もともと軍パン愛用者の店主、トレンドや時流などおかまいなしに穿き続けていましたが、ここにきてお客様からも最近何だか穿きたいんだよねとのお声を頂戴するようになり、同志の増加にうれしい思いです。
そんななか、ちょうどいい感じの子が出てまいりましたよ。
英国海軍にかつて支給されていたPCSシリーズのパンツ。
PCSはPersonal Clothing Systemの略で、気候や環境によって重ねたり脱いだりして個々調節するという、現在でも採用されているシステムですが、このモデルは少し前の世代の型です。
いわゆるデッドストックとは若干事情が異なりまして、英国軍や警察に制服を納入する業界大手Cooneen Defense社が、当時の素材を再現し、実際に手掛けていたカンボジアの工場(もしイギリスとカンボジアが戦争することになったらどうするのかと心配になりますね)にて同じスペックで民間用に再生産した、リプロダクト品となります。
そのためか、現在タグのNSN(NATO Stock Number)による識別はできませんが、アヤシイ代物ではございませんので、ご安心ください。
さて、肝心のパンツ自体に目を向けると、さすが国家が莫大な予算を投入して開発させただけあって、実によくできています。
使用されている生地は、さらりとした乾いた質感が軽快な穿き心地を生み出す、ポリエステル混のコットン。
というだけでなく、難燃性を備えています。本気です。
ボタンはすべて糸による縫い付けではなく、テープを用いたパラシュート式で留められています。
激しい動きが求められる環境につき、ボタンが引っかかってはじけ飛んでしまうのは防がねばなりません。
斜めに設置された独特なポジショニングのカーゴポケットのフラップにも、同様にパラシュートボタンが採用されました。
裾にはドローコードが通されています。
本来の使い方としては、ハイカットブーツを履くときはぎゅっと絞ってブーツに裾を入れ、アンクルブーツのときは緩めて下ろしたままにすると使い分けるようですが、コスプレを愉しむのでなければ、日本での都市生活に於いてそこは無視して構いません。
サンダル履きのときは上げてみるなど、お好きなようにご活用ください。
以上の如く機能的かつ抑制の利いたデザインであるうえ、シルエットも太すぎず細すぎず、軍モノと思えないほど中庸な、とても使いやすい一本です。
店頭でもご覧になる方は多く、サイズ欠けは時間の問題かと思われます。
気になる方は、どうぞお早めに。
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