祖父母が一時期仙台に住んでいた関係で
中学生のときに一度蔵王までスキーに行ったことがあるのですが、
レンタルのブーツが足に合わず、痛くて痛くて滑る前に挫折しました。
・・・・・・。
とうわけで個人的にあまりハッピーな想い出がないスポーツなのは店主の勝手で、
スキー自体に罪はありません。
もしヒュイーッと滑ることができたらさぞかし気持ち好かろうなんて
ふと夢想したりしますし、いつかはリベンジしたいものです。
このカーディガンが入荷した時、そんな由無しごとを考えていました。
古着屋さんに行くと
しばしばこんなスキーニットを見かけますが、
受ける印象がまるっきり異なります。
本質的にはオーソドックスなノルディック柄のジャカードです。
これが”昔の服”に見えないのはまず配色の力に因るところが大きいでしょう。
ネイビー、黒、白という温度の低いトーンでまとめられていますので、
往時のウィンターリゾートというよりは冬の都会が相応しいほどに
顔つきが引き締められています。
それでいて冷たい雰囲気にならないのは、
ノルディック柄が持ち合わせるのんびりした味わいと、
細かいディテールが効いているためです。
袖と裾のリブ部分、ぱっと見は幅広にとったリブですが、
よく見ると2色のの柄で編まれた細リブ仕様になっています。
古着のスウェットでノルディックセーターを模したものがありますが、
こんなセーター風のプリントが施されている物をたまに見かけます。
ヴィンテージや古着に着想しニットならではのテクニックで
別次元のものに昇華させる手腕に定評あるknitchyならではの遊びですね。
柄物のセーターは着たことなくて、という方は少なくないと思いますが、
こんなユーモアがありつつも合わせやすいものから
始めてみるのもいいかも知れませんよ。