マリーの… ~ EEL/ アトリエシャツ

何かとすぐ自分の話をする悪癖は承知していますが、
店主の高校時代、進路を考えるにあたって最初に候補としていたのは美大でした。

まあ理由としては美術部に在籍していたからという浅はかなものでして、
たまたま同学年が凄腕(同期にガラス作家秋葉絢がいました)揃いで
彼女たちにつられて自分の実力を見誤ったわけです。
結局基礎力の絶望的不足、そしてそれを超克する根気もまた欠落していたため
早々に諦めて一般四大の日本文学科に進み今に至ります。

そんな経緯もあり画家という存在には今でも憧憬を禁じ得ません。

このシャツが届いたとき、そんな当時の気持ちであったり
様々なサムシングが胸の中に蘇りました。
2016-03-22 11.39.502016-03-22 11.42.21

EELのその名もアトリエシャツです。

モンマルトルの画家が着ていたようなこのリネンのバンドカラーシャツは、
自身の美を追求するというより何か美を創りだそうと、価値を生み出そうとする
そんな人にそっと寄り添う優しさを秘めています。

洗いのかかったその生地は、上質な素材を使用してはいるものの
ラグジュアリーな攻撃性を感じさせません。

2016-03-22 11.40.36
襟がない以外はごくスタンダードな形状ですので、
ナチュラルスタイルのアイテムとして扱うよりも
普段もう少しオーセンティックな装いを好む方が肩の力を抜いて着る、
そんな立ち位置のほうがしっくりきます。

店頭でも手に取る方が多く、すでにホワイトとネイビー(インディゴ染)の各色
Sサイズしか残っていません。

琴線に触れた方は是非お早めにどうぞ!

オンラインストアはこちらです→ ホワイト/ ネイビー


STYLER MAGにてインタビュー掲載されました

STYLER MAGにて「なぜこのブランドを扱っているのか」、
その魅力を取扱店目線で語るコーナーの連載が始まりました。

第一回目から僭越ながら当店が登場し、EELについてインタビューを受けています。
今後、毎月登場予定となるそうです。恐れ多いことに。

当店の大きな軸となっているブランドであるにもかかわらず、
改めてこういう形式になりますと自分自身
どこまできちんと魅力を伝えられているのか…
ドキドキです。

https://facy.jp/article/men/feature/euphonica-eel-740/


E・B・I・S ~ RICEMAN/ Pullover Half Sleeve Shirt

そもそもライスにマン、ですから
当店としても自然な流れで男性服として扱ってきたRICEMAN。

ところがこのシャツが届き改めて眺めてみると、
一概にそうとも言えないのではと思い直し始めてしまいます。
2016-04-04 12.06.222016-04-04 13.35.472016-04-04 13.37.45

“Pullover Half Sleeve Shirt”はその名のまま五分袖のプルオーバーシャツで、
斜めに伸びる前胴のプリーツが特徴的な一品です。

このプリーツは首元でスナップ留めされており、
スナップを外すことでプリーツのマチが開放されて首元が拡がる仕組みとなっています。
2016-04-04 13.36.19

直線的、鋭角的なつくりでありながら、
襟のない丸首のせいなのかプリーツの効果なのか、
どこかふわっとした甘い要素を含んでいるのが面白いところです。

サイズ1と2(SとM相当)をご用意していますが、
ライスマンは他ブランドに較べて小ぶりで細身の傾向があり、
1は女性が少しゆったり着るのに適したサイズです。

そしてこのシャツはジャストよりも少し大きめで着ると
さらに優しく柔和な印象となります。

つまりは女性にとても似合うシャツというわけです。

もちろん本来は男性用ですので、畢竟どちらでも似合えば問題ないでしょう。

散々煽っておいておきながら何ですが、
どんなおかずにも合う白いごはんのような服作りをモットーするライスマン、
余計な先入観なく純粋に向き合ってお楽しみいただければと思います。

オンラインストアはこちらです→ ホワイト/ ネイビー/ ブラックプレイド

保存


夜空ノムコウ ~ Jens/ 馬布ロングドレスジャケット

またしても浄く凛然たる服が白楽のJens(イェンス)から届きました。

2016-04-01 11.56.10

ノーラペルで前立てのボタンも廃したミニマルな仕様の七分丈ジャケットです。

元来馬と鞍の間に挟んで使われていたことから馬布(ばふ)と呼ばれる
高密度の生地で仕立てられています。
余談ですが、EELのサクラコートの表地にも採用されているのも馬布です。

