よく晴れた冬の朝 おじいちゃんがいて セーターの色に とびこむと ~ Harley of Scotland

年々インポート商品の割合は下がってきてはいるものの、それでも毎年欠かさず入荷しているのが、スコットランド製のニットです。

思えば、かつてスコットランドフェアを開催したことがあるほど同国の雰囲気は当店に馴染みやすく、ひとことでニットと言ってもさまざまなブランドが店頭を彩ってきました。

その初代が、Harley of Scotland。

当店では開店した年とその翌年のみ展開していたため、憶えている方は相当な古参となりますね。

あらためてご紹介しますと、Harleyはスコットランド北東部にて4世代にわたり家族経営でものづくりを続ける、ニット専業工場のブランドです。
1929年創業ですから、あと数年で100周年を迎えることとなります。

シェトランド諸島やイタリアなどから高品質の糸を仕入れ、最新鋭の技術と昔ながらの技法を融合させて適正価格かつ非常に上質なニットを世に送り出しています。

展開当時おつきあいのあった代理店さんとはいまはお取引をしていないためしばらくお休みしていたのですが、また別のインポーターさんを通して、およそ8年ぶりに仲町台に戻ってきました。

さて、古参のお客様でなくとも、このブランドをご存知の方であれば、ほとんどがまず「Harleyといえばシェトランドウールのセーター」と聯想するのではないでしょうか。

しかし、8年ぶりの帰還で、わざわざ安心の定番を、というのも当店らしくありません。

そこで今回選んだのが2種類。

まずはこちら、ラムウールのクルーネックセーター、Crew Neck Lambsです。

糸メーカーのセンスだとは思うのですが、色の調子もその名もまた洒落ていまして、

やや淡めの紫色はSari、インドのサリーの意味でしょうか。

わかるようなわからないようなネーミングではあるものの、素敵な色です。

一方でブルーはKlein。

これはもう間違いなくイヴ・クライン由来でしょう。

どちらも、素材の質の高さゆえ実現できる、すっきりした美しさです。

セーターとしてはごくごくオーソドックスなデザイン、バランスながら、Harleyの特徴として、製造方法は昔ながらにこだわらないこと。

ホールガーメント編機を使用しプログラミングによってまるまる一体ごと編み立てられているため、パーツの接ぎ目が存在しません。

ニットの接ぎ目はリンキング処理するため、どうしてもその部分だけ伸縮性が損なわれてしまうものですが、この製造方法だとすべてが編み組織で構成されていますので、ひじょうにのびやかな着心地となります。

デザインの自由度もまたホールガーメントの強みですが、敢えて何の変哲もないようなスタイルのセーターに取り入れるというのは、自社工場を構えるニット専業ブランドの余裕といったところでしょう。

お次はタートルネックセーターのPolo Neck Dorothy。

こちらはメリノウールに10%のカシミアを混ぜた糸を使用しており、暖かさと滑らかな肌触りがタートルネックにぴったり(なお、Polo Neckはイギリス英語でタートルネックを意味します)。

落ち着いたAntracite(炭色)、

クルーネックのKleinに較べやや明るい青Lapis、

目に鮮やかなMagentaをご用意しました。

先のクルーネック同様ホールガーメントによる一体編みで、同じく開放感のある軽やかな着心地です。

どちらも厚みはやや抑えていますので、真冬に限らず秋から長くお召しいただけます。

なお、各モデルともに日本にはあまり入ってきていないサイズ46(代理店資料にも記載されていませんでした)をご用意しているのも、一言添えておかねばなりません。

ジャストサイズ提案中心のトラッド系ショップに扱われることの多いブランドゆえ、体型によっては合うサイズが選べなかった方もいらっしゃるでしょうし、またちょっとゆったりしたリラックスフィットで着たい、という方も少なくないのでは。
この46は、ありそうで意外とない選択肢です。

と、ぱっと見ではわかりにくいところながら、8年ぶりだからこそ組めたラインナップとなりました。

本格的なセーターの季節もいよいよ到来、この機会に是非ともご検討ください。

オンラインストアはこちらです→
Crew Neck Lambs サリ/ クライン
Polo Neck Dorothy アントラチーテ/ ラピス/ マゼンタ


夢色の小さなスプーン ~ ASEEDONCLOUD/ Sankayo jacket

秋から春にかけて、霧の出ている時期だけ開かれる移動式のティーガーデンの話を憶えていますでしょうか。

また一からお話しすると長くなりますので、詳しくは以前の拙ブログをご参照いただくとしまして、そのティーガーデンを主宰する”霧の収集家”がホストとして自ら招待したゲストを前に身に纏うジャケットが、仲町台に届いています。


