考える人 ~ THINKWOOL/ TW FUSION TEE SS

先日、Twitterなどで男性の「清潔」と「清潔感」の違いについてさまざまな言説が飛び交っていました。

「清潔」は公衆衛生、「清潔感」は他者への礼節、ではないかと思うのですが、どちらもあまり厳しく追及してしまうと、経済格差や体質、差別の問題などに抵触してしまうので、個々なるべく努めていきましょうね、くらいに着地させるのがいちばん穏当でしょうね。

ともあれ、そうしたトピックが浮上するのは、やはり汗のにおいなどが目立つ季節だからかも知れません。

7月に較べてほんの少しばかり落ち着いたような気もするとは言え、相変わらずの破壊的猛暑。
多少上がったり下がったりしながらも、この暑さはまだもうしばらく続きそうです。

汗のにおいとともに、とくにこの時期気になるのが、生乾き臭ではないでしょうか。
これは洗濯で落ちきれていない汚れに雑菌が涌いてしまうのが原因ですから、柔軟剤や芳香剤の強い香料で上塗りすると、消えるどころかさらなる悪臭に繋がってしまいます。

予防策としてはまずはしっかり汚れを落としきること、あるいは、臭いの発生しにくい素材を選ぶこと。

後者の筆頭が、ウールです。

天然の抗菌性に加え、コットンの3倍以上の吸水放湿性をもち、汗をかいてもべたつかずさらさらした状態を維持します。

ウールと聞くと秋冬向けとイメージされる方は多いのですが、熱伝導率が低いため実は通年で活躍する素材でして、登山でも真夏の縦走などでその臭いにくさから肌着が重宝されたりしています。

そんなウールの可能性を追求すべく今季スタートしたのが、このたびご紹介するTHINKWOOL(シンクウール)。

スイスのメリノウールウェアメーカー、日本国内屈指の毛織物メーカー、そして京都のディレクションチームによって手掛けられた、スペシャリストたちによるスペシャルなウール専門ブランドです。

その第一弾となるのは、いますぐに着られる半袖のTシャツ。


素材の特徴をノイズなく満喫できるよう、ごくごくシンプルなデザインにまとめられています。

襟裏のブランドネームは、着心地を損ねる可能性のある織タグでなく、プリントです。

その代わり袖につけられたロゴタグも、主張せず控えめに。

裾には軽くスリットが。

ここで採用されているのはリラックスウールと名付けられた編み生地で、メリノウールのやわらかな肌触りと抗菌性、それにポリエステルの耐摩耗性、強靭さを掛け合わせています。
また、ウール特有のチクチク感が苦手な方にも配慮され、肌当たりはとてもマイルドです。

さらに家庭での洗濯も可能ですので、気兼ねなくお使いいただけます。

スペシャリストたちがウールについて考えに考えた結果、化学繊維とのハイブリッドという結論に達し、こうしてウールの長所だけを引き出した服が生まれました。

このブランドからは今後も新作が入荷する予定ですが、まずはTシャツからお見知りおきを。

オンラインストアはこちらです


営業日時変更のおしらせ

下記の通り、一部営業日時が変更となります。
ご不便をおかけしますが、どうぞ宜しくお願い致します。

8/9(金) 12:00-20:00 → 15:00-20:00
8/10(土) 12:00-20:00 → 12:00-18:00
8/15(木) 12:00-20:00 → 臨時休業日

夏季休業には8/15が該当し、お盆期間中のそれ以外は平常通り営業致しますので、ふだんなかなかご来店が難しい方も連休を活かしてお越しいただければ幸い至極です。


SWEET 10 BORDERS ~ ORDER BORDER開催のおしらせ

当店の春の風物詩として、毎年親しまれてきたORDER BORDER。

今年はいつもと趣向を変えて、初秋に開催することとなりました。
会期は下記の通りです。

9/14(土)~23(月・振替休日)

なんと、このたび10回目を迎えます…!

