黒檀の鎧 ~ WILLIAM LOCKIE/ ラムウールシャツカラーカーディガン

例年にくらべやや暖かなこの秋、週末もTシャツ短パン姿の方がちらほら見受けられるほどでした。

しかし今週はいよいよ気温が平年に近づくようで、秋冬衣料の本格的な必要性をひしひしと感じるところです。

暖かな上着はもちろんのこと、適度に保温性が高くそれでいて暑(厚)すぎないニットがあればたいへん重宝することでしょう。

当店では極上ハイゲージニットでお馴染み(つい先日もラズベリーカラーのニットをご紹介しましたね)WILLIAM LOCKIEより、しっかりとした良質のラムウールを用いたミドルゲージのカーディガンが届いています。

カーディガンといっても、首元までしっかりボタン留めができるシャツ襟で、ニット素材のシャツジャケットのような風体です。

両脇にはポケットが設けられています。

ボタン周辺に補強が施されているところはさすが専業メーカー。

全体的にすっきりとしたボリューム感で、もたつきはありません。
サイズは40で一般的なS程度、42でM程度の大きさとなっています。

シャツからクルーネックのTシャツまで、中に合わせるものを意外と選ばないデザインで、軽い羽織りものとしてもコートなどの下に着る中間着としても活躍します。

色は豊富なバリエーションの中から、季節感を引き立てる渋めのエボニー(黒檀)のみを選びました。

ハイゲージニットでその品質に触れた方も、初めてこのブランドに触れる方も、きっとご満足いただけるであろう一枚です。

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かしこも楽しこゝもよし いざ見てめぐれ汽車の友 ~ EEL Products/ SL JACKET & PANTS

元来出不精の気質ではありますが、さりとて外出遠出そのものが厭わしいということもなく。

常に眼前高く聳える金銭的問題の壁さえなければ、実際はいろんなところへ気儘な旅に出たい心持ちはございます。

この季節、こんな出で立ちで、どこか遠いところのローカル線にでも揺られながら。


EEL ProductsのSL JACKETとSL PANTS。

それぞれ昨年春にご紹介したベーカリージャケットおよびサンパンツと同型で、素材を秋冬用に乗せ換えたものです。

ざっくりとしたコットンウールのヘリンボーン素材で仕立てられ、製品洗いによってさらに豊かな表情となりました。

ジャケットは一枚仕立ての軽快なワークジャケットで、ラペルの裏についている第一ボタンを留めれば、アウグスト・ザンダーの写真に登場する往時の労働者を思わせるスタンドカラーとしても楽しめます。

パンツは腰の背面にゴムが通され、ぱっと見の印象以上に気楽な穿き心地となっています。

ざっくりした質感の生地ですのでとくにパンツなど肌触りに不安を感じる方もいらっしゃるかも知れませんが、腰から膝にかけて裏地が設けられています。
どうぞご安心を。

それぞれ単品でもセットアップでも使用可能です。

肩肘張らずに程よく装いを楽しめるこうした服は、さまざまなシチュエーションに於いて自然と出番も増えることでしょう。

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SL JACKET ネイビー
SL PANTS ネイビー/ グレー


見知らぬ国のトリッパー ~ ASEEDONCLOUD/ Persian Gown

Handwerkerの紹介が続いたものの、メインブランドであるASEEDONCLOUDのラインナップも失念するわけにはいきません。

以前述べたように今季のテーマは”Ijujin”。

狼と共に旅をして暮らす獣医の女性(医獣人)が人間や動物たちから伝えられる土地の記憶、および今後定住型から移住型へシフトしていくであろう我々人類(移住人)が学ぶべき、定住を余儀なくされる少数民族たちならではの知恵…

前回は靴下の話でしたので壮大な思想性との結びつきがイメージできなかった方もいるかも知れませんが、この度ご紹介するのはまさにそうした土着的な伝統服から着想した一枚です。

ペルシア人の纏う羽織りものを現代的なガウンコートに再構築した、その名もPersian Gown。

肩を包む大振りの襟は、第一ボタンまで閉めると首をぐるりと布で巻いたような印象を生み出します。

中東の民族衣装を基にしながらそうした匂いを感じさせないのはガウンそのもののデザインもありますが、生地も一役担っているわけです。

wayfarer check cloth(wayfarer=徒歩で移動する旅人)と名付けられたこの撥水ギャバジンは、通常の織機では作れないほど高密度に織られています。
配色はASEEDONCLOUDオリジナルで、とてもやさしく上品な色調でまとめられました。

