デュエット・ウィズ・バーズ ~ ASEEDONCLOUD/ Vestment coat

かつてそこには木々が生い茂っていて、多くの渡り鳥が集まっていたそうです。

“旅鳥の町”と呼ばれていたその島の修道士のもとで育てられた少女は、鳥の歌声を愛し、木々や鳥に祈りを捧げながら穏やかな日々を過ごしていました。

ところがあるとき。
修道士たちは神のお告げを受け、それに従って島の木々を切り倒し、大きな祈りの場をつくりました。

やがて、祈りの場を求めて外部から多くの人が訪れ、島に住みつくようになります。
そうして住民は増え続けていきましたが、いつしか島からは、木々も鳥も姿を消してしまっていました。

幼いころから親しんでいた鳥の歌声は、もう聴こえません。

でも、外の世界には、きっとまだ鳥たちがいるはず。
そこで少女は海へ出ることを決意します。

ずっと島の暮らししか知らなかった少女でしたが、旅を経てたくさんの島々と出会い、残されている自然の存在を知り、鳥と再会することもできました。

そして、木の精霊でもある鳥たちから多くのことを学び、歌を習います。

旅を終えた少女は島に戻り、祈りの場で鳥直伝の歌をうたいました。

それを聴いた島の人びとは、自らの行いによって木々や鳥を失ってしまったことを改めて思い知り、嘆き悔い、島を元の豊かな姿に戻す努力をはじめます。

しかし、一度失った自然はそう簡単には戻らないもの。

島の人びとは、いつか再び鳥たちに戻ってもらえる日が来るのを願い、歌が生まれた島々へ、少女の旅を辿るように巡礼に出るようになりました。

少女の歌は、人びとと島の木々を繋ぐ巡礼路でもあるのです。

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ASEEDONCLOUDの2024SSコレクション”jynreika”(巡礼歌)は、いつもよりちょっと苦みを残した物語。
自然が、失うのは簡単なのに取り戻すことの難しいものであることを、我々に示してくれています。

さて少女が旅から戻り、人びとに樹木の尊さを伝えるときに着ているのがこのVestment coatです。


少女がふだんから着倒した服の柔らかな風合いを表現した、リネン×コットンの綾織生地で仕立てられています。

美しいロープ状の刺繍は、海に船を出して旅をしていた彼女にとって大切な命綱を模したものです。

教会の侍者や聖歌隊の着る服をベースにデザインされており、ボリュームのある立ち襟、

筒状の太い袖などにその名残りが見られます。

そこにガーデニング用のスモックを混ぜ込みながら、あくまで歌うたいの少女が伝道の場で着ることをイメージして設計されています。

左右に縦2つずつ設けられたポケットは、収容力たっぷり。
説教のときだけでなく、日常での使用にもじゅうぶん応えてくれそうですね。

サイズはフリーサイズとなっており、男女ともに使用可能な大きさではあります。
とはいえ、着るとひじょうに可愛らしい形ですので、女性がたっぷりした感じでお召しいただくのがお薦めです。

そろそろ本番を迎えつつある春の外套として、是非ご検討ください。

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