サヨナラCOLOR ~ HAVERSACK/ ヴィンテージメルトンスタンドカラージャケット&ダッフルコート

2021年から4年にわたり、HAVERSACKの冬の定番として愛されてきたヴィンテージメルトンシリーズ。

ブランドの独自企画によって開発された、しっかりとした厚み、コシのある、骨太なメルトンで、その密度ゆえ防風性に優れ、一枚仕立てでありながら真冬にも対応できます。

この生地のほつれにくい性質を活かし、すべてのパーツは敢えて断ち切りのまま使われています。

今年の新色はブラック。

定番のダッフルコートも登場していますが、まずは新型からご紹介することにしましょう。


画像ではいまひとつわかりにくいのですが、たっぷりとした生地使いが大胆なAラインを描くスタンドカラーブルゾンです。

前立てのボタンは水牛の角の削り出しで、その周りには優美なテープ刺繍を施し、武骨さを削ぎ落としました。

袖付けはさながらモモンガの如くアームホールを大きくとったラグランスリーブで、脇にクライミングパンツの股部分よろしくガセットを設けることで、肩回りの可動域を驚くほど拡げています。

裾や袖口の裏をダッフルコートにも用いられているテープ(後述)で補強して、服全体の張りを維持。

こうした、これ見よがしでない丁寧な仕事ぶりが、HAVERSACKが通を唸らせるポイントですね。

HAVERSACKではいつものこととはいえ、着てみるとみないのとでは印象が大きく異なるジャケットですので、是非一度店頭にてお試しいただきたいところです。

お次に、定番のダッフルコート。


可動域の広いガセット付きのラグランスリーブは、先のジャケットと同様です。

フードの裏にはジャケットの裏の補強でも使われていたテープがあしらわれていますが、これは単なる飾りではなく、フードの開きを調節するためのアジャスタとなっています。

トグルとロープは、黒地に映える木と麻紐を採用。

ボタンはスタンドカラージャケットと同じく水牛の角の削り出しです。

大ぶりのパッチポケットの上にはスラッシュポケットが設けられていますが、

このスラッシュポケットには内袋がなく切れ込みのみ、もちろんファストファッションのようなダミーポケットなんかではなく、中に着こんだジャケットなどのポケットに手を入れるためのクラシカルなディテールです。

2021年の初登場時から「ダッフルコートにこんな可能性があったのか」「まったく見たことがない」と多くの賞賛の声を賜り、今回も「待ちに待ったブラック」と悦びの声をいただいています。

が、なんとこのダッフルコートは今季を以て展開を終了してしまうとのこと。

HAVERSACKはバンカラ気質のブランドで、多くの人に愛される型を定番として長く作り続ける道よりも、常にチャレンジすべく茨の道を選び続けてきました。
ハリウッドスターがプライベートで愛用するほどブランドの代表作として知られた丸襟シャツも、現在はレギュラー展開していません。

また来年も新たな傑作を生みだしてくるのでしょうが、このダッフルはひとまず見納めとなります。

週末から急激に冷え込み、こうしたコートもいよいよ出番が近づこうとしていますので、ご用意できるうちにまずはお試しを。

オンラインストアはこちらです→
スタンドカラージャケット ブラック
ダッフルコート ブラック


HOEDオーダー会 開催中!

昨日12/7から12/15にかけて、当店にてHOEDの帽子オーダー会を開催しています。

あらためて、各ラインから提案されているモデルとその詳細をご紹介します。
オーダーをご検討いただくにあたり、ご参考になれば幸いです。

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【HOED HOMME】

HOMMEは、日常的に使いやすい気軽さと、凛とした清潔な佇まいのバランスが持ち味。
当店ではおなじみの存在ですが、実はHOEDのなかではかなり取扱店の少ない、限定的なラインだったりします。

・Sheep suede 6PANEL CAP (long brim)

PRICE ¥20,000-(税抜)
COLOR BLACK/ BROWN/ OLIVE
SIZE FREE(調整可)

