Thank you for your love. Thank you for your everything  ~ aligatos/ ペーパーソックス

ふだん我々が何気なく使っていることばも、実は意外と新しい用法だったりします。

たとえばお礼を伝えるときに用いる「ありがとう(有難う)」。
室町時代には目上の者に対する謝辞として用いられていたようですが、この言い回しが全国的に標準化されたのは明治時代ごろと云われています。

いま手元にある『言海』(明治22年刊行)を繙いて「ありがたし(難有)」の項を見てみますと、
「(一)存在スルコト難シ。在リカヌ (二)類ヒ少シ。希ナリ。希世 (三)カタジケナシ。忝」
とあり、お礼の用法は三番手に位置づけられていました。

字の如く原義はそもそも『言海』の語釈にもある「有る+難し」であり、もとを辿れば仏典から広まった表現のようです。

得生人道難
生壽亦難得
世間有佛難
佛法難得聞

ひとの生をうくるはかたく、
やがて死すべきものの いま生命あるはありがたし、
正法を耳にするはかたく、
諸仏の世に出づるもありがたし
(友松圓諦訳)

『法句経』 182

こうして改めて「有難い」と向き合うと、世の万物の見え方、とらえ方も変わってきますね。
いつだって当たり前にそこにあると思っていた、もの、人…万物が偶然と巡りあわせの結果で、ひとつとして軽んじられるべきではないということではないでしょうか。

当店で初登場となるaligatos(アリガトス)は、そうした視座から、属性の垣根を超えて人と社会の幸福を追求するブランドです。

商材こそ靴下ですが、主役はあくまで人であるとしています。

現在の編み靴下は、およそ4~5世紀にはその原型が完成していたらしく、16世紀に編み機が発明され、幾多の改良・発明を経て現在に至ります。
その歴史の長さもあって、現代の靴下は概ね完成形と呼べるほどのステージに到達しました。

しかしaligatosは現状を最終地点とは考えず、さらなる高みを目指しています。

唐突に個人的な話で恐縮ですが、店主は足が小さくまたかなり華奢でして、知る限りでも祖父~母~店主~娘と遺伝し続けているようで、これはもうどうしようもありません。

そんなわけで、昔から靴選びに難儀します。
スニーカーはまだしも、革靴、なかんづくスリップオンタイプはたいへんです。

そして、靴下が意外と困ります。

たまに例外はあれど、男性ものだと踵や爪先が余って、土踏まずあたりにも布がだぶつき、かといって女性ものだと小さすぎることが多く、それはそれで踵がずれてしまうんですね。

しかし、靴下を作る側からすれば、一番多いゾーンに合わせないと穿けない人が続出しますから、なかなかマイノリティに合わせて生産するというのも難しい話なのは理解できます。

ゆえに「そういうもの」として若干のストレスを抱えながらずっと過ごしてきたのですが…aligatosの靴下はその問題を鮮やかにクリアしてしまいました。

このブランドがテーマとして掲げているのは、サイズレス、ジェンダーレス、エイジレス。
足の大きさ、性別、年齢、そうしたさまざまな垣根を超えた靴下を目指します。

さてそうして生まれた靴下が如何なるものか、じっくりとご覧いただきましょう。

形状としましては、踵の部分がない、いわゆるチューブソックスです。

チューブソックス自体は昔から存在し、aligatosもまた、物資が不足していた第二次世界大戦時に支給されていた軍足から着想したそうです。

現代でもパック入りで販売されていたりしますが、それはあくまでサイズの概念が曖昧なだけのもの。
だれでも穿ける(余談ですが、靴下は「履く」より「穿く」が望ましい表記だそうです。ただ、一般的には「履く」と書かれることが多く、むしろ「穿く」が間違いと思われがち。本稿ではひとまず「穿く」に統一します)だけであり、だれもが望ましい装着感を得られるわけではありません。
むしろ、ジャストフィットを犠牲にすることで成り立つ汎用性と言えます。

2年の年月をかけて独自に開発された”3段階グラデーション編み”なる技法が、そんなチューブソックスに変革をもたらしました。

実際に穿いてみると、きっと驚かれることでしょう。

靴下自体がまっすぐなのに、足のカーブ、動きに過不足なくぴったりと吸いついてきます。

なんと、足のサイズが22.5cmでも28.5cmでも対応できてしまいます。
まさにこれぞフリーサイズです。

素材は紙糸と機能素材を掛け合わせたハイブリッド糸。

吸放湿性に優れ、蒸し暑い環境下でも乾いた質感を維持します。

その特徴から、トレイルランや長距離走などのランナーが穿く靴下に採用されることもあるようです。

少々カリッとした硬さのある素材ですが、編み方のお陰か、不快な肌触りではありません。
足全体をさらさらした感触でやさしく心地好く包みこんでくれます。

また、爪先のリンキングが実にフラットで、ここのごろつきを感じさせないのもうれしいところ。

なお、この縫い目のあるほうが上側です(下の画像ですと向かって左が上面)。

耐久性の高さも特筆すべき点で、通常の靴下にくらべおよそ5倍の耐摩耗強度を備えているとか。
ですので心置きなく日々の生活でお使いいただけます。

無地のみの展開ではあるものの、色バリエーションは豊富です。

使いやすい無彩色や濃紺を選ぶもよし、

装いを引き立てる色を選ぶもよし、お好みでどうぞ。

なお、このブランドはただユーザーを幸せにするのみに留まらず、毎年のクリスマス、売上額の3%にあたる靴下をこども園に寄付しています。
タグをカード代わりに、先生からのメッセージを添えて、子どもたちにプレゼントされるそうです。

オンラインストアはこちらです


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