イングランド北西部湖水地方ボローデイル渓谷。
この地で伝説として語り継がれている人物がいます。
その名はMillican Dalton（ミリカン・ドルトン）。
彼は36歳のときロンドンの保険会社従業員の職を辞し、家族も友人も捨てて単身でほぼ自給自足の生活を始めました。
服や道具なども自作していたようです。
「生活そのものを化学的実験と見なし、最もシンプルな生活が最も幸せであると判った」
のちに彼はそう語っています。
1920年代からはボローデイルにあった人口の洞窟を”The Cave Hotel”と称し、ここで毎年夏期に過ごすようになりました。
寒い時期は毎年イングランド南東部バッキンガムシャーの木の小屋で過ごしていたのですが、1946年の冬に火事で小屋を失い、テント生活に切り替えた結果気管支炎を起こし、翌1947年に79歳で亡くなっています。
菜食主義者、コーヒー愛好家、愛煙家、禁酒主義者、平和主義者、思想家、そして冒険博士として知られ、人々にフリークライミングやセーリングなどの野外活動技術を教えていました。
世を捨てた隠遁者というよりも、ただ自然の中で生きていたいだけで、礼儀正しく社交的な人物だったようですね。
そんな地元の伝説的奇人の名を冠し、この地でヨリットとニッキーの夫妻によって2008年に発足したのが今回ご紹介のMillicanです。
自転車で旅する彼らの友人Nickから名をとったこのメッセンジャーバッグはそんなMillicanの魅力をお伝えするのに相応しい逸品となっています。
(2016/10/6 スレートカラーが追加されました！）
まずはメインに使用されている素材を見てみましょう。
これはBionic Canvasと呼ばれ、高粘度ポリエステルの芯に再生ポリエステルを巻き、さらにその上にコットンを巻いた糸で織られた生地にパラフィンコーティングしたものです。
耐久性と撥水性に優れ、また化繊100%の生地では生み出せない温かな質感を備えています。
他社製品ですが強いて云えばmacpacのアズテックに近いものですね。
バックルはフック式を採用しています。確かなホールド性、脱着の容易さ、故障の少なさが特長です。
自転車用バッグだけあってメインとなるハーネスの補助としてもう一本ストラップが付属しています。
ママチャリでなくある程度の走行性能を持つ自転車は、前傾姿勢で乗るようになっているもの。
ところがバッグを斜め掛けにして乗ると、走行中にバッグ自体がずれてお腹の辺りまで垂れてきてしまいます。
このストラップはそれを防ぐためです。
このストラップ自体が簡単に外せるようになっていますので、状況に応じてより軽快なスタイルでも使い分けていただけます。
フラップを開けると複数のポケットが配置され、細々したものを安心して収納できるのが嬉しいところです。
背面にはノートPCを入れるためのパッド付きポケットが隠されています。
外部サイドにもジップで拡張可能な小さなポケットが設けられ、携帯などが入れられます。
店主のXperia Z3が入りましたので、たいていのスマホは収まるはずです。
フラップには夜間の安全のためのリフレクターが縫い付けられていますが、
非使用時にはフラップの内側に折りこんで隠すことも可能となっています。
カタログ上は2種類のサイズを展開していますが、今回当店では小さいほう、13リットルモデルを選択しました。
本職のメッセンジャーよろしく大きな書類等を入れるのでなければ、日常生活で必要十分な容量です。
まだ日本ではマイナーな存在とはいえ、上記で述べた通りその実力は大したもの。
BACHとはまた違う魅力を持ったこのブランド、是非その魅力に触れてみてください。
オンラインストアはこちらです→ ラスト（レッド）/ ゴース（イエロー）/ モス/ スレート（ネイビー）
