やさしく編んでいた おお 愛のしるし ~ rinoneca

2022年秋、YouTubeチャンネル『人脈開放宣言』にて、昭和53年生まれの中年男性3人による鼎談動画が全4回にわたって公開されました。

第1回【「衣」の必要性】

第2回【店主のトガりと職人の興味】

第3回【「愛」と「執念」】

第4回【若者が抱く疑問】

この真ん中でLOVEを語るオシャベリモヤシ野郎が当店店主なわけですが、

“LOVE MAN”の白い壁を挟んだその左側(つまり読者の皆様からすると向かって右)の白髪白髭の男性、こちらが手編みニット作家として活躍されている森兼徳さん。

この動画でも触れられているように、プロフェッショナルとしてアパレル業界に長く身を置き、それと並行してニットを素材としながらもファッションの域に収まらず活動の範囲を拡げているAMI MANです。

なかでもランプシェードは人気が高く、すでに独立したブランドDouble virtueを冠して活動していますが、

そんな森さんが2024年春夏、デザイナーとして新たに発足させたのが、リネン専業レーベルrinoneca(リノネカ)でした。

「2024年?今年は2025年だから、2年目からスタートしたの?」
いえいえ、当店も初年度から取り扱っていました。
しかし、店頭でのあまりの好評のため、ご紹介を前にたちまちすべて巣立ってしまったのです。

ですので、真夏向けの服も含め、今年は駆け足でフルラインナップをここで披露します。

まずは昨年のブランド発足時に誕生した、ヘンリーネックのプルオーバーを。



リネンのヘンリーネック、そう聞いてだいたい皆様がイメージされるものは薄くて軽くてちょっとざらっとした感じではないでしょうか。

しかし、おそらく何もかもが違います。

まず素材、ブルボン王朝期から続くフランスの名門紡績会社サフィラン社のフレンチリネンを原料とし、これを東大阪のエップヤーン有限会社の誇る特殊な技術「ゼロトルク撚糸」で糸にしています。
斜行せず型崩れに強い、きわめて強靭な糸です。

この糸を使用して、10オンスという通常では考えられないほど厚みをもって編み立てることで、型崩れしないだけでなく、強い弾性を備えた生地が生まれました。

この編地のブリンブリンと弾む独特の触感は、とても言葉や画像では伝えきれません。

お次は、こちらも去年からの継続品、半袖の開襟シャツです。



もちろんただの「上質なリネンシャツ」の枠には収まりません。

織りと編みを融合させた、ハイブリッドな逸品です。

まず、前身頃と袖の大部分は60番手のリネン糸を用いた平織の布帛で構成されています。

そして、背面と袖口は、サフィランのリネンを使ったゼロトルク糸で編み立てたニットです。

布帛と編地がこれほどまでに違和感なくスムースに、かつ大胆にコンビ使いされているシャツとは、驚くばかり。
ブランド発足時の展示会で初めて見たときはかなりの衝撃を受けました。

なお、編みの目が大きいこともあって繊細な印象を受けますが、家庭での手洗いが可能です。

続いて。いわゆるニットTシャツですね。



もうあらためて繰り返すまでもなく、皆様の想定の範囲内に収まるものではありません。

サフィランのリネンを使ったゼロトルク糸は上記の2品同様ですが、このプルオーバーの特殊性はその編地にあります。

撚糸された2/26番手の糸を、本来リネンでは編むのが不可能とされていた18ゲージの機械に入れて、驚くほど細かい目で編み立ててしまいました。

ゆえに、リネンのニットとしては類を見ないほど高密度で、分厚くはないのに豊かな肉感を備えています。

最後にご紹介するのはタンクトップ。



タンクトップですら予想を超えてくるrinoneca。

ノルマンディ地方産の一等級の亜麻を原料とした毛羽が立たず艶のあるリネン糸を使用し、一般的なタンクトップのように天竺やインターロックにするのではなく、ピケ組織に編み立てています。

もともと上品な風合いの糸をピケ編みすることで、まるで布帛のようななめらかな質感に仕上がりました。

薄手ではありますが意外と透けづらく、また頑強でよれにくい生地です。

耐久性が高くて通気性に優れ、リネン独自のさらさらした肌触りに吸湿速乾性を備えている、まさに蒸し暑い時期のインナーとして理想的ではありませんか。

さて、こうして矢継ぎ早に4型をご覧いただきましたが、最後に、リネンといえば気になるであろう縮みやゴワつきについて。

リネンは濡れることで強度が高まるため、そもそも洗濯にはめっぽう強い素材です。
しかし、どのモデルも、最初の洗濯では若干サイズが縮み、また独特の硬さが生じます。
リネンが苦手な人が気にする、あのチクチクしたような触感ですね。

しかし、それも最初のうちだけ。
3回目の洗濯あたりから、生地にとろみが生まれ、硬さは無くなってきます。

そして5回以上洗ったころには縮みも元に戻り、かつ使用者の体や動き方の癖にチューニングされ、ただただ快適な服へと仕上がっています。

あとはもう愉しむだけです。

もはや亜熱帯と化した日本列島の夏、リネンの特性はますます重宝します。
その特性が100%以上に引き出されたrinonecaの服は、きっと長年にわたって欠かせぬ相棒となってくれることでしょう。

オンラインストアはこちらです→
リネン100% 10オンスヘンリーネックプルオーバー ホワイト/ ブラック
リネンメッシュオープンカラーシャツ ホワイト/ ブラック
2/26サフィラン18ゲージニットプルオーバー マリーン/ ブラック
リネンピケタンクトップ ホワイト/ ブラック


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