近年は布帛のものも少しずつ世に出てきて、トータルブランドとしての認知も高まりつつあるK.ITO。
とはいえ、やはり多くの方がこのブランドに対し聯想するのはニットやカットソーといった編物ではないでしょうか。
思えばブランド発足時にも「ニットやカットソーのプロだから、毛糸をもじってケーイトウ(ケイト)」とブランド名にまつわる誤情報が流れてしまうほど、たしかにブランドの顔と言える存在ではあります。
そのなかでも筆頭格である秋冬のウールカットソーのシリーズは、今季もますます冴えわたり、先の認識をあらためて深めてしまいそうです。
芯糸に太めのループ糸を撚り絡ませた意匠糸を用いて編み立てることで、独特のポコポコした質感が生まれました。
保温性に優れているのは言うまでもなく、編地ゆえに厚みと軽くのびやかな着心地を両立しています。
この素晴らしい生地を用いて、ベースボールシャツ調のカーディガンを作る、この編集センスがまさにK.ITOです。
胸元のVの開きはやや狭めに、そして着丈がやや長めに設定された縦長のバランスで、実際に袖を通してみるとカーディガンでありながら上着のような雰囲気となります。
ただ縦長にまっすぐ落ちる形状だと腰回りが窮屈になりかねないところ、両脇にはスリットが入り、運動性が確保されています。
なお、そのスリットも、ボタンで開き具合を調節することが可能です。
このブークレの可能性はさらに拡がります。
カーディガンと並び堂々と現れたるは、ドライバーズニット調の新型。
一般的に畦編みのニットで作られることの多いドライバーズニットも、素材が違えばまたがらりと印象が変わるものです。
先述のカーディガンも同様ですが、カットソーならではの強みが遺憾なく発揮されており、両脇に縫い目を設けずぐるりと一枚で囲むような胴回りに、腕を180度上げた状態で裁断された運動性の高い袖が融合。
畦編みの代わりの妥協案としてのブークレではないことが、こうした構造からも伝わりますね。
袖口と裾はリブではなく共生地を採用しスポーティーさを抑え、そのうえでやや窄ませることでフィット感を出しています。
座るときなどに楽なだけでなく、装いにもちょっとした変化がつけられますね。
ファスナーの滑りのよさとしっかりと止まる安定感、こうした副資材の品質の高さもまたK.ITOがベテランの服作りを唸らせるポイントです。
急激に冷え込みが加速して、こうした厚手のウールものも真の魅力が発揮されるようになりました。
いよいよ始まった本格的な秋、そして来たる冬に備え、是非ご検討ください。
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ウールブークレカーディガン ブラック/ ネイビー
ウールブークレドライバーズ ブラック/ ネイビー