当店がオープンしたばかりの、右も左もわからない状況からのお付き合いで、

爾来多くの素敵な思い出が積み重ねられていきました。

ボーダーシャツのオーダーというシンプルなシステムで、年数もさることながらその回数が可能なのは、いつも新しい提案があったからこそ。
もちろん今年も魅力的なラインナップが用意されています。

まず今回のシーズンカラーは、リーフイエロー、アースブラウン、クラウド、アクアの4色。
そこに受注会限定カラーであるワインとダークグリーンが加わり、計6色となります。

基本色が12ありますから、合わせて18色ですね。

また、色だけでなく受注会限定の型として、NAVALのリミテッドモデル(長袖のみ 14,850円)もお選びいただけます。

通常モデルとは異なるリラックスフィットの2サイズ展開で、身頃と袖の色が反転するデザインです。

さらに、超初期からのご愛用者様には懐かしいCLASSICシリーズがMOKUと名を改めて再登場。

柔らかくふわっとした風合いとスモーキーな色調が魅力的な生地です。

こちらも6色展開。

通常のボートネックタイプ(長袖 13,750円、七分袖 13,200円 サイズ5は+1,100円)にレディース限定のリラックスフィットモデル(長袖 13,750円、七分袖 13,200円)、そしてワンピース(長袖 16,500円)をご用意します。

毎回、その選択肢の多さに店頭でも迷われる方が多い(それもまたORDER BORDERの味わい方なんですけどね)イベントですので、会期までの一ヶ月と少しの時間、ごゆっくりプランを練っていただきたいと思います。

10回目につきこの告知では基本モデルや段取りについては割愛しましたが、こちらについてのご質問は、店頭やメールなどでお気軽にお問い合わせください。

G.F.G.S.さんの公式サイトをご覧いただくのもよいでしょう。
こちらではシミュレーションも可能です。

いつもとちょっと雰囲気の違う秋のORDER BORDER、どうぞお愉しみに!


夏草が薫る舗道 微笑みで始まる朝 ~ EEL Products/ conkara shirts 1/2

横浜は関東地方の中でも比較的夏が過ごしやすいところなんですが、それでもきょうは何と最高気温が38度だとか。
38度って、インフルエンザじゃあるまいし。

緑道のおかげで市内でもさらに一段階涼しい仲町台でさえ危険を感じるほどですから、皆様どうぞお気をつけくださいませ。

さて、そんな気温の中服の話をするのも恐縮ながら、真夏用の涼しいシャツの件ですのでどうかご容赦ください。



春にご好評いただいたEEL Productsのconkara shirts、その夏バージョンです。

名前の由来となった小振りの襟(compact collar → コンパクトカラー → コンカラ)が適度な緊張感を保ちながら、

浴衣に使われるような、凹凸感があり肌離れのよい生地が使われることで、昨今の酷暑でもべたつかず快適にお召しいただけるようになっています。

サイズはSとMをご用意していますが、近年のEELらしく実際のサイズ感は表記より1~2段階大きめです。
すなわちS表記でもM~Lに相当する大きさですから、より肌に密着せず、服と体の間に風が通り抜けてくれます。

暑いからって、はだかんぼで出歩くわけにはいきませんし、むしろこの陽射しでは、裸の方が暑さ、もとい熱さの直撃を受けてしまいます。
ならば、涼しい服で切り抜けるのが最適解でしょう。

オンラインストアはこちらです→ ブラウン/ ブルー


あなたがここにいてほしい ~ KAMARO’AN

台湾の東部一帯に居住する原住民アミ族は、客が家に来ると「maro」(座ってください)と挨拶し、その客がおばあちゃんの家に帰れば、おばあちゃんは「kamaro」(ここに座りなさい)と言うそうです。

そして「kamaro’an」は「みんな座らないか」「ここにいろ」、ひいては「住むところ」「生きる場所」を意味するとか。

カマロアン、そんな素敵な響きとメッセージを持つ言葉が、このブランドの本質をそのまま表します。

2013年に、原住民文化研究者1名とデザイナー2名によって、台湾で始まったKAMARO’ANプロジェクト。
原住民族の伝統的な職人技術やその文化的価値を、どのようにすれば若い世代の雇用を生み出せる経済規模にできるかなどを研究するチームとしてスタートしました。

