「ファーストアルバムにはそのアーティストのすべてが詰まっている」
最初にだれが言い出したのかつまびらかではありませんが、なかなかの至言ではありませんか。
この秋冬にデビューを果たしたtilt The authentics(チルトザオーセンティックス)。
気鋭の若手デザイナー中津智博氏が手掛ける新星です。
オーセンティックなものを傾けるというブランド名の通り、普遍性が高く日常生活に馴染むような、しかし実は細かいデザインワークが施され絶妙な違いが生まれている、そんな服作りを得意としています。
このパンツにはそうしたブランドらしさがぎゅっと凝縮されており、見て、触って、そして穿いてみれば、たちまちにして言わんとすることをご理解いただけることでしょう。
生地は、超長綿ギザコットンを高密度に織り上げたモールスキンです。
艶があり、絹を彷彿させる滑らかな肌触りで楽しませてくれつつも、そこはワークウェアにも用いられるモールスキン、きわめて高い耐久性を誇ります。
日常生活に於いて気兼ねなくどんどん穿きこみ、ともに過ごした時間が齎す変化を楽しめそうですね。
一方、デザインは上品にまとめられており、ワークテイストを微塵も感じさせません。
ハンドポケットは端から少し中央に寄った部分に設けられ、片縁仕様となっています。
金属の質感、そして開閉のスムーズさは世界最高峰です。
こうした、気が配られながらも癖が強くないディテールや、すっきりしたテーパードシルエットなどが相まって汎用性は極めて高く、それほど服装にうるさくない職場であれば革靴(delightful toolなんて間違いなく相性抜群ですね)などを合わせてビジネスの場でも適応しますし、オフにはTシャツやスウェット、スニーカーなどと合わせても面白いかと思われます。
どうだ凄いだろうといった声高な主張も、わかりやすい記号性もここにはありません。
しかしきっと、日常の装いの中に挿すたびにささやかな発見があるのではないでしょうか。
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