年々インポート商品の割合は下がってきてはいるものの、それでも毎年欠かさず入荷しているのが、スコットランド製のニットです。
思えば、かつてスコットランドフェアを開催したことがあるほど同国の雰囲気は当店に馴染みやすく、ひとことでニットと言ってもさまざまなブランドが店頭を彩ってきました。
その初代が、Harley of Scotland。
当店では開店した年とその翌年のみ展開していたため、憶えている方は相当な古参となりますね。
あらためてご紹介しますと、Harleyはスコットランド北東部にて4世代にわたり家族経営でものづくりを続ける、ニット専業工場のブランドです。
1929年創業ですから、あと数年で100周年を迎えることとなります。
シェトランド諸島やイタリアなどから高品質の糸を仕入れ、最新鋭の技術と昔ながらの技法を融合させて適正価格かつ非常に上質なニットを世に送り出しています。
展開当時おつきあいのあった代理店さんとはいまはお取引をしていないためしばらくお休みしていたのですが、また別のインポーターさんを通して、およそ8年ぶりに仲町台に戻ってきました。
さて、古参のお客様でなくとも、このブランドをご存知の方であれば、ほとんどがまず「Harleyといえばシェトランドウールのセーター」と聯想するのではないでしょうか。
しかし、8年ぶりの帰還で、わざわざ安心の定番を、というのも当店らしくありません。
そこで今回選んだのが2種類。
まずはこちら、ラムウールのクルーネックセーター、Crew Neck Lambsです。
糸メーカーのセンスだとは思うのですが、色の調子もその名もまた洒落ていまして、
わかるようなわからないようなネーミングではあるものの、素敵な色です。
どちらも、素材の質の高さゆえ実現できる、すっきりした美しさです。
セーターとしてはごくごくオーソドックスなデザイン、バランスながら、Harleyの特徴として、製造方法は昔ながらにこだわらないこと。
ホールガーメント編機を使用しプログラミングによってまるまる一体ごと編み立てられているため、パーツの接ぎ目が存在しません。
ニットの接ぎ目はリンキング処理するため、どうしてもその部分だけ伸縮性が損なわれてしまうものですが、この製造方法だとすべてが編み組織で構成されていますので、ひじょうにのびやかな着心地となります。
デザインの自由度もまたホールガーメントの強みですが、敢えて何の変哲もないようなスタイルのセーターに取り入れるというのは、自社工場を構えるニット専業ブランドの余裕といったところでしょう。
お次はタートルネックセーターのPolo Neck Dorothy。
こちらはメリノウールに10%のカシミアを混ぜた糸を使用しており、暖かさと滑らかな肌触りがタートルネックにぴったり(なお、Polo Neckはイギリス英語でタートルネックを意味します)。
先のクルーネック同様ホールガーメントによる一体編みで、同じく開放感のある軽やかな着心地です。
どちらも厚みはやや抑えていますので、真冬に限らず秋から長くお召しいただけます。
なお、各モデルともに日本にはあまり入ってきていないサイズ46(代理店資料にも記載されていませんでした)をご用意しているのも、一言添えておかねばなりません。
ジャストサイズ提案中心のトラッド系ショップに扱われることの多いブランドゆえ、体型によっては合うサイズが選べなかった方もいらっしゃるでしょうし、またちょっとゆったりしたリラックスフィットで着たい、という方も少なくないのでは。
この46は、ありそうで意外とない選択肢です。
と、ぱっと見ではわかりにくいところながら、8年ぶりだからこそ組めたラインナップとなりました。
本格的なセーターの季節もいよいよ到来、この機会に是非ともご検討ください。
オンラインストアはこちらです→
Crew Neck Lambs サリ/ クライン
Polo Neck Dorothy アントラチーテ/ ラピス/ マゼンタ