Foggy woolと名付けられた、独特の凹凸が表情豊かなウールの生地で仕立てられ、

素木のボタンを用いた、幻想的な一枚です。

肌寒い霧の中で防寒性を高めるべく、襟を立てて前立てをすべて閉じることでスタンドカラーのように着ることもできますが、

ここは襟を寝かせて4つボタンジャケットとして着る際の第一ボタンにご注目。

この”HOLD FIRST”は往時のワークウェアおよび子供服に由来する刻印です。

ASEEDONCLOUDデザイナーの玉井さんは、ロンドンに住んでいたころ、古いワークウェアやユニフォームに使われていたジャンク品のようなボタンを蒐集していたそうで、そのなかでとくに気に入っていたのが”HOLD FAST”と刻印されていたボタンでした。

これは単に「(ボタンを)しっかり留めましょう」という意味ですが、とあるマーケットで玉井さんが出会ったおばあさん曰く
「もともとは”HOLD FAST”ではなく”HOLD FIRST”というボタン。子供のユニフォームの一番上に付けられていて、一番最初にこのボタンから留めましょうと言う意味だったのよ」。

実際それから”HOLD FIRST”ボタンを見つけることはできなかったようで、おばあさんの話が本当なのか作り話なのかはわからずじまいですが、その真偽はさして重要ではないでしょう。

ボタンひとつから溢れる豊かな物語、それはASEEDONCLOUDに通じる重要な価値です。

ということで、その旧いボタンから引用したボタンが、ここに用いられています。

さてジャケット自体を見てみますと、肩を落とし、身幅をたっぷりととったチャーミングなシルエットで、いわゆる正統派のテーラードジャケットとは似て非なるものです。

これは、ティーガーデンのホストとして、きちんとした佇まいとともに、臨機応変に対応できるように動きやすく設計されているから。

お茶会が開かれるにあたって、いつ何が必要になるのかわかりません。
自分自身はもちろんゲストにも気まずい思いをさせぬよう、万全の準備が求められます。

そこで内側には、急な事態に備えるために、各種道具を仕込んでおくポケットが設けられました。

左身頃にはスプーンと茶漉し、

そしてお砂糖、

右身頃には砂時計とディッシュクロスを収めることができます。

それぞれのポケットには入れるべき道具名が刺繍されていますから、バタバタしているときも慌てずに済みますね。

身頃にもアームホールにもゆとりがあるため中に着込むことができ、またしっかりとしたコットンの裏地が設けられていますので、より寒い時期にはショートコートとしても活躍することでしょう。

寒冷期に外でお茶会を主宰するときはもちろん、自宅でだれかをもてなすときも、あるいはお茶とは関係ないシチュエーションにも、素敵なひとときを愉しめるジャケットです。

オンラインストアはこちらです


きっといつか なっちゃうんだ運転手さん ~ K.ITO/ ウールブークレカーディガン&ドライバーズ

近年は布帛のものも少しずつ世に出てきて、トータルブランドとしての認知も高まりつつあるK.ITO。

とはいえ、やはり多くの方がこのブランドに対し聯想するのはニットやカットソーといった編物ではないでしょうか。

思えばブランド発足時にも「ニットやカットソーのプロだから、毛糸をもじってケーイトウ(ケイト)」とブランド名にまつわる誤情報が流れてしまうほど、たしかにブランドの顔と言える存在ではあります。

