光るとき ~ TOKIARI

天が下の萬の事には期あり
萬の事務には時あり

生るるに時あり 死るに時あり
植るに時あり 植たる者を抜に時あり

殺すに時あり 醫すに時あり
毀つに時あり 建るに時あり

泣に時あり 笑ふに時あり
悲むに時あり 躍るに時あり

石を擲つに時あり 石を斂むるに時あり
懐くに時あり 懐くことをせざるに時あり

得に時あり 失ふに時あり
保つに時あり 棄るに時あり

裂に時あり 縫に時あり
黙すに時あり 語るに時あり

愛しむに時あり 惡むに時あり
戦ふに時あり 和ぐに時あり

(傳道之書 3:1-8)

人の生は、自らの意思や力のみで思うままにコントロールすることなどできません。
ときに個人では如何ともし難い出来事が起きたり、あるいは予期せぬ幸福に巡りあったりするもの。

すべての営みは天の定めた時と重なり、その時の連なる流れの中で我々人の子らは喜び、怒り、哀しみ、楽しみ、生きています。

それを詠ったのが、冒頭で引用した旧約聖書の詩です。

ここで繰り返される「時あり」の文言を銘とし、「時に在る衣服」を発信するのが、今回初めてご紹介するユニセックスブランドTOKIARI(時在)。

「こんな世界で私のできることといえば、ささやかな規模でも良い服をつくり、着る人の気持ちを鼓舞することだと思います。お客様がシャツに袖を通し、笑顔になってくれること。お互いの美学を分かち合い共感する瞬間。これが今の私の喜びであり力になっています。この幸せの時のために、私はつくり続けていたいと思うのです」

と、デザイナーの中村憲一さんは述べています。

中村さんはもともと盛岡で20年にわたりセレクトショップRiZM CLOSETを営まれていた方でした。
アントワープのJan-Jan Van Esscheや上海のZiggy Chenを日本で初めて紹介した敏腕バイヤーとしても知られています。

その経験とセンスをもとに生み出されるのは、近年のトレンドとは一線を画した、静謐で凛とした佇まいの服です。

これよりご覧いただくシャツ2型もまた、ともに虚飾を排したデザインながら、「ただシンプルでいい服」に落ち着くことなく、「これでなければ」と思わせる力を持っています。

まずは静けさと力強さを内包したレギュラーカラーシャツ、HIKARU。



多くの人がイメージするであろう「シャツ」の雛形とほぼそのままの姿のようで、いや何かが違う、ただならぬ雰囲気を帯びたシャツです。

しっとりとした質感の、肌理の細かいコットンブロードクロス、

艶やかな貝ボタンがそれに呼応します。

やや小ぶりに設定されたクリーンなレギュラーカラーに、

袖口を引き締める、カフスの鋭角的なカット。

シャツ全体をみるとゆったりとしつつもすっと縦に伸びたバランスで、禁欲的に身体を包みながら、その人の肉体性、パーソナリティまでもは否定しません。
この匙加減はTOKIARIならでは。

当店に於けるレギュラーカラーシャツの新たな基軸となり得るのではと、そんなポテンシャルを感じさせるシャツです。

お次は緊張と調和をテーマにデザインされたブザムシャツ、REI。


「礼」を聯想する名、胸元の襞から見て取れるように、フォーマルウェアを踏襲してはいますが、やはりそこには収まりません。

やや長めの着丈、そしてスクエアに切られた裾は張り詰めた緊張感を生み出し、

一方でスタンドカラーでなくノーカラーにすることでシャツ全体の印象をやわらかくくだいています。

均一な質感で光沢の強いハードマンズリネンも、着用を繰り返し洗いこむことで、しだいに穏やかな風合いへと変わっていくことでしょう。

とても上質で、且つ品の佳いシャツですが、敢えて夏の普段着として使い倒してみたいとも思わせるかすかな「隙」のようなものが感じられます。

この「隙」、言い換えれば「余地」がTOKIARIをTOKIARIたらしめます。

気位が高く、ソリッドで背筋が伸びる、それもまた正しき一面ではありますが、着る人を拒まぬやさしさが貫かれているのもTOKIARIの服です。

聞くところによると、なんと関東では当店が初の展開とのこと。
これを機にTOKIARIを知っていただき、皆様の人生の時のなかに新たな一匙の潤いを加えられたなら、それはとても幸せなことです。

オンラインストアはこちらです→
HIKARU ホワイト/ ブラック
REI ホワイト


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA