ずっと受け継がれてきた伝統的なスタイルにはその佳さがあり、革新的な先端技術にはその佳さがあります。
それらは水と油のようでいて、実は決して反目するものではありません。
両者を美しく結びつけるのが、デザインの力です。
当店が今季から取り扱いを開始したmando。
店頭で意外なほど多くいただく声が、「実はすでにここの服を持っています」でした。
そしてそういった既知のお客様のほとんどがmandoの代名詞的存在として認識しているもの、それがポリエルテル素材のジャケットおよびパンツです。
ポリエステルのセットアップ、と聞くと、一時期大いに持て囃された機能系素材を駆使したものを彷彿するかも知れません。
ストレッチが効いた生地ならではのぴたっとしたスリムなシルエット、海外出張のときに活躍する隠しポケット、ウールに較べ抑えられた価格などなど、多くの方はそういったアーバンギア的なものを聯想することでしょう。
しかし、このジャケットとパンツは一味も二味も違います。
たしかにポリエステルならではの気軽さはあれど、本質はそこにあらず。
「実用性」「機能」「コスパ」などを追求した実利的なものではなく、あくまで大人のファッションとして作られた、色香漂う服です。
まずはジャケットから見ていきましょう。
使用されているポリエステルツイルは、化繊特有の軽い艶がなく、ぱっと見た印象だけでは洗いをかけたウールサージのような佇まい。
製品の段階で高圧染色を施すことで、奥行きのある質感としっとりした肌触り、とろみのある柔らかさが生まれています。
ジャケット自体は肩パッドなどが省略された軽快なつくりで、やや肩を落としたゆったりめのシルエットと相まって実に軽妙洒脱です。
別物ですが、90年代初頭のいわゆるアンコンジャケットを彷彿します。
ラペルのフラワーホールや袖口のボタンホールにあたる箇所に敢えて穴を設けず、ステッチに置き換えているところが何とも小粋ですね。
プロとして現役を続ける長年のキャリア、クラシックな重衣料の構造を知り尽くしているバックボーンがあるからこそ、「本格」の呪縛からするりと抜けられるのでしょう。
裏地はキュプラで、表地同様に製品染めの結果程よい皴が生まれています。
続きまして、同素材のパンツを。
腰回りから太腿にかけてゆとりをもち、ゆるやかにテーパードのかかったセミワイドシルエットです。
左右それぞれ一枚の生地で立体的に包み込むような作りで、内股でのみ接合されているため、外側の縫い目が存在しません。
パンツもまたジャケットのように、一度重衣料をマスターしたうえで独自のフィルターを通し適度な簡略化がなされているのが、細部から見て取れます。
なお、裾はやや長めに設定され、アンフィニッシュで仕上げられています。
ですので、穿く前に適切なポジションで裾上げを行ってください。
セットアップとしてはもちろんのこと、上下どちらも単品で使いやすい形ではありますが、パンツはご覧の通りその機会も多いと考え、2色ご用意しました。
ダークネイビー、チョコレートブラウン、どちらも秋冬の装いに使い勝手の良い色目です。
シルエットの佳さや作りの丁寧さは言うまでもなく、着心地もまた素晴らしいのがmandoの服です。
このブランドをすでにご存じの方はもちろん、そうでなくともこれからトライしてみようかなとお考えの方は、是非一度店頭にてお試しを。
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ポリエステルツイルダブルブレステッドジャケット ダークネイビー
ポリエステルツイルサイドシームレスセミワイドパンツ ダークネイビー/ チョコレートブラウン