仄かな煌きは透明なラメを織り込むことで生まれています。
暗がりから見上げる透徹な夜空を聯想させますね。
2016-04-01 11.58.21

前立てのボタンの代わりに紐を通すことで留める仕組みです。
そこにルールはありませんので、
重ねの加減や紐の結い方で個性が出るところではないでしょうか。
2016-04-01 11.58.00

背中の接ぎ目は中央垂直でなく、ベントの流れの角度で斜めに切られています。
細かい点ではありますが、この服の鋭角的要素を象徴するデザインといえます。
2016-04-01 11.56.29

張りのある紙のような質感の素材も相まって
どこか和装のような印象も伴い、幽玄な雅趣が漂う服です。

正直多少着る人を選びますし、何にでも気軽に合わせられるとも言い難い、
けれども波長の合う方が身に纏えばそれだけで徹底的に魅力を引き出せる、
そんな力強い一枚だと思います。

人に寄り添う優しい服のうれしさは言うまでもありませんが、
かの如く緊張感のある服も、精神的豊かさのため時には必要でしょう。

この佇まいに何か感じるものがあれば、是非とも一度袖をお通しください。

オンラインストアはこちらです→ 馬布ロングドレスジャケット


そして風は吹く ~ Yarmo/ Army Shirts

“花が散ってなくなる前に写真を撮るつもりだったのに
今朝の風は残酷なのさ
すべて台無しにして放り出す”

とサニーデイ・サービスの歌にもあるように、桜が満開になるとなぜか天候が崩れ、見どきを逸するというのが心なしか毎年のように繰り返されているような気がします。

そうしてなかなか春を満喫するのも容易ではありませんが、それもきっとひとつの風物詩なのでしょう。

きょうも桜流しの冷たい雨のあと予報に反して気温も上がらず曇天模様。
せめて気分だけでも、ということなのか昨年冬に当店でドンキーコートを展開したYarmo(ヤーモ)から春らしいプルオーバーシャツが登場しました。
2016-04-03 11.45.482016-04-03 12.25.43

ヤーモはイングランド東部のグレートヤーマスという港町で100年以上の歴史を持つ生粋の英国ワークウェアメーカーなのですが、これは珍しくスウェーデン軍のシャツを基にデザインされています。

ご参考までに店主が20年ほど前に古着屋で購入したオリジナル(後染めされていますが)をご覧ください。
2016-04-03 11.48.21

その特徴はたっぷりした身幅に長い着丈。お尻の下まですっぽりと覆う長さです。
2016-04-03 11.47.03

オリジナルではざらっとした目の粗い生地のところ、このヤーモのシャツは肌理細やかなブロードクロスを採用し、上品な佇まいとなっています。

そもそもの形状に加えサイズも比較的大きめまで揃えていますので、なかなか当店ではサイズのチョイスがない背の高い方やがっちりとした方にも対応できます。
もちろん細身の方がゆったりと着てもよし、女性にロングシャツとして使っていただくのもよいのではないでしょうか。

体型や装いのスタイル、キャラクターに応じていくらでも変化するシャツです。
是非一度お試しください。

オンラインストアはこちらです→ オフホワイト/ ネイビー


ROCK BOTTOM ~ WYATT/ ウェストポイントストレッチテーパードパンツ

当店で取り扱うパンツは、ゆったりイージーな穿き心地のものが割合として多めです。

それはそれで別に何も省みる点はないのですが、
かといって細身の流麗なラインの服を否定しているわけでもありません。

ただし、昨今主流のスキニーまでいくと穿き心地が損なわれますし、
きっと健康にもよろしくないのではと懸念されます。

うまい具合に両立するものはないかしらんと都合のいいことを考えていたら、
ひょんな形で出会ってしまいました。

それがWYATT(ワイアット)のパンツです。
2016-03-29 13.02.292016-03-29 13.05.23

WYATTはワークウェアやミリタリーなどをベースにして、
ジェンダーレス、エイジレスな服、現代的且つ普遍性のある服を得意とする
今季スタートの新ブランドとなります。

