”の名の通りパーツやディテールが大胆に誇張されたデザインです。
赤ちゃんの涎掛けに着想した大ぶりのチンストラップに、ミリタリー由来の意匠でありながら徹底的に換骨奪胎したビッグサイズのエポレット。
短めの着丈とたっぷりとした身幅のバランスは、ポンチョを聯想させます。
ポケット口もコートの大きさに対して存在感のあるサイズ感です。
こうして単体で見るとちょっと癖の強い服のようですし、実際決して普通とは言い難いものの、いざ袖を通してみるとたいへんに可愛らしいコートで、また不思議なほど汎用性にも優れています。
また、服自体の個がはっきりしている一方で、着る人の個を決して拒絶することもなく、自然と引き立ててくれます。
オンラインストアには出してはいますが、正直なところ画面越しではなかなか判断しづらいコートだとは思いますので、是非一度店頭にてお試しください。
ここまで足を運ぶだけの価値はありますよ。
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