早いものでもう9月、依然として強烈な蒸し暑さは残れど、陽は漸う短くなり、木々の葉を見れば仄かに茶色く枯れ始めてきました。
そうした季節感の変化もあって、店頭ではカーディガンや秋向けの上着を手に取られる方が増えています。
今年もジャケットは豊作でして、何からご紹介すべきか悩ましいところ。
しかし悩んでいるうちにどんどん時間は過ぎていきますので、まずはHAVERSACKの新作をご覧いただくことにしましょう。
この生地の奥行きのある表情、フランスのヴィンテージウェアに使われるようなリネンを再現…したと思いきや、
実はリネンではなく、和紙と綿を用いて織られたキャンバス生地。
正直なところ、見た限りでは「リネンだよ」と言われてしまえば納得してしまうほどリネンに近い風合いです。
和紙のからりと乾いた特性に上質な綿のしっとりとした湿感が加わり、実に魅力的な雰囲気が生まれています。
躊躇せずどんどん着倒した末にどう変化しているのかが楽しみですね。
なお、裏地に薄手のコットンタイプライターを用いることで、肌へのあたりと滑りのよさを向上させています。
ジャケット自体を見てみると、HAVERSACKにしてはややゆったりした直線的なシルエットです。
ちょっと面白いディテールとして、パッチポケットの右側のみやや小振りのチェンジポケットとの二重構造となっています。
このチェンジポケットはだいたいスマートフォンが収まるくらいのサイズで、意外と使いどころが多そうです。
クラシカルな印象の強いHAVERSACKですが、実は毎シーズン、時代に（迎合はせずとも）寄り添いながら更新を絶やしていません。
そうして進化し続けるからこそ、未来のクラシックとなり得る服が作れるのでしょう。
