苦しくたって悲しくたって コートのなかではへいきなの ~ ZDA/ Trainer 2918L

現代の最先端モデルや大手ブランドにはない独自の魅力で、少なからぬ好事家たちを虜にしているZDAのスニーカー。

ランニングシューズのMarathonシリーズがよく知られていますが、実はほかにもラインナップがあることが春に復刻されたハンドボールシューズ2900FSLによって明らかになりました。

今回はそのTrainerシリーズから、バレーボールシューズの登場です。

アッパーはオールレザー。

タンには2900FSLと同じく、デフォルメされた競技者のイラストが描かれています。

アッパーの”Trainer”はプリントです。インクの滲みが泣かせますね。

爪先部分には通気口が開けられています。一部抜け切れていない穴があったりするのはご愛嬌ということで。

2900FSLと同じS-KAISERソールを採用しています。

いまだにこのS-KAISERがソールメーカーなのか何なのかつまびらかでありませんが、グリップ性の高さだけは確かです。

おそらくはもともと80年代あたりに存在したと思われるこの靴、無論履き心地やバレーボールシューズとしての性能は現代の最先端モデルに及ぶべくもないものの、旧来の運動靴からハイテクのスポーツシューズに至る過渡期ならではの絶妙なデザイン、雰囲気はそんな合理性を吹き飛ばす魅力に満ち溢れています。

どの点を見てもZDAらしさを心ゆくまで堪能できる一足、是非足元に。

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この胸のときめき あふれる想いを 感じていたい いつまでも ~ EEL Products/ 陶器釦のシャツ

サクラコートや少年パンツなど、EEL Productsといえばこれだねという代表作は少なくありません。

そのなかでも忘れてはいけないのが陶器釦シリーズ。

手練りの半磁器ならではの素朴な風合い、しっとりとした艶が厭味なく服を彩ってくれます。

この秋も、シャツが温かな風合いの素材で再登場しました。

昨年”陶器釦のシャツ17″としてデザインを一新しましたが、これを踏襲して正式な後継モデルとなり、”17″が外れました。

今回の素材は起毛したコットンヘリンボーン。

それほど厚ぼったくなく、見た目よりずっと軽快な着心地です。

すべてのボタンにわかりやすく陶器を使うような安直な仕事はせず、第二~四ボタンと袖口ボタンに主張のあまり強くない色の釉薬が用いられた陶器製のものを採用しています。

ぱっと見プルオーバーと思わせて、前立て下半分は比翼仕立てです。

その比翼部分および第一ボタン、剣ボロには本体と同生地のくるみボタンが使われています。

この抑制が、かえって陶器釦の存在を引き立ててくれるもの。
何事も過ぎたるは及ばざるが如し、です。

ともあれ御託は抜きにしても素敵な服であることは疑いありません。
漸う秋の気配も濃厚になってきたところですし、こんなシャツを身に纏って一層移りゆく季節を楽しんでみませんか?

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突然 ~ TAGE/ ダンボールニットシリーズ

つい先日まで残暑がどうのこうの言っていたのに、このところ毎晩寒くて熟睡できません。

はやく掛け布団を押し入れから出し、天日で干して使いたいのですが、こんな時に限ってどんより天気が続くもの。
というわけでしばらくはタオルケットにくるまって震えながら眠ることにします。

さて、そんな個人的な話はともかく、朝晩の涼しさに伴って町の様子も晩夏から初秋の様相を見せ始めてきました。

このふんわりした服の提案には適した気候です。

TAGEのダンボールニットを用いた新作、ロングカーディガンと

スカートが届いています。

ダンボールニットは生地の間に空気の層のある生地で、その名の通り段ボールと同様の原理で構成されています。

中に空気をため込むため保温性に優れ、また独特のフカフカした触感が特徴です。

そんなちょっと面白い生地を用いたロングカーディガンは、男性でも着られそうなほど意図的に大きく作られており、生地のボリューム感をより楽しめる形状となっています。

表裏のない特徴を活かし、ブラックの裏は杢グレー、杢グレーの裏はブラックです。

素材だけでなくパターンのユニークさもTAGEの強み。
言葉で説明するのは難しいのですが、背面で重なったパーツが袖へと続いています。

両脇のパッチポケットの形状もあまり見たことがありませんね。

一方スカートはカーディガンと真逆のタイトなシルエット。

とはいえウェストにドローコードのついたスポーティーな仕様で、

斜めに口の開いたヒップポケットがちょっとユーモラスで可愛らしい印象です。

シーズンを重ねるごとに独自性の強いクリエーションの評価は高まる一方で、まだ取扱店舗がそれほど多くないことから、今回も全国のTAGEファンからの争奪戦は必至かと思われます。