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【HOEDMAN】

カジュアルラインのMAN。HOMMEにはない骨太さが魅力です。

・Cow leather 6PANEL CAP

PRICE ¥20,000-(税抜)
COLOR BLACK
SIZE FREE(調整可)

・Cow leather SHORT BRIM CAP

PRICE ¥20,000-(税抜)
COLOR BLACK
SIZE FREE(調整可)

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【HOED MADE IN JAPAN】

MADE IN JAPANは、オーダーメイドおよびカスタムメイド専門ライン。
ですので、こうしたイベントでのみご紹介できます。

•Goat suede 6PANEL CAP

PRICE 単色 ¥22,000-(税抜)/ バイカラー ¥27,000-(税抜)
※約40色よりお選び頂けます
調整ベルト3色
調整金具2色
SIZE FREE(調整可)

・Goat suede 8PANEL HAT

PRICE 単色 ¥22,000-(税抜)/ バイカラー ¥27,000-(税抜)
※約40色よりお選び頂けます。
SIZE 1/ 2/ 3

・Goat suede 5PANEL CAP

PRICE 単色 ¥22,000-(税抜)/ バイカラー ¥27,000-(税抜)
※約40色よりお選び頂けます。
調整ベルト3色
調整金具2色
SIZE FREE(調整可)

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納期は約1か月となる予定です。
ただし、素材の仕入れ状況等により変動する可能性もございますこと、あらかじめご理解願います。

なお、デザイナー氏の次回在店は最終日である12/15を予定しています。

もちろんデザイナー在店日でなくともイベント期間中は当店店主がご対応しますが、作り手と直接会って話がしたい!という方は、是非最終日にご来店ください。


おまえの好きな12月が終わる前に ~ Ithe/ No.78-IO

今週末にはまた一段階冷え込むようですが、そうはいってもまだまだ冬というより晩秋と表現するのが適していそうな今年の師走です。

おそらく本格的な寒さは年明けごろになるのでしょう。

昨今の気象の変化で暑い時期が一年の1/3以上を占めるとなると、昔のようなリズムで季節をとらえながら着るものを変えていくわけにもいかず、少々悩まれている方もいらっしゃるようです。

当店では昨年から、「厚手のアウターで暖を確保する」考え方から、「適度な保温性の軽めのアウター+保温性の高い(あるいは抑えた)ミッドレイヤー」の方向で品揃えを構築しておりまして、この組み合わせの考え方であれば、秋の深まり出すころから真冬、そして春先まである程度対応できると見ています。

もちろん真冬のさなかには強烈に寒い日もありますが、それはもうダウンや厚手のウールなど真冬仕様の外套を引っ張り出せばいい話です。

というわけで、以前であれば秋のみのご提案に収まっていた一枚仕立てのブルゾンが、冬服のひとつのバリエーションとしての役割も担うことになりました。


Itheの新型ジップブルゾンは、フランスのワークウェアのディテールを採り入れながらも新たに現代の都市着として設計された一着です。

適度に肉厚なウールフラノは、オーストラリア産メリノ種のウィナーズ(乳離れしたばかりの時期に採られた羊毛)を用いた上質な糸で織られています。

ラムならでのの艶と柔らかさ、そして成羊ならではの強い弾力性と両者の特徴を備え、これを丁寧に縮絨させることで複雑に糸が絡み合い、凛とした剛性が生まれました。

実はこのブルゾン、Itheのもともとの提案としてはより暖冬にアジャストしていて、厚みを抑えたコットンリネンの清涼な風合いの生地を採用しているのですが、店主が寒さに弱いこともあり、別注によって保温性の高い生地を使ってもらっています。