そのなかでも筆頭格である秋冬のウールカットソーのシリーズは、今季もますます冴えわたり、先の認識をあらためて深めてしまいそうです。



今季の提案は、肉厚なウールブークレ。

芯糸に太めのループ糸を撚り絡ませた意匠糸を用いて編み立てることで、独特のポコポコした質感が生まれました。

保温性に優れているのは言うまでもなく、編地ゆえに厚みと軽くのびやかな着心地を両立しています。

この素晴らしい生地を用いて、ベースボールシャツ調のカーディガンを作る、この編集センスがまさにK.ITOです。

胸元のVの開きはやや狭めに、そして着丈がやや長めに設定された縦長のバランスで、実際に袖を通してみるとカーディガンでありながら上着のような雰囲気となります。

ただ縦長にまっすぐ落ちる形状だと腰回りが窮屈になりかねないところ、両脇にはスリットが入り、運動性が確保されています。

なお、そのスリットも、ボタンで開き具合を調節することが可能です。

このブークレの可能性はさらに拡がります。

カーディガンと並び堂々と現れたるは、ドライバーズニット調の新型。



一般的に畦編みのニットで作られることの多いドライバーズニットも、素材が違えばまたがらりと印象が変わるものです。

先述のカーディガンも同様ですが、カットソーならではの強みが遺憾なく発揮されており、両脇に縫い目を設けずぐるりと一枚で囲むような胴回りに、腕を180度上げた状態で裁断された運動性の高い袖が融合。

畦編みの代わりの妥協案としてのブークレではないことが、こうした構造からも伝わりますね。

袖口と裾はリブではなく共生地を採用しスポーティーさを抑え、そのうえでやや窄ませることでフィット感を出しています。

フロントはダブルジップ。

座るときなどに楽なだけでなく、装いにもちょっとした変化がつけられますね。

ファスナーの滑りのよさとしっかりと止まる安定感、こうした副資材の品質の高さもまたK.ITOがベテランの服作りを唸らせるポイントです。

急激に冷え込みが加速して、こうした厚手のウールものも真の魅力が発揮されるようになりました。
いよいよ始まった本格的な秋、そして来たる冬に備え、是非ご検討ください。

オンラインストアはこちらです→
ウールブークレカーディガン ブラック/ ネイビー
ウールブークレドライバーズ ブラック/ ネイビー


ORDER BORDERご注文分が到着しました!

たいへん長らくお待たせしました、9月に開催したORDER BORDERでご注文いただいたボーダーシャツが、全品到着しました。

配送をご希望のお客様は、本日の出荷にて手配致しますので、もう少々お待ちくださいませ。

店頭にてお渡しの方はもういつでもお渡し可能です。
どうぞご都合の宜しいときにご来店ください。

お待ちしております!


秋深き 隣は何をする人ぞ ~ HAVERSACK ATTIRE/ 10G襟付きジップカーディガン

チラリ、チラリとそぶりは見せてもなかなか本腰を入れて始まってくれなかった秋も、近頃はようやくそれらしくなってきました。

カーディガンが重宝する頃合いですね。

いわゆるVネックの、皆様がカーディガンと聞いてまずイメージするものは言うまでもなく、こうした変化球も、意外に使いやすいものです。



深まりゆく秋にぴったりな、ボルドーとマスタードイエローが美しいジップアップカーディガン。

フロントはカーディガンにしては珍しい比翼仕立てで、こうした細かい部分にハバーサックらしい細やかな仕事が光ります。

独特の凹凸感と乾いた肌触りが持ち味のウールの壁糸(強撚の太糸と甘撚りの細糸を合わせ、太糸の撚りと逆の撚りをかけた糸)をふんだんに使用し、ぎゅっと目を積めて編み立てており、見た目以上の保温性を備えています。

通常のカーディガンとしてはもちろん、いまくらいの気温であれば、上着として活用するのもよいでしょう。

ハバーサックらしくクラシカルな雰囲気を愉しむもよし、あるいはまったく違うテイストの服と合わせて新たな魅力を引き出すか、それは着る方次第。

そうした様々なアレンジに対応できる懐の深さは持ち合わせている服です。

オンラインストアはこちら→ ボルドー/ イエロー


気分をかえよう、ビーボブレイク ~ LUNGE/ Vivo Run N

当店では初年度から10年にわたり取扱い続けている数少ないブランドのひとつが、LUNGEです。

総じて地味なルックスの靴ばかりですが、その履き心地は圧倒的。
一度使ってしまうと体が忘れられなくなってしまうのは、ご愛用いただいている皆様ならご存知でしょう。

それほどに優れた技術力を持ちながら、いつまで経っても知る人ぞ知る存在止まりなのは、あくまで目の届く範囲での小規模なものづくりを貫いているから。

生き馬の目を抜く熾烈な競争が日進月歩の技術革新を呼ぶスポーツ用品業界に於いては、まずまず異端な存在と言えます。

そんなLUNGEも、LUNGEなりのペースで、絶えず新しいハイパフォーマンスシューズの研究開発に勤しんでいます。

そうして3年もの時間をかけて集中的に開発プロジェクトを進め、ようやく世に送り出したのが、今回ご紹介するVivo(ヴィーヴォ)です。

Vivoは、音楽用語としては速度記号のひとつで、「活発に」を意味します。

かつてモデル名を音楽用語で統一していたLUNGEが、原点に回帰したようなネーミングですね(個人的には、Classic Walkも旧名のAdagioに戻してほしいところではあります)。

