先週大粒の雪や雹が降ったとは思えぬほど、ここ数日は初夏を思わせるぽかぽかの陽気が続いています。
天気予報によれば明日から俄かに冷え込むということですが、今週の暖かさが異様だっただけで、ああまた冬に逆戻りだと心配せずとも春はもうしっかりと届いていますし、そもそも3月下旬から4月頭の桜の季節は、本来そこまで気温が高くはありません。
特段防寒性に優れているわけでもなくとびきり涼しいわけでもないスプリングコートの存在意義は、そこです。
このquitanのコートは、1950~60年代にフランス陸軍で採用されていたレインコート、その古着を基にリデザインされています。
わざわざ「その古着」と補足したのには理由がありまして、ヒントは胸や
元来このコートは、肩に取り外しできない大きな雨除けのパーツが被さっていまして、これらのボタンはそのパーツを服に固定するためのものでした。
ところが、「その古着」にはその雨除けがついておらず、どうも元々のオーナーがわざわざ切り取って外したようです。
結果、たしかに雨除けの機能は失ったかも知れませんが、このコートの隠されていた美しい姿が顕わになりました。
その姿をサンプリングしながらも、立体的なパターンで組み立て直し、軍服ではなく現代社会の都市生活のための服として生まれ変わらせたのが、このコートというわけです。
素材は、軽い質感のコットン。いわゆる馬布でしょうかね。
高密度に織られており、またそこそこの厚みがあるため、一枚仕立てでも風は防いでくれます。
製品染めが施されているため、生地のみならずボタンに至るまで陰影を帯びた幽玄な雰囲気を帯びています。
襟はチンストラップを用いることでスタンドカラーとしても活用可能です。
前立てをしっかりと閉じた状態でも、中に着ている上着やパンツのポケットに手が届きます。
写真で見ると少々重厚な印象を受けるかも知れませんが、先述の生地の特性と立体的なパターンワークにより、着てみると驚くほど軽いコートです。
春はもちろんのこと、秋口にも使いやすいかと思われます。
ちょうど気温も落ち着くと云われているこのタイミングです、是非一度お試しください。
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