遠き山に陽は落ちて ~ EL CAMPERO

当店でも開店以来人気のTRIOPなど、スポーツサンダルの優れた機能性はトレンドを飛び越え、いわば夏のスニーカーとしてほぼ定番化したと見ています。

一方トレンドアイテムとしては昨年からシャワーサンダルが注目を浴びていますが、いくら旬のアイテムとはいえ、さすがにある程度年齢を重ねた大人が市街地で履くものとしては厳しいものがあります。

そこで当店が今年スポーツサンダルの対抗馬として提案するのが、レザーサンダルです。

イタリアのトスカーナ州にて、”シンプルであることは洗練性の究極形である”というレオナルド・ダ・ヴィンチ(彼もまたトスカーナの人物です)の言葉を掲げ、ハンドメイドで靴やサンダルを50年以上にわたり作り続けているブランド、EL CAMPERO(エル・カンペーロ)をご紹介します。

トスカーナは、革好きの間では植物タンニン鞣しの革の産地として名高い地域です。
この革、RHYTHMOSの革小物などで当店ではお馴染みではありますが、ちょっとおさらいしてみましょう。

タンニン鞣しの革は一般的に多く流通しているクロム鞣しの革に較べ、生産にコストや時間がかかり、かつ柔軟性に乏しく日焼けなどで変色しやすいなどの欠点を備えています。
耐火性や引き裂き強度などもクロム鞣しの方が優れていますし、工業製品として革を捉えた場合、タンニン鞣しの出る幕はほぼありません。

しかしそれでもその製法が今もなお存続している大きな理由が、最大限に引き出された革本来の風合いです。

革を使いこんだ時に味が出るという表現をよく使いますね。
質感がこなれ、澄んだ艶が生まれ、何とも魅力的に育っていきます。

タンニン鞣しの変質しやすさがここに長所として転化されます。
変化しやすい≒味が出やすいということです。

ですから経年劣化だなんて悲しい表現ではなく、せめて経年変化と仰っていただければ、きっと革も喜ぶと思います。

さて、このEL CAMPEROのサンダルには当然トスカーナ現地で作られたタンニン鞣しの革が用いられています。

縫い糸や金具などを除けば、靴底も含めほぼすべてが革製です。

多くのタンニン鞣しの革の色つけは耐久性の高い顔料でなく、透明性の高い染料を用いていますが、このサンダルも御多分に洩れず。
というわけで色ムラが多く、傷などもそのまま残されていますが、それが革本来の姿です。

履き込んでいけばいくほど滋味に富んだ表情を見せてくれることでしょう。

黒のバックストラップのタイプと焦げ茶色のつっかけタイプ、ともに男女サイズを幅広く揃えました。

大人の夏の装いに、気楽さと品格を与えてくれる魅力的なサンダルです。
是非店頭にてお試しください。

オンラインストアはこちらです→ #550X(ブラック)/ #560(ダークブラウン)


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