2021年から4年にわたり、HAVERSACKの冬の定番として愛されてきたヴィンテージメルトンシリーズ。
ブランドの独自企画によって開発された、しっかりとした厚み、コシのある、骨太なメルトンで、その密度ゆえ防風性に優れ、一枚仕立てでありながら真冬にも対応できます。
この生地のほつれにくい性質を活かし、すべてのパーツは敢えて断ち切りのまま使われています。
今年の新色はブラック。
定番のダッフルコートも登場していますが、まずは新型からご紹介することにしましょう。
画像ではいまひとつわかりにくいのですが、たっぷりとした生地使いが大胆なAラインを描くスタンドカラーブルゾンです。
前立てのボタンは水牛の角の削り出しで、その周りには優美なテープ刺繍を施し、武骨さを削ぎ落としました。
袖付けはさながらモモンガの如くアームホールを大きくとったラグランスリーブで、脇にクライミングパンツの股部分よろしくガセットを設けることで、肩回りの可動域を驚くほど拡げています。
裾や袖口の裏をダッフルコートにも用いられているテープ(後述)で補強して、服全体の張りを維持。
こうした、これ見よがしでない丁寧な仕事ぶりが、HAVERSACKが通を唸らせるポイントですね。
HAVERSACKではいつものこととはいえ、着てみるとみないのとでは印象が大きく異なるジャケットですので、是非一度店頭にてお試しいただきたいところです。
お次に、定番のダッフルコート。
可動域の広いガセット付きのラグランスリーブは、先のジャケットと同様です。
フードの裏にはジャケットの裏の補強でも使われていたテープがあしらわれていますが、これは単なる飾りではなく、フードの開きを調節するためのアジャスタとなっています。
ボタンはスタンドカラージャケットと同じく水牛の角の削り出しです。
大ぶりのパッチポケットの上にはスラッシュポケットが設けられていますが、
このスラッシュポケットには内袋がなく切れ込みのみ、もちろんファストファッションのようなダミーポケットなんかではなく、中に着こんだジャケットなどのポケットに手を入れるためのクラシカルなディテールです。
2021年の初登場時から「ダッフルコートにこんな可能性があったのか」「まったく見たことがない」と多くの賞賛の声を賜り、今回も「待ちに待ったブラック」と悦びの声をいただいています。
が、なんとこのダッフルコートは今季を以て展開を終了してしまうとのこと。
HAVERSACKはバンカラ気質のブランドで、多くの人に愛される型を定番として長く作り続ける道よりも、常にチャレンジすべく茨の道を選び続けてきました。
ハリウッドスターがプライベートで愛用するほどブランドの代表作として知られた丸襟シャツも、現在はレギュラー展開していません。
また来年も新たな傑作を生みだしてくるのでしょうが、このダッフルはひとまず見納めとなります。
週末から急激に冷え込み、こうしたコートもいよいよ出番が近づこうとしていますので、ご用意できるうちにまずはお試しを。
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スタンドカラージャケット ブラック
ダッフルコート ブラック