あれはもうコロナ禍の前のこと、おそらくは1980年代に生まれたバレーボールシューズが、およそ30年の時を経てひっそりと復活しました。
その味のある佇まいは、局所的ながらたしかな熱をもって愛されたものです。
品質もひじょうに高く、とくにS-KAISERなる謎ソールの耐摩耗性、そしてグリップ性能は21世紀でもなお通用するレベルで、このスニーカーが見た目だけの代物ではないことを大いに証明していました。

のちにはスウェードタイプも登場し、隠れた人気品番として長く当店の定番に…なるはずだったのですが。

コロナ禍の影響かどうかは知る由もありませんが、なんとS-KAISERソールを製造していたメーカーがまさかの倒産。
それに伴い、このモデルは永久に廃番となってしまったのです。
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そして2025年の秋、店頭にはこの靴が並んでいます。
もう二度と復活することはないであろうと半ば諦めていましたが、このソールと出逢ったことで、2922SLという新たな名を得て不死鳥の如く蘇ったのです。

正直、このSOLANOなるソールメーカーについては何も存じ上げません。
ソールパターンはテニスシューズのようで、横から眺めれば1980年代のバレーボールシューズに見られた構造。

実に奇妙で、ゆえに不思議系ブランドZDAに相応しいことこの上ないソールと言えます。

一方、アッパーはつくりも素材も2918Lをそのまま受け継ぎました。

ソールのボリュームが増したので全体的にはポテッとした愛らしい雰囲気になりましたが、アッパーだけ見ると実はなかなかスマートなシルエットです。

使用されているレザーは、柔らかく、それでいて適度に厚みのある良質なもの。

ZDAの靴は製法が旧く、現代の感覚でみると運動靴というよりパンプスといった軽い革靴に近い作り方をしています。
ゆえにアッパーも革靴同様にしっかりと立体的につくられており、このレザーの特性も相まって足をしなやかに包み込んでくれます。
1980年代はスニーカーの歴史的には技術発展の過渡期で、ヴィンテージ市場でも1970年代や1990年代のモデルに較べやや影が薄い、そんな時代です。
が、過渡期だからこそクラシックなスタイルとハイテク感を前面に押し出したスタイルどちらとも異なり、しかしどちらにも通じる独特の魅力に満ちています。
ソールも変わり「復刻」とは言えなくなりましたし、もはや新型と言ってもよいかも知れませんが、それでもなお「当時の靴」と認めたくもなる不思議なスニーカーです、どうぞ一度お試しを。