ご覧の通り細身のテーパードシルエットなのですが、
生地の質感を損ねない程度に若干ストレッチ素材を混ぜていること、
そして内股に三角ガセットを設けることで股関節の運動性を確保し、
見た目以上の軽やかな着用感を実現しました。
2016-03-31 12.34.21

股のガセット以外には特に際立った意匠はなく、
パンツの美しいシルエットが前面に押し出されています。

もちろん外観のみならず、裏の始末も綺麗です。
2016-03-29 13.08.01

そもそもこのブランドのデザイナー氏は
細身のジャケットやデニムで名を馳せたLOUNGE LIZARD立ち上げメンバーの一人でして、
そのクールな服作りはスタイルを変えながらも
しっかりと新ブランドへと受け継がれました。

オリーブ色に近いカーキとネイビーをサイズ違いで一本ずつのみ仕入れています。
気になる方はお早めにどうぞ!

オンラインストアはこちらです→ カーキ/ ネイビー


ケルティックムーン ~ James Mortimer/ Comfort Fit

決してだれもが振り向くような鮮烈な印象を与えるデザインではなく、
雑誌に大々的に取り上げられたりするような高い知名度もありませんが
一度袖を通せばその実力にだれもが唸る、
そんな玄人好みのシャツで当店ではお馴染みの
James Mortimer(ジェムーズ・モルティマー)。

アイルランドはドニゴール州で100年以上シャツを作り続ける老舗工場です。

全モデルに共通してあしらわれる裾脇のグリーンのガセットが
デザイン上のアイコンとなりますが、これはアイルランドのシンボルカラーです
(補足ですが、タグに描かれた三つ葉クローバーも同国のシンボルとされています)。
2016-03-29 12.10.45

そんなモルティマーから今季登場するは
春夏に最適な白いタイプライター生地とネイビーのアイリッシュリネンの2種類で、
実は形状が今まで当店で展開していたモデルとは異なります。
2016-03-29 12.13.402016-03-29 12.10.31

写真だと判りづらいところではあるのですが、
コンフォートフィットと呼ばれるこのタイプは
通常モデルのスタンダードフィットよりも肩幅、身頃を拡げて
その分袖を短くしたボックスシルエットです。

サイズ38のスタンダードと平置き計測して較べてみると、
おおよそで裾丈2cm、肩幅2.5cm、身幅で3cm大きく、逆に袖が1cmほど短くなっています
(実物の手計測ですので、あくまで目安として誤差はご許容ください)。

ちなみに店頭での両者の判別方法としては、
ラベルのサイズタグの色をご覧いただくのが一番簡単です。
白地に黒文字がスタンダード、黒地に白文字がコンフォートとなります。
2016-03-29 12.14.532016-03-29 12.15.36

スタンダードはスタンダードでコンパクトで美しいシルエットが魅力的ですが、
漸う暖かくなってくるとより気楽な服が気分になってきます。

前立て裏の独特な縫製など、モルティマーらしいつくりは
どちらもまったく同じです。
2016-03-29 12.14.04

こうした上質な素材の仕立てのよいシャツは綺麗にもカジュアルにも着られて
非常に便利なもの。

これからの時期に向けて是非一度お試しください。
袖を通せばご納得ですよ。

オンラインストアはこちらです→
ホワイト(タイプライター)/ ネイビー(アイリッシュリネン)


EZ DO DANCE ~ BASISBROEK/ SENNE

開店以来毎シーズン素材を変えながら提案させていただいている
いわば当店の定番パンツの筆頭、それがバージスブルックの”SENNE(セネ)”です。

今季も昨年春夏と同じくコットンシルク素材で登場しました。
000000000509200000000051120000000005102

如何なるものかおさらいしますと、
腰回りにゆとりを持たせて裾に向かってテーパードするシルエットの
九分丈イージーパンツです。

フロントがボタンとジップフライの組み合わせであること、
また腰のドローコードが内側に出ていることで表に見えず、
これらの効果でイージーパンツでありながらくだけすぎない印象となっています。
2016-03-27 12.22.03
なお、このドローコードのみ
昨年春夏のモデルより高級感のある仕様に変更されています。