この高密度生地を表地のみならず裏地にも用いており、かつ間に中綿を挟み込むことで、防風性、保温性のみならず全体的にふわっとしたボリューム感も生み出しています。

細かい部分として面白いのは右ポケット。

HandwerkerのOver Coatと同様の二重構造ですね。
旅人の服とワークウェア、共通する要素があるということなのか、デザイナーの遊び心か…

独自性が強く新鮮でありながらも、おそらく古びることのない、そんな永続性を感じさせる一枚です。

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ラズベリー・ドリーム ~ WILLIAM LOCKIE

当店に於いてはこの時期の風物詩となりつつあるWILLIAM LOCKIEのハイゲージニット。

ロロ・ピアーナ社による細くなめらかな糸ならではのとろみのある肌触りは、一度触れば忘れようにも忘れられません。

発色の美しさもその品質の高さを物語り、毎年当店では糸台帳からこれはという色を選びオーダーさせていただいています。

今年は思い切って一色のみをチョイス、赤みの強いピンクです。

フランボワーズ(ラズベリー)のマカロンやケーキを彷彿させる、鮮やかであってうるさくならない絶妙な色調に唸らされます。
ということで、去年のアプリコット、レーズンに続く勢いで、ラズベリーと命名致しました。

30ゲージという目の細かさで丁寧に編み立てられた各パーツはきわめて柔らかく、熟練工が手で接合するとはいえ難儀しそうですね。

手触りや色からレディースと思われるかも知れませんが、サイズ展開は敢えてメンズサイズを中心に、38~44で揃えました。

陽の光もくすみ、落ち着いた色目が多くなりがちなこの時期の装いへのひと挿しとして、あるいは一転して光の色が強まる春の気分を彩る主役として、季節ごとに気分を変えて使えるニットです。

まずは一度触れて、袖を通してみてください。

素敵な夢の世界が広がりますよ。

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きのうは曇り空 きっとそのせいかしら ~ CURLY/ CLOUDY BOA SC BLOUSON

服飾に於ける秋冬の楽しさは、なんといってもそのバリエーションの豊富さにあります。

暑さゆえどうしても単品使い中心となる夏に較べ、選べる服の種類も装いの組み合わせも、よりどりみどり。

仕入れる側も楽しい季節です。

上質な天然素材や高機能な中綿アウターなど、今まで色々と展開してきたアウターにも、変化というより選択肢として新たな展開があってもいいでしょう。

そこで本日ご紹介しますのは、当店ではちょっと珍しくボアフリースブルゾンです。

厚手のボアフリースとさらりとしたナイロンを組み合わせ、全体のボリュームを抑え、引き締まった印象を生み出しました。

質感の暖かな素材でありながら良くも悪くもそこそこの通気性を持つフリース、実はあまりアウター向きの生地ではありません。

そこでこのジャケットではしっかりとした裏地が設けられ、高い防風性を実現しています。

襟は首全体を暖めてくれる高めのスタンドカラー。

裾や袖口から冷気が入りにくい構造です。

こうした高い防寒性能を備えながらも、落ち着いた色目や都会的な風貌は市街地にも淀みなく馴染み、木枯らし吹き荒ぶ路地でも軽やかな気分にしてくれることでしょう。

ふだんフリースを着慣れない方にもお薦めですよ。

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行く先々で想い出すのは あなたのことだとわかっています ~ HAVERSACK/ シェトランドツイードハンティングコート

日中はともかく、朝晩はだいぶ冷え込むようになりました。

それに伴ってコートをお探しの方も増えてきています。

とはいえそれを羽織れば真冬もバッチリというほどの防寒性能は時期尚早、秋がもっと深まったあたりから出番となり、かつ中に着るもので厳冬期もしのげる、今時期はそんな適度なバランス感が望ましいのではないでしょうか。

HAVERSACKの新作ハンティングコートは、まさにそんな一枚です。

シェトランドウールで織られた表情豊かなチェック柄のツイードを用いて、たっぷりとしたAラインのシルエットに仕立てられています。

コートではちょっと珍しいスタンドカラーですが、着てみると拍子抜けするほどすんなりと落ち着きます。

ディテールは基本的にクラシカルでありつつ機能性も重視され、スマートフォンの収まるチェンジポケットに

往時の狩猟服を踏襲した、背面の大容量ゲームポケットが男心を擽って止みません。

ここにハンターよろしく地図や獲物を入れるのか、それは貴方次第です。

裏地はシャリッとしたコットンの高密度生地で、着心地と防風性を高めてくれます。

なお、左右に内ポケットも設けられています。

ちょっと出掛ける程度であれば鞄を持たずに済みそうな収容能力ですね。

そうしたギアとしての面白さもさることながら、着用時の佇まいの美しさもまた特筆すべき点です。

上品なドレープ、立体的な背中、どの角度から見ても見事の一言。

大人の男ならではの魅力を十二分に引き出してくれることでしょう。

一着のみの入荷で、店頭ではすでに数名の方がご検討されています。
どうぞ気になる方はお早めに。

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大人になれば ~ AS WE GROW/ Sailor Sweater