当初は、ブルデューやアドルノの影響から美学と文化の関係性の研究に取り組んでいたようですが、やがて柳宗悦の著作を通して、文化は行動そのものから生まれるものだと気づきます。

2015年からはプロダクトブランドとして始動。

台湾原住民族、特にアミ族の文化と伝統的な手仕事を現代的なデザインに変換し、新たな価値を創造し続けています。

地元の職人と密接に連携し、お互いの特徴を引き出しあってそのものづくりは行われてきました。

そうして原住民族の文化を発展させながら現代社会の経済と繋げることで、原住民の若い世代に雇用を生み出し、それによってコミュニティを離れてしまった先住民の若者たちが故郷に戻り、定住する機会を創出できる(まさに”KAMARO’AN”)…それがブランドの大きな目的です。

この背景を文面から受け取ると、ややもすれば土っぽい、言葉を選ばずに表現するならば、垢抜けない、野暮ったいものを聯想するかも知れません(事実、同じようなアプローチでそこに陥ってしまうケースは世に少なくありません)。
が、KAMARO’ANのプロダクトの大きな特徴のひとつは、高度に洗練された知的なデザイン。

ただ伝統文化を踏襲しているわけでも、表層だけ置き換えているわけでもない、かといって元の特徴を殺してまでクールでモダンなものにまとめない、そのバランス感覚が卓越しています。

さてこの夏、台湾から届いたその素晴らしいプロダクトの数々を、一挙にお見せすることにしましょう。

まずは小振りのバッグ、Woven Triangle Bag 36。

手持ちにちょうどいいサイズです。

特徴的な三角形の形状は、日本の植民地だった時代に米を運ぶのに使われていたあづま袋から着想されています。

一本の革紐を編んで作ったレザーのハンドルは、横にずらすとキャンバスの持ち手にある2つの隠しボタンが現れ、取り外しが可能です。

こういった気遣いは、本体のキャンバスの汚れを洗い落とすときに助かりますね。

とはいえ、このキャンバスは撥水加工がかけられており、比較的汚れにくい生地です。

また、内側には樹脂コーティングを施し、バッグ自体の剛性を高め、経年変化による型崩れを軽減しています。

このバッグを二回りほど大きくしたのがWoven Triangle Bag 58です。

こちらは肩掛けにも使える大きさとなっています。

また、この大きさを活かし、外側片面には文庫本がちょうどすっぽり収まるポケットが設けられました。

本体の収容力も高く、A4サイズの本と13インチのノートパソコンが収納できますので、お仕事用のバッグとしてもお薦めです。

Woven Lid BagはTriangleとはまた異なるアプローチのレザーバッグ。

Kopid(コピッド)と呼ばれるアミ族の道具入れをアレンジし、イタリアで鞣された上質なベジタブルタンドレザーで作られています。

コピッドは汎用性が高く、狩猟道具を入れる箱としてのみならず、ときには農作業や外出時のためにご飯を入れておく弁当箱としても用いられていました。

手編みの輪を通して肩掛けストラップによって連結された上蓋と下蓋の形状は、ボタンも金具もなかった時代ならではの、よく考えられた機能的な設計です。

このアミ族の知恵が、長財布やスマートフォン、こまごまとした小物を収納できる現代のバッグとして生まれ変わりました。

お次は小物を。

カードケースと

ペンケースは、

折紙に着想して設計された一枚革のケースに

籐の如く革を編んだバンドを組み合わせ、蓋をしっかりと固定する構造となっています。

最後は長財布。

ちゃんと日本のお札も入ることは、展示会で確認しました。

片方がフラップ、片方が収納部分、でなくどちらも好きに用いることができるシンメトリーなデザインが実にユニーク。

カードとコインの収納部分が独立しており、これを好みや利き手などに合わせて本体左右のスリットにドッキングして使用します。

財布としてのみならず、パスポートケースとしても使用でき、旅先でパスポートや紙幣、領収書、カードなど大切なものを収納するのにも役立ちそうですね。

これらの小物もWoven Lid Bag同様イタリア製ベジタブルタンドレザーで作られていますので、使い込んでいくと深い艶を湛え、手にしっとりと馴染んでくれます(なお、Triangleのハンドルも同じ革です)。