気になる方はお早めにどうぞ。

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ロングカーディガン ブラック/ グレー
タウトスカート ボーダー


夏が過ぎ風あざみ 誰のあこがれにさまよう ~ EEL Products/ 少年パンツ

予報ではそろそろ最高気温も落ち着きを見せるようで、秋物衣料を探すにあたって気分と体感の足並みが揃う段階になってきました。

「短い夏が終わったのに今 子供の頃のさびしさが無い」と歌ったのはフジファブリックですが、さすがに今年の夏は暑いわ長いわで、寂寥より安堵を感じますね。

さて、そんな季節の移り変わる狭間、装いを漸次秋へ向けるには最適なパンツが入荷しています。

EEL Productsの定番、少年パンツです。

基本的な仕様にあまり変更はありませんが、

今回は清涼すぎずさりとて暖かすぎずのウールサージで仕立てられ、長い季節楽しめるものに仕上がりました。

とはいえ基本的には秋冬物です。
裏地が裾の先までしっかり張られ、厳冬期にも嬉しい防風性、保温性を備えています。

ゆとりある腰回りからすっと自然に細くなるシルエット、やや短めに設定された股下、左ヒップポケットの三角フラップなど諸要素が、一般的なウールのスラックスの特徴である独特の緊張感を緩和し、絶妙に中庸なポジションを獲得しました。

Tシャツにもジャケットにも、スニーカーにも革靴にも、さまざまな組み合わせに難なく対応します。

少年パンツからEEL Producutsの佳さに目覚めたという方に当店だけでも何名かお目にかかったことがある、そのくらいこのブランドらしさが凝縮された名品です。

すでにほかの素材の少年パンツをお持ちの方はもちろん、これが一本目という方も、きっと完成度の高さにご満足いただけることでしょう。

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ととのいました ~ LUNGE/ Integer Walk Cushion

2015年夏に初めて紹介して以来継続的な人気を博し、現在も取扱いのある靴ブランドとしては当店最古参となったLUNGE。

ずっと、定番Adagioと当店ではレディースのみの扱いだった(2018/9/7時点では完売)a-Mollを展開してきたわけですが、今回は久しぶりの新型紹介となります。

その名もInteger(ここはドイツ語発音でインティーガーと読むべきでしょうかね)。
ルンゲでは珍しく音楽用語ではありません。

「触れられないもの」(否定のin+「触れる」tangereから)、ひいては「分割されないもの」を意味するラテン語がもとになり、今では一般的に「整数」ないし「完全なもの」を表す言葉です。

そこから「歩行を整える、完全なものにする」靴として命名されたようで、なるほどたしかに歩行を頼もしくサポートしてくれます。

見た目は同じくウォーキングシューズであるAdagioに似ており、使われている素材もほぼ重なりますが、細部が異なります。

アッパーはライニングも含めマイクロファイバー。

ヴィーガン基準で(動物由来の材料を使用していません)選定され、環境負荷も少ない素材です。

足をしっかり固定しながらも優しく包み込み、また内部からの湿気を発散して蒸れを防ぎます。

中敷はお馴染みラテックス一体成型のオリジナル品。

画像ではわかりにくいかも知れませんが中央部分が盛り上がっていて、とりわけここが効果的に足を支えます。

ミッドソールはEVAブロックを削って成形したもので、あらゆる部位で同じように衝撃吸収性を発揮できるよう設計されました。

Adagioにくらべ、柔らかく弾力性に富んだ履き心地です(Adagioはより安定した歩行感です。特性の違いであって優劣はありません)。

アウトソールはハーメルンに拠点を置くOK Gummiwerk社のソールブランドhexa4GRIPから”High-GRIP”を採用。

その名の通りグリップ性に優れているのみならず、耐摩耗性も高く、また泥や石が詰まりにくいため、舗装道路だけでなくオフロードにも対応してくれます。

などなど、ただシンプルなだけでなく、細部まで考え抜かれた靴であるのがおわかりいただけたでしょうか。

説明が下手すぎて伝わらない…?それは残念です。
では一度履いてみてください。

“HOME OF THE FEET”の謳い文句が伊達でないことは、足がはっきりと認識するはずですよ。

オンラインストアはこちらです→
Integer Walk Cushion ブラック/ スレート/ オリーブ
W-Integer Walk Cushion(女性モデル) スレート


