春は眠くなる。
猫は鼠を取る事を忘れ、人間は借金のある事を忘れる。
時には自分の魂の居所さへ忘れて正体なくなる。
只菜の花を遠く望んだときに眼が醒める。
雲雀の声を聞いたときに魂のありかゞ判然する。
雲雀の鳴くのは口で鳴くのではない。
魂全体が鳴くのだ。
魂の活動が声にあらはれたものゝのうちで、あれ程元気のあるものはない。
あゝ愉快だ。夏目漱石『草枕』
寒さで強張っていた身体がほっとしてほぐれる所為か、この時期はどうも眠くなってしまいます。
当然その都度夢の世界に潜ってしまうわけにはいきませんが、日々お仕事や学業に励む勤勉な紳士淑女の皆様も、ときには、明日への活力のためと自らに言い聞かせながらこっそり寝てしまってもいいのではないでしょうか。
とはいえ、それに備えて職場や学び舎に予め枕を持ち込むわけにはいきますまい。
しかし枕は欲しい。
ええ、ええ、そうですよね。
では、このコーチジャケットを着ていくのがよろしいかと。
これで万事解決です。
はい、もちろん寝ぼけながらブログを書いているわけではありません。
当方は正気です。
ここでブラウザを閉じず、もうしばし順を追って説明させてください。
一見するとふつうのコーチジャケットのようですが、まず素材使いから違います。
表地には、肌触りがやさしく、また皴になりにくいポリエステルの織生地を、
裏地には通気性と弾力性に富んだポリエステルのラッセルメッシュを使用。
裾には粗野な雰囲気のジュート素材のドローコードが通されています。
どれもあまりコーチジャケットには用いられないもので、なかなか面白いチョイスですね。
と、ここまではコーチジャケットとしての魅力をお伝えしてきました。
本題はここからです。
この裏面、素材以外にも着目してみると、肩甲骨あたりにファスナーが設けられています。
どんどんぐいぐいと収めていきます。
そう、エアピローのような枕の完成です!
スナップを合わせれば首に固定できて、椅子に座りながらスヤァ…と寝てしまえます。
これがbeta postの、Pack-to-Pillowシステムです。
これで枕持ち込み問題はクリアしましたね。
…ん?「椅子に座ったまま居眠りするのもいいけど、いっそ机に突っ伏して寝たい」?
なるほど、ではこのシャツは如何でしょうか。
スヴィンコットンならではのしっとりとした触感、その心地好さは、それだけで我々を眠りに誘います。
なぜか胸には取り外し可能なエアポンプを装備。
これに関しては後ほど解説します。
身幅がゆったりとしたプルオーバータイプにつき、おなかの部分に広い面積がとられています。
ここが重要です。
両脇はスナップでスリットを拡げることができ、またここにはポケットが隠されています。
このスナップを外した状態のまま、さらに追って見ていきましょう。
すでにお気づきの方もいらっしゃるかも知れませんが、裾も何か所かスナップボタンで留められています。
このスナップボタンを外すと、なんとおなかのなかからエアピローが出現。
先のエアポンプでこのエアピローに空気をシュコシュコと入れることで、このおなかの部分が枕として使えるように。
サイドのスリットを拡げた状態であれば、机の上にこのおなか部分を載せて、ぐっすりと眠ることができるわけです。
もちろん、エアピローをおなかから出して単独で使うことも可能です。
服の歴史も浅くありませんが、過去、ここまでサボりや居眠りに対して真摯に向き合ったジャケットやシャツがあったでしょうか。
少なくとも店主は存じ上げません。
服の持つ可能性には、まだまだ見果てぬ先がありそうですね。
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