しつこいようですが、開発側の思惑はさて置き、店主はBACHというブランドに’90年代の趣を強く感じています。
特にこのTRACERは、形状といいファスナーの具合といい往時のOverlandの現代版ではないかと錯覚すらしてしまいます。
Overland、ヴィンテージ界でも今一つ不人気と聞きますが、ハイテクでもローテクでもない不器用な立ち位置がなんとも魅力的で、昔から大好物なんですよね…
もちろんこれはれっきとしたBACHオリジナルに間違いありません。
Overland云々は店主の一方的解釈による戯言、言いがかりのようなものです。
白眉なのは、常時は底部の隠しポケットに収納されているネット。
これを引っ張り出して外部に装着すると、雨具やヘルメット等を収めるのに便利なポケットになるというギミックです。
その機能が必要なければまた収納することで、外見上もすっきりし通常の使用も行いやすくなります。
背面のウレタンパッドは、しっかり形状を保持しつつも適度に背中に吸い付く、固すぎずも柔らかすぎないものを採用しています。
適切な位置で背負って両肩のスタビライザーを引けば、ショルダーハーネスがより立体的になり、バックパック全体がしっかりフィットします。その結果、重さによる疲労や肩の痛みが軽減され、より長距離の快適な移動が可能となる訳です。
27リットルという容量は日常使いから一泊程度まで対応できる大きさです。また、SHIELD22では収められなかったノートPCも問題なく入れることができます。
30リットル未満のモデルはアウトドアブランドでもあまり本腰を入れないケースが多く(日帰りサイズだから高機能は必要ないということでしょうか?)、ここまで作りこみ、且つルックスも優れたものはなかなか見当たりません。
TRACERはBACHのラインナップの中では比較的地味な存在ですが、きちんと設計された、バックパックらしいバックパックです。是非一度、お試しを。
オンラインストアはこちら→ BACH TRACER