灰とダイヤモンド ~ HAVERSACK/ ダンガリーバンドカラーシャツ

超巨大台風が迫っているようです。

横浜は直撃を免れるようですが、それでも生ぬるく湿った強風が絶え間なく吹きつけ、まるで秋への通過儀礼かのような気分になります。

こんなときは乾いた質感のシャツがうれしいもの。

HAVERSACKの新作バンドカラーシャツは、シャリっとした灰色のダンガリー生地で仕立てられています。

ゆったりしたサイズ感、大振りのボタン、そして低い位置に設けられた大きな胸ポケットなどの要素が相まって、

シャツとしてはもちろんのこと、羽織りものとしても活躍するマルチな一枚に仕上がっています。

ワークウェアを彷彿させる仕様とはいえ、仕立てはさながらドレスシャツ。

HAVERSACKらしく、背面のヨークも中央で接ぎ、生地を斜めに使用したスプリット式となっています。

シャツを体に沿わせ、着心地を高める仕様ですが、あまりこうしたラギッドな素材のものでは見られませんね。

暑かったり涼しかったりと気温の変動激しく湿度が高いこの時期や、春~初夏にかけては一枚または羽織りものとして、もう少し寒くなれば上着を重ねてと、年間通して見て長いスパンで活躍してくれそうです。

長袖シャツの活躍する今、是非ともご検討ください。

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疾き風よ 光と共に解放されよ ~ tilt the authentics/ ギザコットンモールスキンパンツ

「ファーストアルバムにはそのアーティストのすべてが詰まっている」
最初にだれが言い出したのかつまびらかではありませんが、なかなかの至言ではありませんか。

この秋冬にデビューを果たしたtilt the authentics(チルトザオーセンティックス)。
気鋭の若手デザイナー中津智博氏が手掛ける新星です。

オーセンティックなものを傾けるというブランド名の通り、普遍性が高く日常生活に馴染むような、しかし実は細かいデザインワークが施され絶妙な違いが生まれている、そんな服作りを得意としています。

このパンツにはそうしたブランドらしさがぎゅっと凝縮されており、見て、触って、そして穿いてみれば、たちまちにして言わんとすることをご理解いただけることでしょう。

生地は、超長綿ギザコットンを高密度に織り上げたモールスキンです。

艶があり、絹を彷彿させる滑らかな肌触りで楽しませてくれつつも、そこはワークウェアにも用いられるモールスキン、きわめて高い耐久性を誇ります。

日常生活に於いて気兼ねなくどんどん穿きこみ、ともに過ごした時間が齎す変化を楽しめそうですね。

一方、デザインは上品にまとめられており、ワークテイストを微塵も感じさせません。

ハンドポケットは端から少し中央に寄った部分に設けられ、片縁仕様となっています。

フロントファスナーにはYKKエクセラを採用。

金属の質感、そして開閉のスムーズさは世界最高峰です。

こうした、気が配られながらも癖が強くないディテールや、すっきりしたテーパードシルエットなどが相まって汎用性は極めて高く、それほど服装にうるさくない職場であれば革靴(delightful toolなんて間違いなく相性抜群ですね)などを合わせてビジネスの場でも適応しますし、オフにはTシャツやスウェット、スニーカーなどと合わせても面白いかと思われます。

どうだ凄いだろうといった声高な主張も、わかりやすい記号性もここにはありません。
しかしきっと、日常の装いの中に挿すたびにささやかな発見があるのではないでしょうか。

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夕やけ小やけの赤とんぼ 負われて見たのは いつの日か ~ niuhans/ Soft Brushed Irish Linen Open Collar Shirt Jacket

いつもお世話になっている郵便の配達員さん曰く、
「暑い暑いと言っても、やっぱり前ほどじゃないね。朝とかはそれほどでもなくなったし、陽が沈むのもだいぶ早くなったよ」。

ということで、この残暑も着実に終わりへと向かっているようです。
もうしばしの辛抱ですね。

ほら、その証拠に街路樹の葉も散り始めました。

悪あがきのような蒸し暑さと増しゆく秋の気分の鬩ぎあうなか、そろそろ手にしたくなってくるのがこんなシャツジャケットではないでしょうか。

まずは何と言っても奥ゆかしい色目が来たるべき次の季節を想起させて止みません。
夕焼け、赤とんぼ、金木犀、柿、紅葉…聯想は拡がるばかり。

このふっくらとした生地、ウールに見えて実はリネン100%です。

ハードマンズ社のアイリッシュリネン糸を日本国内で製織、染色後に繊維を優しく叩きほぐして起毛加工を施すことで、この柔らかな肌触りを生み出しています。

温かな風合いと、リネンならではの吸湿性、速乾性、通気性を両立させた、この高温多湿な日本の秋口に最適な生地と言えます。

服自体を見れば開襟にフラップ付きパッチポケットといったカジュアルなディテールですが、ステッチを目立たせず、またポケットにボタンを設けないことで洗練された上品な雰囲気に仕上げています。

