そのユーモア溢れる愛らしいデザインゆえ、ユニセックスといっても女性寄りの印象が強かったMETHOから、ちょっといつもと趣の異なる、しかし魅力的な提案が届きました。
いつもより控えめで、けれどしっかりとMETHOらしさの光るシャツです。
ひとつの型でも色によって素材が変わりまして、ホワイトとフェイデッドブルーと呼ばれる淡い青は、シャンブレーを使用。
超長綿に椿油をコーティングした糸を用いて織り上げた生地で、しっとりとした滑らかな肌触りと、優美なしなやかさを備えています。
はっと目を惹くストライプ柄は、コットンブロード。
ナイル川の肥沃なデルタ地帯とその流域で栽培されている綿花から採取された長綿(GIZA86)を使用しており、肌触り、ハリ、コシ、光沢のバランスにとても優れています。
暖かい時期に心地好い、さらりとした肌触りのコットンリネン。
紫がかったグレーを基調としたシックなチェック柄は、織りではなくプリントで表現されています。
深く、しかし不思議と重さを感じさせない黒は、春夏らしいヘンプコットン。
経糸に超長綿、緯糸にヘンプを配した平織生地で、超長綿ならではのやわらかな肌触り、ヘンプならではの剛性と耐久性を備え、最初のパリッとした質感から(裁断時にジャキジャキと音がが鳴るほどだとか)、着込むほどに肌馴染みを増していきます。
一見すると拍子抜けするほどシンプルで「普通」なシャツですが、そこはMETHO。
単にいい素材を使ったシャツです、とはなりません。
まずもって、品名のSingle yokeとはこれ如何に。
肩のヨークの線を見てみると、たしかに生地の端のボリューム感がほかのシャツとは違います。
通常、このヨークというパーツは、表側と裏側に配された生地が胴部分を挟むような形となっています。
お手持ちのシャツをご覧いただくと判りやすいのですが、表面も通常ネームラベルをつける面も、生地の表側が出ているはずです。
ところがこのSingle yoke shirtは、このパーツが一枚で構成されています。
ヨーク端の仄かな膨らみはこの生地の接合部分でして、表側で縫うような形にしながら袋縫いにすることで、縫合部分を見えないよう閉じ込めているわけです。
正直、特段に実用的機能的なメリットはないにしても、このさり気ない変化が、シャツ全体の雰囲気を底上げしてくれます。
そしてシャツ全体のデザイン自体もまたヨークを中心として引き立てるよう配慮されており、袖は剣ボロを廃して情報量を抑え、
まっすぐ切られた裾のカットが、直線的なボックスシルエットから曲線を排除します。
また、細かいところですが、生地に合わせて選ばれた貝ボタンが、すべてミシンでなく手作業で縫いつけられています(手間はかかりますが、ミシンづけにくらべボタンが取れにくくなります)。
こうしたところからも、ファッションとしてはもちろんプロダクトとしても高い水準にあることを示していますね。
店主はこのシャツから、モダニズム建築の名作と通底するソリッドな美意識を感じました。
先述の通りMETHOはユニセックスブランドにつき、女性がゆったりと身に纏うのもよいですし、男性も概ね175cmくらいまでの細身の方であれば綺麗に着られます。
これから暖かくなれば、自然とこうした美しいシャツの出番は増えてくるもの。
まずは皆様一度お試しを。
オンラインストアはこちらです→
ホワイト/ フェイデッドブルー/ ブルーストライプ/ チェックプリント/ ダークブラック