その植物が生い茂った建物の中で、とある一家が先祖代々暮らしています。
彼らのご先祖様は、自分たちがリラックスするために鼻歌をうたっていたところ、それが植物にとってもよい効果があることに気づいたそうです。
やがて鼻歌は植物のためにうたわれるようになり、演奏を伴う花唄へと変わっていきました。
いまここに住んでいるのは、5人です。
おばあさん、お父さん、お母さん、そして娘と息子。
彼らはここで植物を管理し、ときに花唄を演奏したりして暮らしています。
けれど、奇妙なことにこの建物に人の気配は感じられません。
彼らは、自分自身が元気のないときには、植物になりすましてそのなかに身を委ねます。
その時間が次第に長くなるにつれ、いつしか彼らが帯びる人としての気配までもが消えてしまったとか。
而して、ここは植物が音楽を奏でる不思議な建物として知られるようになりました。
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ASEEDONCLOUDの2025SSコレクション”shokuonshitsu”(植音室)は、かくも映像的な物語です。
緑生い茂る仲町台に暮らしているとついそれが当たり前のような感覚になってしまうのですが、植物の豊かな環境には、人心を落ち着かせてくれるような何かがあります。
昨年からの出張ユーフォニカで全国各地を廻ってみると、人の暮らす空間とこれほどまでに緑が密接な場所というのは意外とないものだと気づかされます。
さて、それ以上に緑豊かな家に暮らす植物一家でさえ、心安らげるために植物の中に身を委ねるとのことですが、かくの如く植物になりすまし、同化するには、服の力も助けとなります。
Assimilate plants coatは、園芸用の作業着であり、そのまま植物と溶け合うように同化できるコートです。
言葉を介さず目を惹くこの美しい生地は、ASEEDONCLOUDの人たちが実際に植物を生地に置き、木槌で叩くことで色素を転写させ(叩き染めと呼ばれる手法です)、それを柄としてプリントするという、実に手のかかった手法で生まれています。
コートではありますが厚みを抑えた清涼なコットンリネンにつき、春先の防寒着というよりも、春本番から初夏にかけて活躍します。
実際、植物が緑豊かに茂るのもそのくらいの時期からですものね。
この部分の紐をループ状に結んでおけば、園芸作業時に草木や花を襟元にまとめておくのにも使えます。
また、朽ちた草花もひとまず左胸に挿しておけるよう設計されています。
体全体で植物に擬態できるようたっぷりしたボリューム感のコートゆえ、そのまま着ると園芸作業時には少々邪魔になりかねません。
そのため、裾をコンパクトにし足さばきを楽にすべくドローコードが通されています。
趣味性が強いようで、目的に対し実用面も真摯にデザインされたコートです。
こちらは男性用のサイズを仕入れました。
植物と同化したい女性には、ワンピースをご用意しています。
生地の涼しさをより活かし、より暖かい時期、いな暑い時期に適した一枚です。
こちらも植物の中に溶け込めるよう体を包み込む生地使いをしていますが、肩のギャザーや
裾の両脇に深く切り込まれたスリットといった意匠が、土臭い野暮ったさを打ち消し、とても優美な印象を生み出しています。
共生地のウェストベルトを通す腰のループは上下2段に設けられていますので、この位置を変えてベルトを通すことで全体の印象にも変化をもたらすことができます。
コートもワンピースも、実際に植物の中に入らずとも草花に包まれているかのような心持ちになれそうですね。
もとより、「くもにのったたね」の名の如く、植物には縁の深いアシードンクラウドです。
オンラインストアはこちらです→ Assimilate plants coat/ Assimilate plants dress