東のエデン ~ STORY CRAFTS CO.

個人的な好き嫌いやその良し悪しはさて置き、’90年代の裏原宿ブームは昭和~バブル期まで日本の若者文化の礎となっていたファッションや文化に於ける欧米至上主義との決別の現れだったと思います。

もちろん洋服文化やポップカルチャーが元来欧米主導のものである以上、それらを完全にないがしろにするのもおかしな話ですし、実際今も昔も新しい価値、素晴らしいものが生まれる場所であるのは確かです。

が、裏原宿カルチャーはその文脈(パリが、NYが、など)から気負わずに外れて東京の若者によって発信された日本のオリジナルで、しかもそれは今のクールジャパンのような”Nippon”のデフォルメでなく、物心ついた時から日本も海外もごたまぜの文化圏で育った世代からこそ生まれたトランスボーダーなものでした。

むしろそのリミックス感こそが当時の東京のリアルを映した表現であったため、その新しい価値観を自分たちのものとして若者は熱狂したのでしょう。

そんな東京ユースカルチャーが輝いていた時代から早20年を経た現在。

我が国が今進んでいる道が衰退なのか成熟なのかは後年の歴史の判断に委ねるとして、中国の経済的発展を例に挙げるまでもなく、様々な意味で日本以外のアジア各国の勢いが高まっています。

少なくとも東アジアに於いては、次にどこから新しいものが生まれてくるのかもう誰にも予測がつかない、そんな面白い状況です。

その中で少し前にPen誌でもカルチャー特集が組まれるほどとりわけ各界から熱い注目を集めているのが台湾。

すでに定評ある食文化、PC産業、自転車産業のみならず、たとえば日本統治時代の旧い酒造工場跡地をリノベーションした台北のアートスポット華山1914文化創意產業園區の観光地らしからぬ品の佳さ(赤レンガ倉庫はここを見習うべきです…)に表れるように、彼の地の文化は知的に洗練されながらも無機質一辺倒に陥ることなく、仄かに亜熱帯の風漂う自然で穏やかなスタイルが実に魅力的です。

そしてそういった大きな話でなくとも、インディペンデントな活動を行う高感度な人たちが続々と現れ、ますます目が離せません。

さて例によって冗長な前振りでしたが、ひどく暑くなると予報が出ているこの夏に向けてきっと露出するであろう手首回りを彩るべく、ブレスレットををご紹介します。

台湾の若きクリエイターの一人であるフィービー・リン女史が恋人と手掛ける2013年創業の新進気鋭ブランド、STORY CRAFTS CO.です。
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敢えて均一でない天然石や世界各国から取り寄せたアンティークの部材等を用いて、時と共に味わいを増していく装身具をひとつひとつハンドメイドで製作しており、それらはインディアンジュエリーや欧州の骨董を礎にしていながら、どこか東洋ならではの湿潤な静寂、谷崎潤一郎が『陰翳礼讃』で述べた”時代のつやを連想させるような、濁りを帯びた光り”を湛えています。
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また、こうした趣向のアクセサリーはともすれば過剰に男性的に偏ったりデコラティブに偏ったりしがちなところ、彼女の繊細な感性によって生み出される作品は中性的で抑制された甘さを包含しつつも華奢にはならず、力強く凛と佇みます。
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訊けば当店が現状では日本国内唯一の取扱店であるとか。

まずはお客様方に直接ご紹介したく、今週末から店頭販売限定で展開致します。
在庫は各モデル一点ずつで一期一会のものばかり。

いずれも日本人の肌との親和性が高く、そして男女問わずお使いいただけます。
是非一度その実力の程をお確かめください。

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