裏地のない仕立てではあるものの、身幅やアームホールにゆとりをもたせた設計となっているため、中にかなり厚手の服を着込むことが可能です。

ですから秋や春先にはカットソーや薄手のニット、真冬には肉厚なセーターなどと組み合わせるのがよいでしょう。

両脇には大きめのフラップつきパッチポケット、そこに重ねてハンドポケットが設けられています。

収納性を確保しながら手も暖めたい、そんな要望にお応えする、地味ながらうれしい仕様ですね。

アームホールから袖はたっぷりとしたゆとりを持たせてはいますが、袖口をスナップでタイトめに留められるため、手首から腕にかけての冷気の侵入はシャットアウトできます。

こうした細やかな設計が、Itheが「日常の制服」として愛される所以です。

別注につき在庫は多少ご用意しているものの、弊ブログでご紹介を前にすでに店頭ではご好評いただいており、サイズ欠けも時間の問題と思われます。
いますぐ着られる服でもありますし、気になる方はどうぞお早めに。

オンラインストアはこちらです


霧の森となぞの声 ~ .URUKUST

毎度たいへんご好評いただいている.URUKUSTの冬季限定色シリーズ。

今年は、フォググリーン(Fog Green)と名づけられた、穏やかな翡翠色が届きました。

霧がかった森をイメージして調色され、墨田区の工場にて熟練の職人が1枚ずつ手吹きで染色しています。

ご用意した型は5種類。

Key Holder(STK-02)、


Key Case(STK-01)に、


Compact Wallet(STW-05)、


Bifold Wallet(STW-03)、


そしてLong Wallet(STW-01)と、


長年変わることなく高く評価され続けている定番モデルも、色が変わればまた新鮮に映るものですね。

なお、色のみならず革自体も.URUKUSTのオリジナルです。

国産の原皮を使用し植物タンニンで鞣されたのち、べたつきのないオイルで仕上げています。
新品のうちはさらさらとした乾いた質感ですが、使用と経年によってやがてしっとりとした艶を湛えていきます。
この翡翠色も、きっと奥行きのある深い色調へと変わっていくのでしょう。

抜群の使い勝手の良さでも知られる.URUKUSTの革小物です、是非とも日々の生活の御伴として使い込みながら、その美しい成長をお愉しみください。

オンラインストアはこちらです→
STK-02 Key Holder
STK-01 Key Case
STW-05 Compact Wallet
STW-03 Bifold Wallet
STW-01 Long Wallet


白線流し ~ written by/ Deformed coat

今季、久しぶりに仲町台に帰ってきたwrittenafterwardsおよびwritten byですが、お陰様で店頭ではたいへんご好評賜り、ご紹介を前に続々と新作が巣立っています。

面白い傾向として、ブランドをもともと知っていた方より、むしろまったくご存じない方々からの人気が高く(オンライン以上に店頭での反応が好いのもそのあらわれでしょう)、それは服自体の力があればこそ。

このコートもまた、何の予備知識なくとも袖を通せばたちまちその魅力をご理解いただける一着です。


コートでは珍しい細ボーダー柄は、ノートや手帖の罫線をモティーフとしています。

「あとがき」「追記」を意味するwrittenafterwardsらしい着眼点ですね。

この生地は富士吉田の機屋さんと共同開発したもので、ウールとアルパカ、ナイロン、そしてキュプラをブレンドという、これまた少々変わった組成です。

ループ糸による立体的な質感が何ともチャーミングで、実用面で見ても一枚でコートに使えるほどの厚みと軽快なしなやかさを併せ持っています。

コート自体も”Deformed”の名の通りパーツやディテールが大胆に誇張されたデザインです。

赤ちゃんの涎掛けに着想した大ぶりのチンストラップに、ミリタリー由来の意匠でありながら徹底的に換骨奪胎したビッグサイズのエポレット。

短めの着丈とたっぷりとした身幅のバランスは、ポンチョを聯想させます。

ポケット口もコートの大きさに対して存在感のあるサイズ感です。

こうして単体で見るとちょっと癖の強い服のようですし、実際決して普通とは言い難いものの、いざ袖を通してみるとたいへんに可愛らしいコートで、また不思議なほど汎用性にも優れています。

