今日明日と仲町台では夏の恒例行事、グルメフェスタが行われています。
去年は36度の気温の中行われていたこともあり、
このイベントが来ると夏が来たなと感じます。
が、すっかり夏本番の東海以西を尻目に、依然梅雨が明ける気配のない横浜です。
“やませ”なるオホーツク海からの冷たくて湿った風の所為らしいですね。
暑すぎるのも困りものとはいえ、いつまでも雨が続くのはもっと困ります。
今年は冷夏と言ったり猛暑と言ったり予報がずれ続けていますが、
まさか西側は暑く東側が冷夏になるとは実に思いもよらなかった事態です。
そんな珍妙な季節感をもたらしたオホーツクの風に導かれたのか、
予定より少し早くLUNGE(ルンゲ)からも秋の風が運ばれてきました。
モデルは前回同様ウォーキングシューズAdagio(アダージョ)、
そして今回は男性用のみでネイビーの再入荷+新規展開色アーミーグレーです。
アーミーグレーは女性限定で取り扱っていましたが、
ご好評につき今季より男女両方となります。
仕様はほぼ変わりません。
といってもなにぶんこの靴のご紹介は一年前。
商品紹介も久方ぶりですのでおさらいといきましょう。
LUNGEはドイツ北部のブラールシュトルフという小さな町に自社工場を構え、
元陸上選手である経営者の目の届く範囲で作られる
ゲルマン職人魂の結晶のようなアスレティックシューズメーカーです。
1つの新型を作るのに何年も品質テストを行うという念の入りすぎなやり方のため
ブランド全体で見ても型数自体はひじょうに少ないのですが、
その分それぞれの完成度は尋常ならざるレベルに達しています。
今回入荷のAdagioは遅い速度を表す音楽用語
(このブランドは各モデルに音楽用語が冠されています)を名にもつ通り
ランニングシューズではなくウォーキングシューズです。
反発力や軽量性よりも、安定感やクッション性を重視した構造となっています。
決してメジャーな存在ではなく、
実際このブランドを探してご来店された方はごく少数であるにも関わらず
このLUNGEが当店の人気シューズブランドの一角を成しているのは、
そのもっちりとした肉感的な履き心地ゆえです。
それを生み出すのはアッパーと中敷、ミッドソール、アウトソールの四重奏。
ひとつひとつ解説していきます。
まずアッパーは本革ではなくスウェード調のマイクロファイバーです。
これは当然省コストのためではなく、ヴィーガン(菜食主義)思想に因るのと
柔らかくしなやかで且つ崩れにくいという特長から採用されています。
ドイツらしく、生産時にも廃棄時にも環境に負荷をかけない素材です。
足を直接受け止めるののはLUNGEオリジナルのラテックス一体成型インソール”GOMAX”、
今季から表面をラテックス剥き出しにすることでより足が靴の中で滑りにくくなりました。
衝撃吸収性のみならず土踏まずの中央が盛り上がっている形状が特徴で、
足のアーチをやさしくしっかりと支えます。
現在当店では扱っていませんが、この中敷だけで別売り5000円もする代物です。
ミッドソールは一見地味ながら、素材と構造に秘密があります。
一般的なスポーツシューズに用いられるPUミッドソールには
約20%のEVA(エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂)が含まれているそうですが、
そのEVAの含有量を4倍にすることによって高い衝撃吸収性と耐久性を備えています。
大手メーカーがこの素材を採用しないのは、素材自体があまりに高額であるがためです。
その耐久性はフルマラソン47回分の使用でもクッション性が劣化しないほど。
また、この素材構成だと加水分解を起こしにくく、
履かないあいだ長期保管できるのも嬉しいですね。
土踏まず部分のみ固い素材に切り替えられており、
柔らかいミッドソールで発生しがちな沈み過ぎや不安定さを防ぎ、
快適に長時間の歩行をサポートしてくれます。
地味ながらしっかりと考えられた構造です。
なんとも華のないデザインのアウトソールは、
溝を浅くすることで泥や小石が挟まって
グリップや接地感を損ねるのを防いでいます。
と、このシンプルなルックスにして細部まで考え抜かれ、
そして途方もない性能を備えているLUNGE、
地味であるがゆえに普段の装いに合わせやすいのも魅力です。
すなわち様々な場面で活躍の機会があるということ、
スニーカーとしては決して安価ではありませんが
その費用対効果を考えれば割高ではないと思います。
すでに先行予約やお取り置きで欠けてきている状態です。
ご検討の方は是非お早めにどうぞ。
オンラインストアはこちらです→ ネイビー/アーミーグレー