なんと、2024年ももう3分の1が経過し、5月に突入してしまいました。
世はGWの真ん中あたり。
連休を取った方もいればカレンダー通りの方もいらっしゃいますね。
当店は展示会などの予定もないので、水曜日ではありますが平常通り店を開けております。
さて。
昨年から展開し、断続的に入荷が行われていたものの、ブログでのご紹介がまだ1度しかなく、まだお客様に認知されきっていないブランドがございます。
それがshinyasekiです。
その名の通りデザイナー関慎也さんが手掛けるユニセックスブランドで、ロゴやキャッチーな要素をわかりやすく表層に足すのではなく、素材、パターン、裁断で服を表現する手法に長けています。
関さんはお祖父さまが営む縫製工場を遊び場として育ち、文化服装学院で学びながら数々の国際コンクールを受賞、2011年に自らの名を冠したアトリエを設立しました。
2017年にコレクション発表の場をパリに移したのもあって、その名は国内より寧ろ海外で知られ、フランスをはじめ、アメリカやスイス、ギリシア、エジプトなどさまざまな国で展開されています。
そのブランドコンセプトは「目に見えないものにこそ価値がある」。
留学時にかのアズディン・アライア氏のもとで磨いたドレープ表現は評価が高く、ブランドのひとつの代名詞的な技術として挙げられます。
とはいえ、ドレープを駆使したものやコレクションの多くは作家性がひじょうに強いため、当店にずらりと並べると少々浮くのも確かでして、豊富なラインナップのなかから、あくまでユーフォニカの服として自然に馴染むものを厳選しています。
そうして店頭やオンラインストアに並べてみると、お客さまからの反応が頗る好く、結果としてご紹介を前に姿を消してしまうことが多い…ブログに1度しか登場していないというのにはそうした背景があるのでした。
今季入荷分も、気がつけばラスト1着。
ちょうど今ごろの時期から本領を発揮する服ですから、巣立ってしまう前にしっかりとご覧いただくことにしましょう。
Squeare Shirtと名付けられたこの女性用のシャツは、「シャツ」の枠に収まらぬ独創性の高い一枚です。
柔らかく通気性に富んだダブルガーゼを使用、その快適な素材を土台に、shinyasekiならではの技巧が冴えわたります。
袖の肘あたりまで伸びた肩のヨークが胴部分と袖との境を曖昧にしてひとつの塊のような一体感を生み、
裾はいったんつまんでプリーツ状に縫い、端の生地を裁ちっぱなしのまま流すことで、複数の生地を重ねたような立体的な印象となりました。
どの部位も、言葉をもって説明すること自体陳腐に感じてしまうような仕掛けに溢れています。
もちろんそうしたテクニックはそれ自体が目的でなく、全体で見たとき、そして身に纏ったときの美しさを着地点とします。
ディテールがどうこう以上に、一度袖を通していただければ、服のパワーのようなものを直感的に感じていただけるはずです。
ジャケットのようなポケットが設けられているため、羽織ものとしても使いやすく、春~秋にかけて長い期間活躍します。
着心地も、とても好いですよ。
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