当店ではしばらくウォーキングシューズばかりを仕入れてきましたが、Vivoはランニングシューズで、まさに「活発な」走行を愉しませてくれる一足です。

マイクロファイバーとメッシュのコンビ使いのアッパーは吸排湿性と通気性に優れ、軽さにも一役買っています。

最大の特徴はミッドソール。

独自に開発した素材は、軽く、豊かな衝撃吸収性と高い反発性を備えています。

爪先から

踵まで、流れるような回転運動を促進するような形状になっており、弾むように、前へ、前へ、と、どんどん走らせてくれそうですね。

アウトソールは独立して底面全体をカバーするのではなく、耐摩耗性の高い素材がミッドソールの必要最低限のポイントに補強として配置されているような構造となっています。

これは近年のハイパフォーマンスランニングシューズに多く見られる傾向で、このViVoが最新の感覚に基づいた設計であることを物語ります。

LUNGEを語るうえで欠かせぬFeetalityインソールは当然このモデルでも搭載。

足裏に吸い付くようなフィット感、そして歩けば歩くほど(走れば走るほど)体感できる衝撃吸収性能が持ち味です。

と、いくら御託を並べても実際に履いてみないことにはなかなか伝わらないかも知れません。
是非、店頭にてLUNGEの現在進行形の本気を体感してみてください。

オンラインストアはこちらです→
Vivo Run N グレー×ホワイト


アテンション・プリーズ ~ beta post/ air pillow flight jacket

MA-1をはじめとして、すでにファッションアイテムの定番として多くの人に愛されているフライトジャケット。

しかし言うまでもなくそのデザインの元来の目的は戦闘や爆撃です。

人類の歴史は戦争の歴史でもあり、戦争が文明や科学技術を進化させているという一面はたしかにあるものの、それを手放しで礼讃するのはそれはそれで無邪気に過ぎる気はします。

況や、ガザを例に出すまでもなく、世界規模で対立が激化し、戦争屋が勢力を増してきている昨今ならば。

而して、このミリタリーウェアに対しbeta postが向き合い、導き出したアウトプットは如何なるものでしょう。


それは、戦闘機や爆撃機のパイロットのためでなく、旅客機の乗客のために設計されたフライトジャケットでした。

Super100’sのウールをベースに、若干補強のためナイロンを入れた、上等なライトメルトンで仕立てられています。

アクリルの軽く暖かいボアの襟、

左袖のユーティリティポケットなどに

どことなく、いわゆるフライトジャケットらしさが見て取れるものの、全体の柔和な印象がキナ臭さを完全に消しています。

袖口はリブではなく、スナップボタンで段階的に調節可能。
中に着こむものの厚さに合わせられるのがうれしいところです。

裏地は鮮やかなオレンジ色の微起毛素材で、着心地、防風性、保温性を高めてくれています。

さて、ここまでだけなら何が「旅客機の乗客のため」なのかそこまでピンとは来ませんよね。

そのヒントは、この付属の謎ポンプにあります。

実は先述のボアの襟には、取り外し可能なエアピローが内蔵されていまして、

このポンプでエアピローを膨らませることによって、襟自体が枕と化し、快適な空の旅をお愉しみいただけます。

ユーモアに満ちたアイディアを単なるネタで終わらせることなく、しっかりとファッションとして成立させ、そのうえで見る人着る人に、戦争とは、ミリタリーウェアとは、との思索を促す、これぞまさにbeta post。

