緊急事態宣言下であるにも拘わらず、ふだん通り、否ふだん以上に人波で溢れた週末の仲町台でしたが(特にジョガーの多いこと!むしろ感染拡大が懸念されるくらいに)、さすがに平日で大雨強風、かつ真冬並みに寒いとなれば往来も減り、閑散としています。
当店はといえばふだんと変わらずずっと静かな時を過ごしておりますよ。
ハイ。
この寒さ、表現を変えれば春の長さも、一説によるとコロナの影響で世界中の工場が稼働していないことに因り温暖化が緩くなっているからとのことで、まったく複雑な気持ちになります。
良くも悪くも今までの人類のシステムの限界や問題を思い知らされているこの災禍、いつになるかは知りませんがひと段落したその先の世界は、われわれのよく知るそれではなく、否が応でもあたらしい秩序、あたらしい価値観に更新されたものになっているのでしょう。
アパレル業界も刹那主義的トレンドの仕掛けによる消費喚起、経済格差につけこんだ安価衣料の大量生産、コスパコスパコスパ、そうした旧態依然とした錬金術が近いうちまったく通用しなくなるのは目に見えています。
そもそも、世界中の大手メーカーがコロナによる売上減退の対処として生産現場に負担を押し付けている現状、この安易な発想は間違いなく最終的に自身の首を絞めるはずです。
ここ数年ファッション業界人が俄かにトレンディな言葉として何かと口にするようになった「エシカル」が畢竟表層的な美辞麗句に過ぎなかったことが、すっかり露呈してしまいました。
今後、身の丈に合った規模、丁寧な企画、品質に見合った適正な価格設定、そうしたビッグビジネスと相反する服作りの価値が、ますます高まると確信しています。
niuhansの服はまさしくその一例です。
有名人やインフルエンサーが絶賛しているのも見ない、地味で、時代性に乏しく、決して安くない、しかし一度身に纏えば、これがいかに徹底的な美学に貫かれた服なのかを体が理解します。
このスタンドカラーシャツも、ありふれているようでオンリーワンです。
素材は樹脂コーティングが施されたリネン。
拡大画像だとリネンと判りますが、着た状態を少し離れて見るとまるで薄い革のシャツのような、不思議な印象を与えます。
樹脂は着用と洗濯を重ねることで次第に剥がれていきますので、表情の変化も楽しめそうです。
ボタンにはシャツにはやや珍しく水牛の角を使用しています。
控えめながら生地の奥行きに負けない存在感がなんとも魅力的ですね。
シャツとしてはもちろんのこと、ちょっとした羽織ものにも活用できます。
今年に限らず、来年も、再来年も、長い季節を共に過ごしてくれるであろうこの一枚、是非お見知り置きを。
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