展示会ではデザイナーのユンさんと工芸師のソーマ”ミサコ”さんが来日されていて、お二人とゆっくりお話しする機会があり、多くの資料の写真も撮らせていただいたので、もっとここで伝えられることはあったのですが、なぜかそこで撮影した写真のデータがまるごと消失してしまい、詳しい背景や小話は店頭で…となってしまいました。

(その場でソーマさんが編んでお土産にくれたバングル)

ただ、そうした情報を抜きにしても最高に魅力的な品々です。
デザイン大国台湾の実力を、どうぞご堪能ください。

オンラインストアはこちらです→
Woven Triangle Bag 36 ブラック/ オールブラック
Woven Triangle Bag 58 ブラック/ オールブラック
Woven Lid Bag チェスナット/ ブラック
Woven Card Case ブラック
Woven Pen Case ブラック
Woven Passport Wallet ブラック


真夜中のカーボーイ ~ Post Production/ Western-Belt

気がつけばあれからすでに3ヶ月経ったようですが、4月のオーダー会も記憶に新しいPost Production。

メインアイテムである靴は言うに及ばず、小物にも定評のあるブランドで、昨年は手袋がたいへん好評でした。

そして今季新たにベルトの展開を開始、その第一弾が先日届いています。

毛を残して鞣したカウレザーの地の色をそのまま活かして製作されたウェスタン調ベルトです。

この迫力のある素材をウェスタン調にとなると、華美になるのも当然ですが、そこはPost Production。

ベルト自体を細長く設定し、意匠を抑制した金具を用いることで、武骨さや派手さのない、落ち着いた上品なデザインにまとめられています。

穴数が多い(7穴)ため、1サイズ展開ですが男女問わず使用可能です。

巻く人の個性次第で、多彩な表情を見せてくれそうですね。

ここまで極端に暑い日が続くと、服もとにかく涼しいもの以外目に入らなくなってしまいがちですが、無理なく装いにひと変化をつけられるこうした小物を採り入れてみるのも、夏の一手として乙なものではないでしょうか。

オンラインストアはこちらです


きっと夏 ~ K.ITO/ リネンラグランハーフスリーブシャツ

本日、短い梅雨が終わりを告げたそうでして、それも宜なる哉、茹だるような蒸し暑さはまさに真夏のそれです。

となれば、ますます半袖シャツの需要は高まるばかり。

開放的な設計のリネンシャツの快適さは、いまこそ発揮されます。




昨年秋、今年の春に続くK.ITOのラグランスリーブシャツ、その夏向けの半袖です。

ステッチが表に出ないよう袋縫いにされたラグランスリーブは、シャツにしてコートのようであり、ゆえにシャツとしては言うまでもなく、夏の上着としてTシャツやタンクトップに重ねて羽織るのもよいでしょう。

肩甲骨から前に向かう動きに対応すべく、背面には深いプリーツが設けられました。

背中の真ん中だけに襞が設けられているため、運動性は確保しつつもシャツのシルエットがIラインから崩れません。
通常はAラインにまとめるところですが、ここにデザイナーの井藤さんの美意識が見て取れます。

全体的にゆとりをもった風通しの良い形状で、また用いられているリネンの素材自体が焼けた肌にも優しい柔らかさですから、これから始まる灼熱の日々にきっと心強い味方となってくれるはずです。

