満を持して6月20日に世界同時展開となったKARHUのARIAですが、
一部有名ショップでごく少量リリースされた限定モデルを除き
実社会でもネット上でもほとんど話題になっていない状況です。
ムムム!
当店では扱っていないもので
カルフにはアルバトロスというさらにレトロなモデルがあり、
こちらはブランドの代名詞として一定の人気を得ていますが、
未だにその地位を脅かす気配すら見せません。
ググってみたところ、
弊ブログより熱量の高いレビューは少なくとも日本語では見当たりませんでした。
それどころかInstagramにしても何にしても、公式サイトや関係者を除けば
こんなに執拗にアリアのレギュラーカラーを推しているのは
どうも地球上で当店くらいなのではないかという気にもなります。
そもそも、代理店の直営オンラインストアにすらアップされていないのは
どうしたことでしょう。
そんな逆境ではありますが、
最初から流行とか人気を前提に仕入れている靴ではありません。
だって惚れちゃったんだもん、なればその魅力を可能な限り伝えるのが仕事です。
店主自身この靴のネイビー×グレーのモデルを入荷日から2ヶ月程履いていますので、
恐らく本邦初の、使用感も含めたレビューを書き記すことに致します。
ケイブ×フロラージュと両方試してみましたが、
意外とケイブの方が服に合わせやすく、
特にネイビーのパンツとの相性は抜群でした。
一見すると派手ですが、トーンが落ち着いていますので
悪目立ちはしません。
特にこれからのシーズンにはとても使い勝手はいいと思います
(蓋しそんな色のスウェードを盛夏直前に入れてくるあたりがカルフです)。
ではなぜネイビーを選んだのかといいますと、アウトソールの赤が決め手でした。
トリコロール配色でもあるということですね。
これを履いてマリノス観戦に行きたかっただけです。
実際、これを着用して7/29の清水エスパルス戦に繰り出しました。
試合は見事に逆転負けを喫しましたが、本稿では深くは触れません。
さてこれもこれで勿論使いづらい配色ではなく、
ネイビー、グレー、黒などとの相性は良好です。
特にコットンシルクやウールなど、上品な素材感のカジュアル過ぎないものならば
この靴の運動靴感を中和して、よりいい塩梅となります。
ちなみに、デニムだけは絶対に合わせてはなりません。
そのジーンズがどんなに見事なものであっても、
あっという間に’90年代のオタク青年になり果ててしまうことでしょう。
さて、ギアとして肝心の履き心地ですが、
足を入れたときに感じるちょっとした硬さが歩行時にほぼ気にならず、
寧ろ心地よいクッションと反発力でぐいぐい進めます。
カルフ独自の走行サポートシステムで”フルクラム”という構造がありまして、
ミッドフットを接地しやすくすることで踵から前足部に向かう移動を促進し、
テコの原理で蹴り出しをサポートするという仕組みです。
このシステムは’90年代に設計されたアリアだけでなく、
現行のハイパフォーマンスモデル(当店では取り扱っていませんが)にも
採用されているほど息が長く、それだけ完成度が高いということです。
たしかにアリアを履いて歩いてみればそれも宜なるかなでした。
なお、サイドのMマークや踵の格子の内側など
全体の所々にリフレクター素材が用いられており、
夜間のランニングに効果を発揮します。
もともとは純潔のスポーツシューズであるという出自がここにも窺えますね。
スポーツ用品専業メーカーとしての独自理論に基づいたテクノロジー、
北欧ならではの味わいのある色遣い、
本質的にはなかなか完成度の高いシューズです。
ただしそのユニークさがゆえにおそらくは万人に評価されづらいのかも知れません。
メディアにもほとんど取り上げられませんし。
まだもう暫し時間はかかることでしょうが
ひとりでも多くの方がその魅力に気づけるよう、
仲町台の片隅から声を上げ続けていきます。
オンラインストアはこちら→ ケイブ×フロラージュ/ グレー×ダークネイビー