服の持つ可能性にはまだまだ終わりがないと、少し希望が持てるような一着です。

オンラインストアはこちらです


サード・アイ ~ moncao

毎年、ごく少数が入荷しては、すっと店頭から姿を消してしまう、それがmoncao。

「オンラインストアやブログで見かけたことはあるけど、いつも実物が店頭にない」
と、よくお客さまからご言われるブランドです。

そんな声にお応えし、この秋はいつもより型数を増やしてみました。

まずは良質なウールジャージーを用いた2ボタンジャケットをご紹介します。


肩パッドも芯も裏地もなく、

胸ポケットは省略され、ポケットは両脇のパッチのみ、袖も筒状と、とても簡素なつくりで、そのため却ってウールジャージーの伸びやかさを存分に味わうことができます。

しかし、その伸びやかさだけがこのジャケットの魅力ではありません。

いざ身に纏ってみるとそこに現れる、立体的で優美な曲線に驚かされるばかりです。

とくに胸元のラペル部分、単体で見るとそこまでは感じないかも知れませんが、着用時にはクラシコイタリアのジャケットを彷彿させるほど豊かな肉感が生まれます。

くわえて、このジャケットと同じウールジャージーを用いたブルゾンもご用意しました。


とくに店頭で実物をご覧いただいたことのある方は、moncaoといえばジップアップブルゾンとご認識されている方も少なくないのではないでしょうか。

毎回デザインや素材は異なるものの、それほどこのブランドが得意としているタイプです。

こちらは先日のジャケットと異なり(おそらくポリエステルの)裏地がついており、さらに寒冷期に対応しやすい一着となっています。

袖口と裾にはゴムのシャーリングが入ってはいるものの、テンションはそれほど強くなく、やや長めの着丈と相まって全体的に縦にすとんと落ちるようなシルエットを描きます。

このスマートなルックスとゆったりとした着心地が見事に両立し、今回もさすがmoncaoと唸るばかりです。

生地違いもまた素晴らしいの一言。


トラディショナルなブラックウォッチ…と思わせて、オンブレチェックなのが憎いですね。

こちらはウールジャージーではなく、より剛性の高い織生地が採用されています。

今回ご紹介している3種類の中で、もっとも防寒性が高いのが、このチェックのものです。

とはいえ本格的な厳冬期のアウターというほどのボリュームはなく、秋から冬にかけて使い勝手の良い具合に収まっています。

どれにも共通して言えるのは、ドレスやトラッドといったいわゆる王道を踏襲しながらも、まったく野暮ったさもなければ保守的な古さも感じさせない、クリーンでモダンな服にまとめられているということ。

これこそがmoncaoの特徴であり、その絶妙なバランス感覚が、目の肥えた当店のお客さまたちに高く評価され続け、「いつも実物が店頭にない」原因となっているのでしょう。

今年もどうぞお早めに。

オンラインストアはこちらです→
wool jersey 2B jacket ブラック
wool jersey zip up blouson ブラック
wool ombre check zip up blouson グリーン×ブラック


GO NORTH! ~ あなたの街のユーフォニカ(富山篇)

店主、そろそろ46歳になろうとしていますが、生まれてこのかた一度も日本海を拝んだことがありません。

そのため日本海側の土地、とりわけ寒い季節のその情景には強いあこがれがあり、その思いは過去に記事として世に出したほどです(記事自体はすでに掲載メディア終了とともに消失していますが)。

しかしながら、いつかは…いつかは…と考えているだけで何が変わるのでしょう。

己の状況を動かすことができるのは、己のみ。

というわけで、恒例の公私混同企画・出張ユーフォニカ、お次の開催地は富山に決定致しました。

開催日時は下記の通りです。
11/23(土) 11:00-18:00
11/24(日) 11:00-17:00

会場としてお借りするのは、富山市は総曲輪の余白社さん。

DIYパーツ、ガーデニング用品、キッチン用品、箒やちりとりといった暮らしの道具、文房具など、ジャンルレスな視点で、時代に流されない普遍的なアイテムと、これからの未来のスタンダードになり得る新しいプロダクトを扱う”ネオ萬屋”です。

お店の2階がイベントスペースとなっていまして、

そこが今回の舞台となります。

〒930-0083
富山県富山市総曲輪4丁目6番4
(富山大和、市民プラザ、ユウタウン総曲輪、レガートスクエアより徒歩2分)
Tel 076-464-3890

なお、駐車場がないため、お車でご来場の方は近隣のコインパーキングをご利用ください。

さて、商品ラインナップは、いつも通りほぼローカライズすることなく横浜の店の特色を持ち込むつもりです。

「そこでしか見ることができない、そこでしか買えない」をテーマとし、現在富山市および周辺地域ではお取り扱いのないブランドを軸にして、メンズ・レディースともに選りすぐりの冬物や小物等をご用意します。