なお、ボタンは生地の色とよく調和した水牛製のものを採用しています。

直線状の裾により、より羽織りものとしての性格が強められました。

もちろん、シャツとしても問題なく着用可能です。
そのバランス感も魅力的ですね。

などと、そんな細部の説明も不要なほど、ただ手に取りたいな、着たいなと思わせてくる一枚です。

人が装うにあたり、情感のみをその拠り所とするのは難しかれど、かといって機能性やコストパフォーマンスこそが正義ということもありますまい。

情緒と合理性の邂逅と呼べるような何かが、この服には感じられます。

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だんだんだれが めっかった ~ Handwerker ASEEDONCLOUD/ HW basic shirt

季節を問わず何枚あってもいいのが白いシャツですよね。

ある程度のフォーマットが定められていて、しかも白の無地であるその特性上、単純でどれも大差ないように思われがち。

いえいえだからこそ違いが出るものです。

物語性豊かなコンセプトの面白さのみならず、服としての本質的な部分をとても大切にした丁寧なデザインワークで、先日の登場から早速店頭にてご好評いただいているHandwerker。

このシャツはそのラインナップの中でもひときわ普遍性の高い一枚となっています。

生地はピンポイントオックスフォード。
光沢、なめらかさ、耐久性に優れた超長綿GIZA86を甘撚りにした糸を用いており、一般的な同様の生地に較べふわっとした質感で、柔らかいのが特徴です。

上品な形状の小さな襟に加え、第二ボタンの位置が高いため、静謐で禁欲的な印象となります。
艶を抑えた素材のボタンも佳いですね。

敢えて第二ボタンを開けても、野卑な印象にはなりません。

背面のヨークには特徴的な形状のハンガーループが備えられています。

とりわけ面白いのが胸ポケットで、

大振りなこのポケットの中を覗くと、ペン挿しが二本分隠れていました。

Handwerkerの他のアイテム同様、洗濯に耐える素材の紙パッチが縫い留められています。
そのままにするか外すかはどうぞご自由に。

と、(紙パッチは別として)一見するとわからないような細かな仕事の利いたシャツですので、飽きることもなく、着るたびに新鮮な気持ちになれることと思います。

女性サイズ(XS)から男性サイズのLまで取り揃えました。

ワードローブの基本の一枚として、是非ご検討ください。

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きときと ~ K.ITO/ ウール天竺カーディガン

お盆を過ぎたら急に風が涼しくなったせいか、ふと見やるといつの間にやら木々の様子も秋めいていました。

浮き沈みしながらもまだ残暑は続くのでしょうが、一握の寂寞とともに着々と夏は終わりに向かっているようです。

そんな中、今すぐにでも欲しくなるようなカーディガンが入荷してきました。

2018AWデビュー、つまりこれが初のお披露目となる新ブランドK.ITO(ケイトケー・イトウ)。
*ブログ公開当初KITO(ケイト)と表記していましたが、K.ITO(ケー・イトウ)が正しいとのことです。失礼致しました…

ブランド自体は生まれたてですが、手掛けるデザイナー井藤一男氏のキャリアは長く、実に40年近くに至ります。

糸の開発から縫製まであらゆる工程を熟知したプロフェッショナルで、基本的には表舞台に立つことなく、裏方としてコレクションブランドなど名立たるブランドの服作りを支えてきた人物でした。

そんな井藤氏が御自身のブランドとして立ち上げたのがこのK.ITOというわけです。

特にニットやカットソーを得意とし、ブランド名にもそれが反映されています。
お気づきの方もいらっしゃることでしょうが、「毛糸」と「Kazuo ITO」のダブルミーニングですね。

さてこのカーディガン、一見何の変哲もなさそうで、細部に技巧が光ります。

素材はウールの天竺素材。コットンなどではTシャツによく用いられる編地です。

縫製もニットとしてではなくカットソーとして、ミシンで縫われています。

この編地は、さらりと乾いた肌触りでありながらも身に纏うと驚くほど柔らかく、ふわりとした着心地が楽しめます。

そんな素材の特性を活かしたパターンも特徴的で、まず襟周りが首に向かって立ち上がっています。

ここから肩、袖に流れるなだらかな曲線が、ともすればのっぺりとなりがちな一般的カットソーカーディガンと一線を画します。

袖付けもユニーク。

MONTANEのジャケットを彷彿させる構造で、運動性が高く、腕を上げても裾が引っ張られにくくなっています。

ボタンはやや大きめの貝製です。

前立てボタン周りの補強も抜かりありません。

どこを見ても唸らされる円熟味。

今の時期から次の初夏まで着られ、また捻りながらもバランスのとれたデザインで、圧倒的な万能性を誇る一枚です。

カーディガン愛好家の皆さま、是非店頭にてその実力をお確かめください。

オンラインストアはこちらです→ チャコールグレー/ インディゴ/ ネイビー