また、服自体の個がはっきりしている一方で、着る人の個を決して拒絶することもなく、自然と引き立ててくれます。

オンラインストアには出してはいますが、正直なところ画面越しではなかなか判断しづらいコートだとは思いますので、是非一度店頭にてお試しください。
ここまで足を運ぶだけの価値はありますよ。

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HOED 帽子オーダー会開催のおしらせ

あっという間に11月も終わりを迎えつつあり、晩秋と入れ替わるように冬の気配が少しずつ色濃くなってきました。

冬の装いといえばコートやセーター、あるいはマフラーや手袋…それらは言うまでもないとして、帽子も魅力的なオプションです。

というわけで、12/7~15にかけてHOEDの帽子のオーダー会を開催することが決定致しました。

HOEDでは帽子の雰囲気や販売方法などによってブランドを分けておりまして、当店で定番的に展開しているHOMME、以前のイベントでも少しばかりご覧いただいたMAN、そして当店では初のお披露目となるMADE IN JAPANの3ラインから、それぞれお好みやご要望に合わせてお選びいただくこととなります。

各ブランドから提案されているモデルとその詳細は、下記の通りです。

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【HOED HOMME】

HOMMEは、日常的に使いやすい気軽さと、凛とした清潔な佇まいのバランスが持ち味。
当店ではおなじみの存在ですが、実はHOEDのなかではかなり取扱店の少ない、限定的なラインだったりします。

・Sheep suede 6PANEL CAP (long brim)

PRICE ¥20,000-(税抜)
COLOR BLACK/ BROWN/ OLIVE
SIZE FREE(調整可)

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【HOEDMAN】

カジュアルラインのMAN。HOMMEにはない骨太さが魅力です。

・Cow leather 6PANEL CAP

PRICE ¥20,000-(税抜)
COLOR BLACK
SIZE FREE(調整可)

・Cow leather SHORT BRIM CAP

PRICE ¥20,000-(税抜)
COLOR BLACK
SIZE FREE(調整可)

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【HOED MADE IN JAPAN】

MADE IN JAPANは、オーダーメイドおよびカスタムメイド専門ライン。
ですので、こうしたイベントでのみご紹介できます。

•Goat suede 6PANEL CAP

PRICE 単色 ¥22,000-(税抜)/ バイカラー ¥27,000-(税抜)
※約40色よりお選び頂けます
調整ベルト3色
調整金具2色
SIZE FREE(調整可)

・Goat suede 8PANEL HAT

PRICE 単色 ¥22,000-(税抜)/ バイカラー ¥27,000-(税抜)
※約40色よりお選び頂けます。
SIZE 1/ 2/ 3

・Goat suede 5PANEL CAP

PRICE 単色 ¥22,000-(税抜)/ バイカラー ¥27,000-(税抜)
※約40色よりお選び頂けます。
調整ベルト3色
調整金具2色
SIZE FREE(調整可)

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納期は約1か月となる予定です。
ただし、素材の仕入れ状況等により変動する可能性もございますこと、あらかじめご理解願います。

12/7と15の2日のみ、HOEDデザイナー氏も在店されますので、細かいご相談などご希望であれば、是非その日にご来店ください。

このデザイナー氏、氏名も顔も素性も非公表ですが、べつに気難しいわけではなく単にシャイなだけの好漢ですので、どうぞご安心を。

皆様のお越しを、心よりお待ちしております!


