お盆を過ぎたら急に風が涼しくなったせいか、ふと見やるといつの間にやら木々の様子も秋めいていました。
浮き沈みしながらもまだ残暑は続くのでしょうが、一握の寂寞とともに着々と夏は終わりに向かっているようです。
そんな中、今すぐにでも欲しくなるようなカーディガンが入荷してきました。
2018AWデビュー、つまりこれが初のお披露目となる新ブランドK.ITO(ケイトケー・イトウ)。
*ブログ公開当初KITO(ケイト)と表記していましたが、K.ITO(ケー・イトウ)が正しいとのことです。失礼致しました…
ブランド自体は生まれたてですが、手掛けるデザイナー井藤一男氏のキャリアは長く、実に40年近くに至ります。
糸の開発から縫製まであらゆる工程を熟知したプロフェッショナルで、基本的には表舞台に立つことなく、裏方としてコレクションブランドなど名立たるブランドの服作りを支えてきた人物でした。
そんな井藤氏が御自身のブランドとして立ち上げたのがこのK.ITOというわけです。
特にニットやカットソーを得意とし、ブランド名にもそれが反映されています。
お気づきの方もいらっしゃることでしょうが、「毛糸」と「Kazuo ITO」のダブルミーニングですね。
さてこのカーディガン、一見何の変哲もなさそうで、細部に技巧が光ります。
素材はウールの天竺素材。コットンなどではTシャツによく用いられる編地です。
縫製もニットとしてではなくカットソーとして、ミシンで縫われています。
この編地は、さらりと乾いた肌触りでありながらも身に纏うと驚くほど柔らかく、ふわりとした着心地が楽しめます。
そんな素材の特性を活かしたパターンも特徴的で、まず襟周りが首に向かって立ち上がっています。
ここから肩、袖に流れるなだらかな曲線が、ともすればのっぺりとなりがちな一般的カットソーカーディガンと一線を画します。
MONTANEのジャケットを彷彿させる構造で、運動性が高く、腕を上げても裾が引っ張られにくくなっています。
どこを見ても唸らされる円熟味。
今の時期から次の初夏まで着られ、また捻りながらもバランスのとれたデザインで、圧倒的な万能性を誇る一枚です。
カーディガン愛好家の皆さま、是非店頭にてその実力をお確かめください。
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