今週末にはまた一段階冷え込むようですが、そうはいってもまだまだ冬というより晩秋と表現するのが適していそうな今年の師走です。
おそらく本格的な寒さは年明けごろになるのでしょう。
昨今の気象の変化で暑い時期が一年の1/3以上を占めるとなると、昔のようなリズムで季節をとらえながら着るものを変えていくわけにもいかず、少々悩まれている方もいらっしゃるようです。
当店では昨年から、「厚手のアウターで暖を確保する」考え方から、「適度な保温性の軽めのアウター+保温性の高い(あるいは抑えた)ミッドレイヤー」の方向で品揃えを構築しておりまして、この組み合わせの考え方であれば、秋の深まり出すころから真冬、そして春先まである程度対応できると見ています。
もちろん真冬のさなかには強烈に寒い日もありますが、それはもうダウンや厚手のウールなど真冬仕様の外套を引っ張り出せばいい話です。
というわけで、以前であれば秋のみのご提案に収まっていた一枚仕立てのブルゾンが、冬服のひとつのバリエーションとしての役割も担うことになりました。
Itheの新型ジップブルゾンは、フランスのワークウェアのディテールを採り入れながらも新たに現代の都市着として設計された一着です。
適度に肉厚なウールフラノは、オーストラリア産メリノ種のウィナーズ(乳離れしたばかりの時期に採られた羊毛)を用いた上質な糸で織られています。
ラムならでのの艶と柔らかさ、そして成羊ならではの強い弾力性と両者の特徴を備え、これを丁寧に縮絨させることで複雑に糸が絡み合い、凛とした剛性が生まれました。
実はこのブルゾン、Itheのもともとの提案としてはより暖冬にアジャストしていて、厚みを抑えたコットンリネンの清涼な風合いの生地を採用しているのですが、店主が寒さに弱いこともあり、別注によって保温性の高い生地を使ってもらっています。
裏地のない仕立てではあるものの、身幅やアームホールにゆとりをもたせた設計となっているため、中にかなり厚手の服を着込むことが可能です。
ですから秋や春先にはカットソーや薄手のニット、真冬には肉厚なセーターなどと組み合わせるのがよいでしょう。
両脇には大きめのフラップつきパッチポケット、そこに重ねてハンドポケットが設けられています。
収納性を確保しながら手も暖めたい、そんな要望にお応えする、地味ながらうれしい仕様ですね。
アームホールから袖はたっぷりとしたゆとりを持たせてはいますが、袖口をスナップでタイトめに留められるため、手首から腕にかけての冷気の侵入はシャットアウトできます。
こうした細やかな設計が、Itheが「日常の制服」として愛される所以です。
別注につき在庫は多少ご用意しているものの、弊ブログでご紹介を前にすでに店頭ではご好評いただいており、サイズ欠けも時間の問題と思われます。
いますぐ着られる服でもありますし、気になる方はどうぞお早めに。
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