仲町台に帰ってきました

今年最後の出張ユーフォニカを無事終え、再び仲町台での日常が戻ってきました。

遠いようで意外と近い富山、東京駅から新幹線に乗って2時間少々で到着します。

それでいて近いようで意外と遠い富山、街の雰囲気や空気は南関東とはまるで異なりますね。

路面電車が有名ですが、コンパクトシティを謳うだけあり街自体がきゅっと小振りな設計のため、結局一度も利用することなく市街地内の移動は徒歩で済んでしまいました。

お昼に到着したのでまずは腹ごしらえにと、駅前の建物に入っているお店で富山特有の真っ黒いラーメンをば。

強烈な見た目に反してあっさりとした優しいお味で、スルスルッと美味しくいただきました。

先ほど、移動は徒歩で済むと書いたばかりですが、実は市街地中心部からやや外れた場所に行ってみたいお寺があったため、切符を買って富山地方鉄道へ。

すると、なんだかずいぶんと見覚えのある車体がホームに入ってきたではありませんか。

これはどう見ても、おなじみの田園都市線(なお、店主は生まれも育ちも田園都市線沿線です)。

調べてみると、ここ富山地方鉄道では役割を終えた田園都市線の車体を流用してくれているとのことでした。

10分ほど電車に揺られ、古刹・金乗坊へ。

1945年の富山大空襲は街の99.5%を焼き盡し、そのため、歴史あるお寺はじめ昔ながらの古い建物はこの街にはほぼ残っていません。
富山の街は全体的に道が広くて整備されているのですが、そうした歴史をわずかでも知っていると、街の見え方も少し変わってくるものです。

さて、そこからは今回のイベント開催地へと徒歩で移動します。
45~50分程度で街の繁華街・総曲輪に到着。

会場である余白社さんは、そのすぐ近くの路地に面しています。

さすがに5回目となると設営も慣れてくるもので、予定通り準備を終え、宿に荷物を置いてイベント本番に備え英気を養うことに。

店主、基本的に旅先での食事に関しては、食べログなどで下調べはしないタイプです。
直感と嗅覚を大事にします。

そんな次第でコクのある店構えに惹かれ入店したお店にて、”きときと”な地魚や地酒をいただき、早くも富山の食の魅力に打ちのめされてしまいました。

翌日、昂奮状態のため早く目が覚めてしまったので、朝の街探検を。

コスト重視で歓楽街である桜木町の安宿をとったのですが、歓楽街といっても、週末の夜ですら横浜や東京、大阪名古屋に較べれば静かなものです。

それでもちらほらと散見される趣深い建物からは、往時の華やかな賑わいが想像されます。

富山の人の奥ゆかしい気質は、相手がカラスであっても変わらないようです。
いきなり実力行使に出るのではなく、まずはきちんと警告して穏便に解決を図ります。

朝の富山城。

総曲輪および桜木町ともすぐ隣りに位置している富山城は、公園でもあり、建物の中でなければ早朝にでも立ち入ることができます。
しかも入場料も不要ときていて、有難い限りです。

とにかく何でも美味しい富山、駅前の立ち食いそばにすら、はっと刮目させられます。

今回の出張ユーフォニカの日程は、偶然にも総曲輪での大々的なコーヒーイベント、TOYAMA COFFEE FESTIVALと重なっていました。

全国から名の知れたコーヒー屋さんが集結したイベントですが、富山に来てまで東京のコーヒーを飲もうとは思わないので、富山のお店の一杯をいただくことに。

雑味がなくすっきりした味わいを愉しみ、さっぱりしたところで、元気よく会場へ向かいます。

会場入口は余白社さん正面エントランスの隣りです。

階段を上って

ドアを開ければ、そこはユーフォニカ富山店(仮)。

過去の会場とくらべ、いちばん仲町台の店舗に雰囲気の近い空間です。

富山での当店の認知度なんてほぼゼロに近く、ほとんどのお客様は余白社さんのご紹介でご来場くださったわけですが、そんな謎の店の提案する未知のブランドの説明でも、多くの方が前向きに話を聞いてくださいました。

そうして気がつけば18時。
いつもながら、出張ユーフォニカは時間の流れが異様に早く感じます。

一日の〆は、ハマっ子として店名が気になるお店にて、炉端焼きとお麦酒を。

不思議な話なんですが、富山の干物は干しているのにずいぶんと瑞々しいんですよ。
溢れ出る旨味にただ呆然となるばかりです。

そして翌日。

現地の方が「富山では”曇り”は”晴れ”と同じ」と仰るほどドンヨリとした土地にしては、ひどく天気が崩れることもなく、穏やかな日を浴びながら最終日を迎えることができました。

