いよいよ師走に突入し、街の様子もだいぶ冬めいてきました。
寒いですよね。きょうなんかも冷たい雨が降って、つらいですよね。
とはいっても、ロシアと比べれば横浜は温暖なわけで、となるとロシアの冬を越せる外套があれば心配は要りますまい。
ロシア、外套ときたならゴーゴリの名作『外套』および悲しき主人公アカーキイ・アカーキエウィッチ君を思い出さずにはいられませんが、
『外套』の舞台といえばサンクトペテルブルグ。
SHU(シュウ)は、そのサンクトペテルブルグにて若きデザイナーANDREY KRAVTSOV(Андрей Кравцов)氏が手掛けている新進ブランドです。
アンドレイが生まれたウラル連邦管区スヴェルドロフスク州セヴェロウラリスクは鉱山の町で、その厳しい風土は彼に機能的な衣料を志す土台を与え、彼が育ったサンクトペテルブルグは美的感覚を与えました。
もともとはサンクトペテルブルクのヒュンダイの自動車組み立て工場で働きながら文章を書いたり、またミュージシャンを目指していたアンドレイ、それよりもっと前から「縫う」ことについてとても強い関心を持っていたようです。
そうして”sew”を意味するロシア語”Шью”(šʹju)から自身のブランドに授けたのが、”SHU”の名でした。
彼は特別なデザイン教育を受けておらず、独学で裁縫を習得しなければなりませんでしたが、既製の服を分解してそこからパターンを作り直したり、試行錯誤によってスキルを向上させた努力の人です。
それだけあって、縫製や素材、服の構造については徹底的に考え抜かれ、一切の妥協のないものに仕上がっています。
まずこのコートに用いられている防水透湿生地。
耐水圧10000mm、蒸気透過性も24時間で3000g/m²と、本格レインウェア級の性能を誇ります。
この生地の機能を活かすべく縫製も綿密に行われ、さらに縫い目から水が浸入してこないようテーピング処理まで施されています。
中綿としてぎっしりとデュポン社の植物性由来PTT樹脂ソロナファイバーを用いた人工ダウン”SUSTANS”が詰め込まれました(なお、アンドレイの主義として動物由来の素材は使用せず、天然のダウンは今後も展開する予定はないそうです)。
その保温性はきわめて高く、何と氷点下25度まで対応してしまうとか。
とことん冷気をシャットアウトします。
ポケットのフラップは手袋をつけたままでも開閉が容易で、凍結リスクも低いマグネット式です。
すべてのファスナーはアンドレイが絶大な信頼を置く中国SBS社製のものを採用、フロントにはこれもまた凍結しづらい樹脂製ダブルジップ。
反転して裏側からも閉じられるのですが、そう、実はこのコート、リバーシブルです。
ごくプレーンな表側とはまた印象の異なる近未来感があって、楽しめますね。
悪天候に強く、圧倒的に暖かく、上品でクリーン、さらにギミックも仕込まれている、ここまでバランスがとれて完成度の高い機能系アウターはそうそう出てきません。
来たる真冬に臨み、是非一度ご検討ください。
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