コットンシルクの乾いた素材感もこのパンツを一段階上品に見せますね。
2016-03-27 12.26.48
以前ご紹介したコートの”LITE“と同じ生地です。

シルエットの美しさ、汎用性の高いデザイン、
そして一度穿けば病みつきになる圧倒的な穿き心地のよさで
リピーター様の多いモデルでもあります。

早速店頭でも動き始めています。
ファンの方も未体験の方も、是非お早めにお試しください。

オンラインストアはこちらです→ オリーブ/ ネイビー/ ダークインク


ザ・ライトスタッフ ~ alk phenix/ “karu” series

ミモザと桜に合わせたはずのORDER BORDER、
仲町台ミモザ広場の黄色い花は昨年秋の無粋な伐採の影響もあってか
とうに盛りを迎えているはずが未だ満開に程遠く、
桜も開花はしたものの寒さに震え足踏みをしています。
2016-03-25 15.34.51

となると俄然活躍するのがスプリングコート、
alk phenixの今季の新シリーズはコートのみならず
この天候不順な春を乗り切るのにきっと力を貸してくれます。

“karu”と名付けられたこのシリーズは「軽さ」を追求したラインナップになっています。
形状は既存のアイテムをベースにし、素材と色の使い方で新しい魅力を打ち出しました。

2016-03-20 11.45.212016-03-20 11.47.06
2016-06-02 12.47.232016-03-15 11.52.22

色調がとても繊細なため写真うつりが一定にならず、判りづらくなってしまったのですが、
コート、パンツともにミリタリーな印象漂うダークグリーンとオリーブカーキの2色です
(コートの画像の方が実物に近い色目で写っています)。
薄手で乾いた質感が特徴のナイロンタスランタフタを使用しています。

前者karu coatはame coatをベースにし、
リフレクタープリントを背面の「歩」のみ配置したことで
2016-03-25 15.26.44
素材の質感、色が引き立ちシックな雰囲気となりました。
この生地には撥水性はほぼありませんので、
実用面というよりもファッションとしての側面をより引き出した一枚といえます。

なお、ame coatと同様、付属のスタッフバッグに収納可能です。
2016-03-20 11.46.35

パンツはshu pantsをベースとしています。
実は今季よりshu pantsも仕様が若干変わり、
ジッパープルとスナップボタンが改良されたのですが、その新型と同じ仕様です。
2016-03-15 11.52.572016-03-15 11.54.00
shu pantsもじゅうぶんに軽快でしたが、こちらをより薄く軽快にしたパンツとなっています。

セットで、というよりも単品としてそれぞれ使い回しが利く
便利なアイテム群として仕上がりました。

春の訪れの軽快な気分と、実際の甘くない気候に対応するタフネスを両立した
このkaruシリーズは、春に限らず長いシーズンに活躍してくれそうです。

是非一度ご検討ください。

オンラインストアはこちらです→
karu coat ダークグリーン/ オリーブ
karu pants ダークグリーン/ オリーブ


初体験・リッジモントハイ ~ EEL/ スリッポンシャツ

ORDER BORDERも後半戦に突入しました。

一方で新商品も続々入荷してきており、ご紹介が追い付かない状況です。

きょうは寒の戻りでスプリングコート日和とはいえ、
近頃は暖かい日も増えてきて、いよいよ春本番も間近。
店頭でもシャツをお探しの方が増えてきています。

ベーシックなシャツも勿論いいものですが、一方で今年は襟無しも気になるところです。

そんなノーカラーシャツ、各ブランドから色々と出ているなかで
EELからはこんな変化球なアイテムが登場しました。
2016-03-22 11.35.222016-03-22 11.27.132016-03-22 11.29.18

Tシャツのようなそうでないような、布帛のプルオーバータイプの
その名もスリッポンシャツです。

何といってもその大きな特徴はこの襟元。
VANSのスリッポンの履き口のようなエラスティック素材があしらわれ、
すぽんと着脱可能となっています。
2016-03-22 11.27.49

素材そのものもリネン混のポリエステル生地で、
ほどよいストレッチが効いて一層気軽な着心地を生み出しました。

胸の切替しの一部がスリットポケットになっている点もEELらしい遊びですね。
2016-03-22 11.30.14

七~八分袖という程よい袖丈が上品且つイージーで、
暖かな気候に無理なくフィットします。

ユニークでありながらパンチの効きすぎない絶妙な塩梅のデザインですので、
幅広い装いに対応できるはずです。

是非一度お試しください。

オンラインストアはこちらです→ ホワイト/ チャコールグレー/ ネイビー