当店で少ないながらも取り扱っている子供服。

その筆頭がアイスランドのAS WE GROWです。

北欧ならではの落ち着いたトーン、高い品質にくわえ、たとえばごく幼いころはワンピースドレスとして、成長すればチュニックとして使えたりと数年着ることを想定したデザインでご好評いただいていたのですが、当店の在庫バランスの都合上しばらく入荷をお休みしていました(というわけで上の画像は2年前のものです)。

以前から、子供にだけなんてもったいない、大人でも着たい、との声をいただいていたなか、久しぶりの入荷は何と大人用、しかもメンズサイズとなります。

もともと子供用としてブランドのラインナップ上存在していたSailor Sweaterが、大きくなって登場です。

やわらかく軽いベビーアルパカの毛と、毛玉になりにくく洗濯強度の高いスーパーウォッシュメリノウールを用いて(そのため、手洗い可能となっています)北欧らしいデザインに編み立てられています。

子供服の名残か、リブが通常のセーターにくらべやや広めにとられているのも特徴です。

どの色も実は撮影にとても難儀しまして、その理由はこの複雑な色調。

アイスランドの寂寥かつ壮麗な風光を偲ばせます。

サイズ展開はS~Mと表示されていますが、実際はM~Lに近い感覚です。

親子でAS WE GROWを楽しむもよし、もちろんそんな流れと無関係にお召いただくもよし、何にしても素敵なセーターですからどうぞご自由に。

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枯葉色のクレッシェンド ~ blanc/ sack jkt

猛暑だ何だと言っていたのはつい先日のことだったような気がしますが、なんと本日から11月です。

町や緑道の木々がだんだんと枯葉色に染まりはじめ、ああ今年もまたボヤボヤしているうちに終わるんだろうなと反省するものの、反省しているうちに実際にいつしか来年になっているのでしょう。

さて、この時期は昼間はまだ暖かく、朝晩に冷え込んでくるわけで、軽く薄すぎない上着が重宝します。

こんな一枚があれば、きっと重宝するはずです。

枯葉色が情景に溶け込むblancのsack jkt。
実は昨年も同型で素材/色違いを入荷したのですが、あっという間に巣立ってしまい紹介できていませんでした。

ボタンも襟もない、もちろん肩パッド等もない、まるでカーディガンのようなデザインとなっていて、気軽に羽織るにはもってこいです。

そして両脇と胸にポケットが設けられていますので、カーディガンより収納面で優れています。

裏地が張られていますので、意外と風は通しません。

この裏地も表地も綿素材で、前述の通り軽快な構造のため、家庭での洗濯が可能なのがうれしいところ。

着用に於いても日々のケアに於いても気を遣わずに済む、実にblancらしい仕上がりとなっています。

今の時期や春先にはアウターとして、冬になればカーディガンとして使うのもよいでしょう。

フリーサイズ展開となっており、小柄な女性からある程度背の高い方まで対応可能です。
羽織る方の体型や個性によっていろんな見え方になると思います。

そんな拡張性もまた、blancらしさですね。

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ドレミファロンド ~ EEL Products/ ロンドパンツ

仲町台駅から10分ほど歩いたところ、ドイツ学園および茅ヶ崎公園のそばにアトリエロンドという洋菓子屋さんがあります。

季節ごとに5種類ずつ展開する看板商品のエクレアは、かりっとしたクッキーシューと甘いクリームが豊潤な和音を奏で、われわれを楽しませてくれます。

また店主は未体験ですが、猫足の形をしたクッキー『ロンドの足跡』は全国のスイーツ愛好家から狙われ、予約必須(しかも一ヶ月待ち)だとか…

ほかにも美味しいお店が多く実はスイーツ激戦区である仲町台、お立ち寄りの際は是非チェックしてみてください。

さて、そんなアトリエロンドさんとは無関係ながら、お菓子の如く心躍らせるパンツが入荷しています。

EEL Productsの新作、ロンドパンツです。

しっかりした素材と9分丈テーパードシルエットのすっきりした軽快な形状が、絶妙なマッチングを生み出しています。

ウールベースの本体生地は肉厚なものを用いており、

腰から膝まで袋状の裏地が設けられていますので、穿き心地、保温性にとても優れています。

晩秋から真冬にかけて、頼もしい友となってくれることでしょう。

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