今年最後の出張ユーフォニカを無事終え、再び仲町台での日常が戻ってきました。
遠いようで意外と近い富山、東京駅から新幹線に乗って2時間少々で到着します。
それでいて近いようで意外と遠い富山、街の雰囲気や空気は南関東とはまるで異なりますね。
路面電車が有名ですが、コンパクトシティを謳うだけあり街自体がきゅっと小振りな設計のため、結局一度も利用することなく市街地内の移動は徒歩で済んでしまいました。
お昼に到着したのでまずは腹ごしらえにと、駅前の建物に入っているお店で富山特有の真っ黒いラーメンをば。
強烈な見た目に反してあっさりとした優しいお味で、スルスルッと美味しくいただきました。
先ほど、移動は徒歩で済むと書いたばかりですが、実は市街地中心部からやや外れた場所に行ってみたいお寺があったため、切符を買って富山地方鉄道へ。
すると、なんだかずいぶんと見覚えのある車体がホームに入ってきたではありませんか。
これはどう見ても、おなじみの田園都市線(なお、店主は生まれも育ちも田園都市線沿線です)。
調べてみると、ここ富山地方鉄道では役割を終えた田園都市線の車体を流用してくれているとのことでした。
10分ほど電車に揺られ、古刹・金乗坊へ。
1945年の富山大空襲は街の99.5%を焼き盡し、そのため、歴史あるお寺はじめ昔ながらの古い建物はこの街にはほぼ残っていません。
富山の街は全体的に道が広くて整備されているのですが、そうした歴史をわずかでも知っていると、街の見え方も少し変わってくるものです。
さて、そこからは今回のイベント開催地へと徒歩で移動します。
45~50分程度で街の繁華街・総曲輪に到着。
会場である余白社さんは、そのすぐ近くの路地に面しています。
さすがに5回目となると設営も慣れてくるもので、予定通り準備を終え、宿に荷物を置いてイベント本番に備え英気を養うことに。
店主、基本的に旅先での食事に関しては、食べログなどで下調べはしないタイプです。
直感と嗅覚を大事にします。
そんな次第でコクのある店構えに惹かれ入店したお店にて、”きときと”な地魚や地酒をいただき、早くも富山の食の魅力に打ちのめされてしまいました。
翌日、昂奮状態のため早く目が覚めてしまったので、朝の街探検を。
コスト重視で歓楽街である桜木町の安宿をとったのですが、歓楽街といっても、週末の夜ですら横浜や東京、大阪名古屋に較べれば静かなものです。
それでもちらほらと散見される趣深い建物からは、往時の華やかな賑わいが想像されます。
富山の人の奥ゆかしい気質は、相手がカラスであっても変わらないようです。
いきなり実力行使に出るのではなく、まずはきちんと警告して穏便に解決を図ります。
朝の富山城。
総曲輪および桜木町ともすぐ隣りに位置している富山城は、公園でもあり、建物の中でなければ早朝にでも立ち入ることができます。
しかも入場料も不要ときていて、有難い限りです。
とにかく何でも美味しい富山、駅前の立ち食いそばにすら、はっと刮目させられます。
今回の出張ユーフォニカの日程は、偶然にも総曲輪での大々的なコーヒーイベント、TOYAMA COFFEE FESTIVALと重なっていました。
全国から名の知れたコーヒー屋さんが集結したイベントですが、富山に来てまで東京のコーヒーを飲もうとは思わないので、富山のお店の一杯をいただくことに。
雑味がなくすっきりした味わいを愉しみ、さっぱりしたところで、元気よく会場へ向かいます。
会場入口は余白社さん正面エントランスの隣りです。
階段を上って
ドアを開ければ、そこはユーフォニカ富山店(仮)。
過去の会場とくらべ、いちばん仲町台の店舗に雰囲気の近い空間です。
富山での当店の認知度なんてほぼゼロに近く、ほとんどのお客様は余白社さんのご紹介でご来場くださったわけですが、そんな謎の店の提案する未知のブランドの説明でも、多くの方が前向きに話を聞いてくださいました。
そうして気がつけば18時。
いつもながら、出張ユーフォニカは時間の流れが異様に早く感じます。
一日の〆は、ハマっ子として店名が気になるお店にて、炉端焼きとお麦酒を。
不思議な話なんですが、富山の干物は干しているのにずいぶんと瑞々しいんですよ。
溢れ出る旨味にただ呆然となるばかりです。
そして翌日。
現地の方が「富山では”曇り”は”晴れ”と同じ」と仰るほどドンヨリとした土地にしては、ひどく天気が崩れることもなく、穏やかな日を浴びながら最終日を迎えることができました。
すぐ近くの通りではお祭りが開催されており、ステージからご当地アイドルやご当地ラッパーの歌が鳴り響きわたります。
たまたまご来場の方も、わざわざお越しいただいた方もいらっしゃって、いろいろとお話をしていたら、もう終了時刻。
入ったときより出るときの方が、がらんと広く感じるんですよね。
富山では日曜日の夜は空いているお店が少なく、それが余計に寂しさを掻き立てます。
夜が明けて帰郷の日。
早朝に宿をチェックアウトして、「あいの風 とやま鉄道」という何ともロマンチックな電鉄会社の切符を買います。
ニンニン…とホームに入って来たるはハットリくんたち。
そう、ここ富山県は偉大なる藤子不二雄両先生の出身地でもあります。
A先生は氷見の出身ですね。
残念なことに乗るべき電車はハットリくんではなかったのですが、ともあれガタゴトと揺られ、目的地へと向かいます。
とある駅を降りて、向かった先は…
あこがれの日本海。
イベント告知時にも触れたように、店主は生まれて一度も日本海を見たことがなく、死ぬまでに一度はと願っていました。
ついにそれが叶うときがきたわけです。
そのために訪れたここは雨晴海岸。
海、岩、そして雄大な立山連峰を一望できる、富山を代表する景勝地として知られています。
金曜に富山入りし土日を通しても、ここまで空がスコンと抜けるように澄み渡る日はありませんでした。
その流れでこんな素晴らしい景色を見られたのは、もうご褒美も同然です。
道の駅で買ったおにぎりを食べながら展望台でしばらく景色を堪能し、
それでもまだ予約した新幹線には時間が余っていたので、高岡で時間を潰すことに。
高岡は藤子F先生を輩出した街ですが、それにしてはちょっとアピールが弱い気も。
国宝・瑞龍寺や
高岡大仏を巡って、
地元で獲れた旬の寒ブリをよりにもよってヅケにするという罰当たりなご馳走に舌鼓を打ち、
富山駅に引き返して、名残惜しくも立山連峰に別れを告げました。
あらためまして、この機会を与えてくださった余白社さん、そしてご来場いただけましたお客様方、素敵な時間を有難うございました。
いつの日かパワーアップして再訪したいと考えていますので、そのときは是非また宜しくお願いします!