すぐ近くの通りではお祭りが開催されており、ステージからご当地アイドルやご当地ラッパーの歌が鳴り響きわたります。

たまたまご来場の方も、わざわざお越しいただいた方もいらっしゃって、いろいろとお話をしていたら、もう終了時刻。

入ったときより出るときの方が、がらんと広く感じるんですよね。

富山では日曜日の夜は空いているお店が少なく、それが余計に寂しさを掻き立てます。

夜が明けて帰郷の日。

早朝に宿をチェックアウトして、「あいの風 とやま鉄道」という何ともロマンチックな電鉄会社の切符を買います。

ニンニン…とホームに入って来たるはハットリくんたち。

そう、ここ富山県は偉大なる藤子不二雄両先生の出身地でもあります。
A先生は氷見の出身ですね。

残念なことに乗るべき電車はハットリくんではなかったのですが、ともあれガタゴトと揺られ、目的地へと向かいます。

とある駅を降りて、向かった先は…

あこがれの日本海。

イベント告知時にも触れたように、店主は生まれて一度も日本海を見たことがなく、死ぬまでに一度はと願っていました。
ついにそれが叶うときがきたわけです。

そのために訪れたここは雨晴海岸。

海、岩、そして雄大な立山連峰を一望できる、富山を代表する景勝地として知られています。

金曜に富山入りし土日を通しても、ここまで空がスコンと抜けるように澄み渡る日はありませんでした。
その流れでこんな素晴らしい景色を見られたのは、もうご褒美も同然です。

道の駅で買ったおにぎりを食べながら展望台でしばらく景色を堪能し、

それでもまだ予約した新幹線には時間が余っていたので、高岡で時間を潰すことに。

高岡は藤子F先生を輩出した街ですが、それにしてはちょっとアピールが弱い気も。

国宝・瑞龍寺や

高岡大仏を巡って、

地元で獲れた旬の寒ブリをよりにもよってヅケにするという罰当たりなご馳走に舌鼓を打ち、

富山駅に引き返して、名残惜しくも立山連峰に別れを告げました。

あらためまして、この機会を与えてくださった余白社さん、そしてご来場いただけましたお客様方、素敵な時間を有難うございました。

いつの日かパワーアップして再訪したいと考えていますので、そのときは是非また宜しくお願いします!


出張イベント開催に伴う臨時店休日のおしらせ

すでに告知しておりますように、今週末は富山・総曲輪にて出張ユーフォニカが開催されます。

そのため、明日から来週月曜日(11/22~11/25)の4日間にわたり、仲町台の実店舗は店休日となりますのでご注意ください。
(なお、オンラインストアのご注文は店休期間中でも平常通り承ります)

ご不便をおかけしますが、どうぞ宜しくお願い致します。


ふたりはともだち ~ handson grip/ Fam+

さていよいよ今週末の土日(11/23~24)は富山での出張ユーフォニカ

おそらく横浜よりだいぶ寒いのであろうと想像しながら、提案商品だけでなく自分自身の防寒対策としても手袋を用意しました。

当店で手袋といえば、まずやはり最初に名が挙がるのがおなじみhandson gripですよね。

このブランドとのおつきあいも、気がつけば10年目。

今年の6月に東かがわにある直営店のUNWASTEDをお借りして出張ユーフォニカを開催したのも、ついこのあいだのことのように思い出されます。

そのUNWASTEDのすぐ近くにはオフィス件工場がありまして、イベントの前日には工場見学をさせていただいていました。

手袋に使う革や

適切な部位を見定めながらパーツを裁断する様子、

片手でピンセットを使いながら緻密に縫い上げていく姿など、

ひとつの手袋が何人もの職人さんの手を経て美しく完成していく様子は、たいへんエキサイティングです。

率直に申し上げてふだんなかなか想像できない、縫いあがった手袋を型に嵌め熱処理して整える工程も、

そのビフォーアフターを並べてみれば、いかに大事なことなのか理解できます。

あらためて、サングローブの皆さん、有難うございました!