袖を通せば体が納得するK.ITOの熟練の服作り、この夏も是非お確かめください。

オンラインストアはこちらです→ ブラック/ ネイビー/ サックスブルー


普通の旋律で ひねらない言葉で ~ .URUKUST

当店で革小物といえばまず名が挙がるのが.URUKUSTでしょう。

構造からデザインされたがゆえの抜群の使いやすさや毎年提案される限定色の美しさなど、多くのお客様から高く評価され、不動の地位を築いています。

ところが、これは店主自身も気付いていなかったんですが、定番モデルの定番色という当たり前の存在が、ずっと欠けたままだったようです。

売り切れてそのままというのもあれば、一度も入荷したことがなかったものもあり(もちろんブランドとしてはずっと展開しています)、これは手落ちでした。

というわけで、このたび基本に立ち返り、定番モデルのブラックとオークがようやく店頭に並ぶこととなりました。

店主自身も愛用している長財布Long Wallet。


豊かな収容力を備えながらも、

そのパーツの少なさゆえ大量のお札やカードを入れてもほぼ膨らまないのが特徴です。

このLong Walletと人気を二分するのが折財布のBifold Wallet。


Long Wallet同様に最小のパーツ、最小の縫製箇所でつくられているとは思えぬほど機能性に優れ、

1アクションで目的(お札、小銭、カードの出し入れ)に到達できるよう設計されています。

容量や機能性よりも携帯性を重視したい方にお薦めなのがCompact Wallet。


手ぶら派や鞄の小さい方には最適でしょう。

旅行時などに使うサブ財布としても活躍してくれそうですね。

ブラック、オークともにバケッタ、オイルドレザー、無染色のベジタブルタンドレザーで構成されており、使い込むとしっとりと手に馴染み、別物のように深い艶を湛えてきます。
そうした経年変化を愉しめるのも、これらの色(に使われている革)の特徴です。

オンラインストアはこちらです→
Long Wallet ブラック/ オーク
Bifold Wallet ブラック/ オーク
Compact Wallet ブラック/ オーク


チープなスリルに身をまかせても ~ EEL Products/ Chee Chee Petiole

先日もお伝えしましたが、当店が長らく使ってきたインスタグラムのアカウントがハッカーに乗っ取られてしまいまして、已む無くアカウントを作り直しました。
改めまして、こちらのフォローをお願い致します。
https://instagram.com/euphonicayokohama

さて、それはそれとしまして店自体は平常通り営業しております。

梅雨明け前とは思えぬ大暴れな猛暑に、すでにグッタリな方も多いとは思いますが、服屋としては極力涼しく快適な夏物衣料をご紹介していくのみ。

近年の夏の高温多湿っぷりはもはや温帯湿潤気候のそれではなく、我が国は亜熱帯気候に属すると称してもあながち間違いとは言えなくなってきました。

それもあって、このところこうした服が多くのお客様の目に留まるようです。


EEL Productsの”Chee Chee(チーチー)”、何とも人を食ったような響きですが、往時のワークウェアをベースとして敢えて「チープにチープに」リデザインしたことからこう名づけられました。

カットソーの工場にてロックミシンを多用して仕立てることで、きちんとしたシャツやジャケットにはない柔らかな軽快さが生まれています。

前にご紹介したmando然り、とくに暑い時期はこのように意図的に簡素につくられた服の魅力が増しますね。

素材はインド綿でしょうか、薄く、風通しのよい生地で、昨今の夏でも快適です。

品名にある”Petiole”は葉柄(ようへい)、すなわち葉と茎を接続している小さな柄状の部分を意味しますが、

言葉遊びの好きなブランドですから、「葉柄(はがら)」とのダブルミーニングと思われます。

先ほど軽くワークウェアと述べましたが、頑強な生地や縫製でそれを表現しているわけではないのは言うまでもなく、たとえばこの左脇に設けられたポケットにそのエッセンスがよく表れています。

ジャケットというよりペインターパンツによく見られる形状のポケットで、よく見るとハンマーループまで設けられています。
もちろんここにハンマーなんて下げたら生地がちぎれてしまいます。
この服のテーマは「チープ」ですから、それも捻くれた(ハンマーループだけに文字通り)ユーモアとしてお楽しみください。

とにかく薄手で、かつたっぷりとゆとりのあるサイズ感ですから、夏の羽織ものとしてもクルーネックのシャツとしても活用できそうです。

徹底的に作り込んだ服の佳さは言うまでもなく、けれどときにはこうした服もそれに代わる魅力を発揮することがあります。
そうした価値観の振り幅をもって評価してみると、服ってさらに面白くなりますよ。

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