スコットランド北東部ハイランド地方のスペイ川流域地区をスペイサイドと称します。
このスペイ川には北海よりサーモンが遡上することから漁や釣りが盛んに行われており、当店ではすっかりお馴染みのケスティン・エア氏も少年時代は夏に御父上と釣りに出かけ、愉しい時間を過ごしたとか。
また、スペイサイドはスコッチ・ウィスキーの一大産地としても知られ、スコットランド全体の半数近い52箇所ものモルトウィスキー蒸溜所を擁しています。
当地の一銘柄BenRiach(ベンリアック)は1898年に創業し、ノンピートの大麦麦芽とピートを使用した大麦麦芽タイプ、二種類のシングルモルトウィスキーを製造するユニークな蒸溜所です。
1898年からといっても、最初の2年営業したところでパティソン事件(*)に巻き込まれ蒸溜事業を停止、以後65年間は隣接するロングモーン蒸溜所のためのモルティングのみを行う形で存続し、1965年にグレンリベットグループの一員として復活したのち2004年に独立、といったように紆余曲折を経ているようで。
(*Pattison Crash;強引な手腕で会社を拡大させていったエディンバラのブレンダー、パティソンが資金繰りに窮して不正会計で切り抜けようとしたものの倒産し、その連鎖で多くの蒸溜所や関係会社も廃業に追い込まれた事件)
現在はジャック・ダニエルズやアーリータイムズなどと同じく米ブラウン・フォーマン社の傘下に入り、当代屈指のマスターブレンダーとの声も高いレイチェル・バリー女史によって伝統を活かしながら革新的な試みに挑戦し続けています。
このベンリアックと、自身も大のスコッチ愛好家であるケスティンが、このたび夢のコラボレーションを実現しました(向かって左側の巨漢がケスティン)。
ブランド定番のショップコートをベンリアックのウィスキー色にした特別仕様で、同じくスコットランドの都市ダンディーの有力生地メーカであるハレー・スティーヴンソンズ社の手で製品染めが施されています。
ピーテッドモルトであるキュオリアシタス(Curiositas)10年の、蜂蜜のような黄金色を再現したモデルです。
ただ平坦に染めただけでなく、絶妙なムラを生じさせることで、色に味わい深い奥行きを生み出しています。
こちらはアンピーテッドのフォーカスクマチュアード(Four Cask Matured)21年の色となっています。
バージンアメリカンオーク、シェリー樽、ペドロ・ヒメネス(極甘口ワイン)樽、赤ワイン樽でそれぞれ熟成させたシングルモルトをブレンドしたこの特別なウィスキーの飴色を、見事に描き出しました。
2色合わせて世界で72着のみの限定生産品につき、それぞれにはシリアルナンバーの入った布タグが付属しています。
なお、先に挙げた2種類のウィスキーの違い(主にピーテッドとアンピーテッドの差についてですが)をレイチェルさん自身が動画でも説明してくれていますので、ご興味あれば是非ご覧ください。
オンラインストアはこちらです→ 10 YEARS AGED/ 21 YEAR AGED