くわえて、たとえば会場で実物を見てみたい、などご要望をいただければ、どんな商品でもお持ちします。
そうしたご希望がございましたら、発送のスケジュールの都合もありますゆえ、できれば11/18までにご連絡ください。

また、このイベントに際し、事前準備等も必要なため、11/22~25の4日間は仲町台の店舗と通販の出荷業務はお休みとさせていただきます(通販のご注文は承ります)。
どうぞご了承願います。

イベントでのお支払いにつきましては、
クレジットカード(一括払い)
または
キャッシュレス決済(楽天ペイ、Paypay、メルペイ、d払い)
のみの対応となります。
(2024/11/11追記:楽天ペイは利用不可となりました)

なお、出張店につき、プレゼント包装は承っておらず、お渡しも紙袋のみの簡易的な形とさせていただきます。何卒ご容赦ください。

個人としても初の地となる北陸で、当店の提案がいったいどう受け止められるのか、不安と期待と好奇心で胸が膨らむばかりです。

富山の皆様、右も左もわからぬ不束者ですがどうぞ宜しくお願い致します!

余白社さんのInstagramはこちら→
1階(雑貨店) https://www.instagram.com/labandlabo/
2階(イベントスペース) https://www.instagram.com/yo_haku_sha/


君が思うよりきっと 僕は君が好きで ~ K.ITO/ ウールギャバジンジップブルゾン&イージーパンツ

曇天続きの10月、さらにイベント続きでもあって、いつもの商品紹介がだいぶご無沙汰となってしまいました。

そのうえ怒涛の入荷ラッシュの時期でもありまして、ご紹介を前に店頭にて巣立ってしまった新作は少なくありません。

コレハイケナイ。

というわけで、ご紹介できるうちにK.ITOの新たな傑作を披露致します。

まずこちらのブルゾンをば。


玄人好みの同ブランドらしく、ぱっと見はそれほど特徴的ではないようで、実はオリジナリティに富んだ一着です。

表地に用いられている生地は、ウールギャバジン。

繊維から鱗状に拡がる表皮を削ぎ落とすオフスケール加工を施すことで、なめらかな質感と黒の深みが増し、さらに生地を薬品に漬け(含浸)、生地の経糸と緯糸が交差することによってできる隙間を埋めることで、凛としたハリが生まれています。

優美さと骨太な強さを併せ持った、素晴らしい生地です。

ブルゾン自体をじっくり見てみますと、冷気が強いときなどに襟をしっかりと立てることができるドッグイヤーカラーも、20世紀半ばのアメリカンスタイルの匂いは一切感じさせず、まるで上等なコートのような仕立て。

着丈がやや長く、すとんと縦にまっすぐ落ちる独特のシルエットで、ダブルジップにすることにより腰をかがめやすくしています。

Aラインにせず肩甲骨周りの運動性を確保するため、背面の中央のみ深くプリーツが設けられました。
ここはラグランスリーブシャツと同様の、K.ITOらしい仕様ですね。

腰や袖口周りのアジャスタ部分も手抜かりありません。

見るほどに発見がある、細かいデザインワークです。

また、このブルゾンと同素材を使用したイージーパンツも登場。


諸事情あってなかなか世に出ませんが、K.ITO、実はパンツ作りもとても上手なブランドです。

サイドシームのない筒状の構造で、着用時、太いストレートシルエットが立体的な円みを帯びます。

面白いのが腰回り。
ウェストサイズがたいへん大きく設計されており、ゴムが入っていません。
ドローストリングをぎゅっと絞って穿く構造です。

そのため、サイズ表記こそ2(Mに相当)ですが、着る人の体型をほぼ選びません。
豊かなおなか周りをお持ちの方でも安心してお試しいただけますし、逆に細身の方が穿くのも面白いと思います。

同素材ですからセットアップでお召しいただくのもよし、もちろんそれぞれ単品でも使いやすいデザインで、秋冬通して長く使えるはずです。

気がつけば11月も目前ですが、秋の始まりが遅い今年は、これからがようやく秋冬服の本番といったところでしょう。

是非ともお試しを。

オンラインストアはこちらです→
ウールギャバジンジップブルゾン ブラック
ウールギャバジンイージーパンツ ブラック