さて、こうして生まれた手袋は、今年の秋にももちろん入荷しています。

工場の様子もご覧いただいたところで、毎年人気の定番Fam+をあらためてご紹介しましょう。

handson gripらしさがぎゅっと詰まった、ごくシンプルなようで実はなかなか面白いハイブリッド感覚の手袋です。

表面には神戸牛を原皮とするソフトレザーを採用。

なんと革でありながらウォッシャブルでして、手洗いが可能というのはうれしいところ。

スポーツ用、アウトドア用の手袋を多く手掛けてきたメーカーならではの立体的な構造で、そのパーツ構成を以てドレッシーともアクティブともいえる絶妙なバランスにまとまりました。

なお、脱着する場面が多い都市生活での使用を想定しているため、ショート丈で設計されています。

ライニングには高機能フリースPOLARTEC Classic100が用いられています。

その薄さと柔らかさゆえレザーのしなやかさを妨げることがなく、スマートな雰囲気を残しながら、より高い保温性を実現しました。

と、実は見るほどに細部まで入念にデザインされているのが理解できる手袋です。

品質もデザインも独自性も、どれもこれも妥協できない、そんな方は是非一度ご検討ください。

オンラインストアはこちらです→
Fam+ ブラック/ タン


11月のエイプリルフール ~ EEL Products/ NOVEM JACKET

商品名がユニークなことでも知られるEEL Productsですが、近年はその仕掛けがだいぶ凝ってきていまして、ときには巧妙な婉曲表現を解き明かさないとその真意に辿り着けません。

「9月(NOVEM)から着て欲しいジャケット」

資料に書かれていたこの説明文もまた、古代ローマの暦法とラテン語にまつわるちょっとした知識が試されます。

言うまでもなく英語で9月はSeptember、Novemberは11月ですが、ややこしいことにNovemはラテン語では”9″を意味します。

古代ローマ時代初期のロムルス暦では、1年は軍神マルスに由来するMartiusから始まる10ヶ月 (304日=8日/週×38週) からなり、残りの60日は冬眠の期間としてカウントしないという、実に変則的な仕組みでした。

不具合の多い暦法だったためのちにヌマ暦に改正され、1年は12ヶ月区切りに。
その後現代の暦のベースとなったユリウス暦に移るわけですが、そこに至るまでの度重なる改定を経て、このMartiusがいまの英語のMarch、すなわち現代の3月にあたる位置となりました。

すなわち、NovemはMartiusから数えて9番目、つまりロムルス暦に於ける9月です。

暦法が変わっても月の名前が変わらなかったため、このようなこじれた事態になるわけですね(ちなみに、Octoberも同じ理由で10月なのに”8″だったりします)。

というわけで、ロムルス暦の9月にあたる現代の11月、つまりNovemberがこのジャケットの活躍しはじめる時期です。


ジャケットのようなショートコートのような、不思議なハイブリッド感が魅力的なこの上着は、軽く暖かいブランケット調のウールの生地で仕立てられています。

コットンの裏地が張られており、防風性もじゅうぶんです。

前立てのすべてのボタンを留めることでスタンドカラージャケットのようにも活用できます。
急に寒くなったときや、冷たい風が吹くときなどは助かりますね。

肌に触れやすい襟周りや袖口には、着心地をまろやかにすべく柔らかいコーデュロイが配されました。
デザイン上のポイントだけに終わらない、効果的な素材使いです。

男性用として仕入れはしましたが、柄と配色もあってか、店頭では想像以上に女性からの人気も高いジャケットです。
実際、ちょっとゆったりした感じでばさっと羽織ると、とても可愛らしい雰囲気になります。

天気予報によれば、来週からはますます秋が深まるとのこと。
このジャケットが、季節を愉しむ一助となれば幸いです。

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